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日本共産党が与党として切り開いた大阪における革新・民主の政治こそ21世紀に生きる新しい政治の流れ  ――その政治方向と党の果たした役割に確信を持って新しい前進を

2004年05月27日
2004年5月 日本共産党大阪府委員会
はじめに

 参議院選挙公示まで約1か月に迫りました。アメリカのイラク戦争への加担、年金改悪などアメリカ言いなり、財界主役の政治の矛盾・ゆきづまりが、極限に達する中での選挙戦です。

 同時に、大阪でも、自民党・公明党など「オール与党」が財界言いなりですすめてきた大型開発中心の政治がゆきづまり、広範な住民との矛盾が広がる中で、70年代いらい30年余の「住民が主人公」にたつ革新・民主の政治と、それを担ってきた日本共産党の役割と値打ちがはますます輝いています。

 国政での日本共産党の役割、全体像とともに、大阪における革新・民主の政治とその中で果たしてきた党の役割、値打ちをつかみ、確信を持って選挙戦に立ち上がり、対話の力にしましょう。

一、ゆきづまる日本、暮らしと経済を破壊する小泉・自公政治のもとで、黒田革新府政をはじめとする革新・民主の地方政治が果たした歴史的役割が輝いている

 小泉・自公政治があらゆる分野でゆきづまっているもとで、黒田革新府政をはじめとする、70年代以来の日本共産党が与党の「住民本位」の革新・民主の地方政治が、21世紀に生きる新しい政治の流れとして輝いています。それは、現実政治によって裏付けられた日本共産党の与党としての、政策能力と政治的力量を証明するものとなっています。

(1)全国の地方政治をリードした黒田府政の8年
憲法を生かして、福祉、教育、環境、中小企業分野で全国に誇る施策を実現

 1971年に革新府政が誕生した前夜は、戦後26年間の自民党(保守)政治のもとで、臨海工業地帯への重化学工業の誘致による公害の激化、人口の急増にともなう生活基盤対策の遅れなど「高度経済成長」のひずみと矛盾がうっ積していました。
 革新府政は、このひずみをただし、公害の総量規制の実施、全国一の老人福祉医療への助成(無料化)、府立高校の増設と、授業料の据え置き、保育所の増設などにとりくみました。これらは、全国をリードする先進的な施策であり、老人医療助成、公害規制などは、やがて国の施策としても取り入れられるようになりました。また、二度のオイルショックによる不況に見舞われた時も、福祉の増進と、無担保・無保証融資制度の創設など中小企業支援を進めつつ、府民とともに赤字再建団体転落の危機を回避しました。
 「黒田府政について府庁関係者からは、環境や福祉など先駆的な政策を評価する声が聞かれた」「黒田府政時代、若手職員だった鈴木重信副知事(60)は『老人医療費の無料化も、府立高校の増設も、黒田府政の施策は時代の要請にこたえた結果。当時としては正しかった』と話す」など、黒田元知事の死去に際してマスコミが報じたように、2期8年間の革新府政は、地方自治のあるべき姿を示しました。

(2)全国に悪名はせた不公正・乱脈・腐敗の政治をただし、市政を立て直す 羽曳野・大東市政

 1973年、羽曳野市に日本共産党員の津田一朗市長が誕生しました。当時、自治体予算を同和事業が圧迫する深刻な状態がまん延していました。ちなみに、当時、予算に占める同和予算の割合が3割台の松原市(33・5%)、羽曳野市(32・3%)はじめ20%以上が軒並み。建設事業費では、9自治体で同和事業費が50%以上占める状況でした。

 津田羽曳野市政は、同和行政の独占管理(窓口一本化)を要求する「解同」(部落解放同盟)と、同和向け公営住宅の入居をめぐって「公正・民主の同和行政」をかかげ、市長監禁を含む120日にもおよぶ市庁舎占拠などの「解同」の激しい暴力的市政介入とたたかいぬき公正民主の市政を実現、「『解同』の了解なしの同和行政は存在しない」という府下自治体を覆っていた「悪弊」をうち破り、その後の同和行政の進路に全国的な影響を与える画期となりました。

 大東市政の場合も、近藤松次民主市政が誕生する前夜の92年度予算(骨格)は、社会教育費の78・3、道路整備費の60%が同和事業という「解同」言いなりの不公正乱脈のうえに、開発優先の民活路線で市財政は2年連続赤字日本一。しかも市長は市民が?物見遊山?と批判する海外視察を復活、職員採用をめぐる裏金授受の疑惑など、無責任な市政運営を続けました。92年、教育界をはじめ、市政の現状を憂う保守、無党派の人々と日本共産党が力を合わせて作り上げたのが近藤民主市政です。そして自民、公明「オール与党」市政がつくりだした「日本一の赤字」というあとをうけて、財政赤字を黒字に転換しました。また、情報公開条例を制定し、住民参加のまちづくりをすすめました。

 日本共産党は、羽曳野や大東だけでなく、八尾、松原、東大阪、吹田、富田林など府下各市で、「解同」の横暴や、それに屈服する不公正・乱脈、利権政治と対決、その是正のために、全力を尽くしてきました。革新・民主の自治体の与党としての真価は、いま大問題になっている、「同和利権」のハンナン畜産の牛肉偽装事件を見ても、あらためて浮き彫りになっています。

(3)汚職まみれの市政を4年で大掃除、清潔・情報公開、中小企業対策で前進 東大阪市政

 自民、公明が支えた東大阪清水市政は、汚職・腐敗疑惑があいつぎ発覚、98年、市長逮捕という事態まで進展、「全国で東大阪市の名前をだすのが恥ずかしい」といわれるほど市政を混乱させ、市民の信頼を失墜させました。

 こうした状況のもとで、保守を含む広範な市民との共同で生まれた日本共産党員の長尾淳三市長は、不正疑惑が相ついだ職員採用制度、入札制度を公正なものに改革。入札制度の改善では、四年間で最高28億円の税金を節約しました。とくに、中小企業対策では、市内すべての事業所を市幹部職員が訪問・調査し、「技術交流プラザ」「メイドイン東大阪」を全国にPRして中小業者の仕事を増やすなどの施策を推進、国保料への一般会計からの繰入額(市民一人あたり)を府下市町村で最高に引き上げるなど、全国から注目されました。また東大阪の歴代自民党市長がだれひとりできなかった乱脈同和行政の是正に初めて着手するなど、負の遺産に苦労しながらも市民本位の市政を前進させました。

(4)国政も動かした大阪の革新の地方政治

 以上見てきたように、革新府政はじめ70年代以来の、大阪における革新・民主の政治は「住民福祉の増進」という自治体本来の姿を示すとともに、福祉の充実、公害規制の前進、同和行政終結への道を開くなど、国政をも動かし、これらの多くが国の施策となりました。

 大阪の日本共産党は、府をはじめ府下自治体の過半数で与党として、住民とともに地方政治を担ってきた経験を持っています。そして少なくない自治体で単独与党として政治を担ってきた経験もあります。この中で住民とともに築いてきた政治的方向とそこで果たした日本共産党の役割に確信を持つことが大事ではないでしょうか。

二、与党の時も野党の時も「住民が主人公」を貫き、住民と力を合わせ政治を動かす党

●住民運動と共同し前進させた4つの実績

 日本共産党は、先に紹介したほか、岸和田市や貝塚市など、府下多くの自治体で与党として、住民が主人公の数々の施策をすすめてきました。同時に野党であっても住民の声を議会に届け、関係諸団体・個人の皆さんと力をあわせ政治をうごかしてきました。

 たとえば、@30年前から乳幼児医療無料化の運動を進め府内全域で実現、A介護保険制度の発足時から減免を要求、府下過半数の自治体に広がる、B学校トイレ改修でも、国の制度を改善させ、府下の各校で前進、C「解同」の暴力におそれず、不公正・乱脈を是正、同和行政終結へ道を開く――などはその一端を示すものです。

●大型開発中心から、福祉・教育中心へ、予算の流れを変えるためにねばり強く努力

 日本共産党は、大型開発中心でなく、暮らし・社会保障を予算の主役にするためにねばり強く努力。この間の選挙戦でも、この立場から政策論戦を展開。こうした論戦と運動が、世論の多数となり、自治体本来の仕事を進める足場を築いてきました。

 例えば、関空2期工事は不要不急の事業であり、中止すべきである、という党の主張は、やがて7割の世論となり、今では、国もこの立場から、慎重な態度を表明せざるを得なくなっています。また、日本共産党が、この間一貫して、府民とともに要求してきた30人学級も国の方針転換を勝ち取り、今年、大阪府でも35人学級として実現しました。

●共同こそ政治を変える力 共同の心張り棒として働く党

 日本共産党は、革新政治を実現し、すすめる上でも、国民の要求を実現する上でも、常にスジを通しつつ、一致点にもとづき政治的立場の異なる人びととも共同する立場を貫いてきました。黒田革新府政や、羽曳野、大東、東大阪市の場合も保守を含む無党派の人びととの共同の生きた姿を示しています。日本共産党はその心張り棒として働く党です。

三、自らの政治の中身も展望もまともに語れない 自民党・公明党などの反共・反革新攻撃は悪政隠しの“めくらまし”

 大阪では戦後26年間自民党(保守)が単独で府政など地方政治を担ってきました。50年代後半からすすめられてきた臨海開発=重化学工業化を中心とする「高度経済成長」政策のひずみと矛盾が、万博開発などを契機にいっきに噴出、行きづまりました。71年から8年間の黒田革新府政のあとの25年は単独で政治を担えなくなった自民党を補完するオール与党で自民党政治を継承してきました。

 その与党、自・公・民各党はこの25年間財界言いなり、国言いなりで大型開発中心の政治を推進、その多くの事業が大阪府でも大阪市でも軒並み破綻。住民の暮らしだけでなく、自治体財政も危機に陥れ、大阪経済再建にもつながらないという大失政に陥っています。

●悪政・失政の原因を革新・民主の政治のせいにする妄言

 ところが、自民党などが、この間の一連の選挙戦で、「ばらまき福祉で財政が赤字になった」「共産党が担当した行政のあとはどれほど苦労するか」(北川イッセイ府議)大阪経済の落ち込みの原因を「2期8年にわたった共産府政の影響が今なお残っているのでは」(柳本卓治衆院議員)などと、何の根拠ある事実も示さず、あたかも財政赤字や経済の停滞が革新府政はじめ日本共産党が与党の政治にその責任があるかのような攻撃をくりかえしています。
 4半世紀にわたって与党として政治を担いながら、自らおこなってきた政治について中身も実績も堂々と語れず、現在陥っている財政危機や経済の落ち込みを革新・民主の政治のせいにし続けるところに、大阪におけるこの25年間の失政の深刻さとこれらの政党の「政権担当能力」のなさをしめすものです。事実に即してみてみましょう。

●住民の暮らし・福祉も財政もダメにした

 第一に、財政赤字の現状と原因です。

 府財政の場合、府民が納めた税金の46%が借金の返済に使われるという借金地獄に陥っています。借金の7割以上が公共事業関連で、「住民福祉の増進」という地方自治体の使命をないがしろにして、ゼネコン・大企業奉仕の巨大公共事業をばらまいてきた結果です。福祉が原因ではありません。実際この25年間に、黒田府政が築いた全国一の老人医療費無料化をはじめ福祉・教育などを切り崩し、全国最低水準に後退。さらに財政が順調な時期でさえ「受益者負担」をタテに公共料金の連続値上げなど強行してきたのです。

 当局自身、財政危機の原因を「人件費などの義務的経費の伸びに比較して、単独の投資的経費が高い伸び、これは数次にわたる景気対策や関西国際空港関連整備によるもの」(1996年「府財政健全化方策案」)と分析せざるをえませんでした。このように府民犠牲ですすめた関空2期事業は、需要も経営も最悪の状態に陥り、事業推進の根拠はすべて破たんしました。大阪市政でも、福祉・教育など切り捨てる一方、第三セクター方式ですすめた巨大ビル開発事業に巨費をつぎ込み、それが次々とゆきづまり、財政非常事態を宣言。にもかかわらず、さらなる税金投入を自民、公明、民主ら多数で決定しました。

 自民党や公明党は、こうした自らの政治について住民に説明ができないため、財政危機の原因、ルーツが、あたかも4半世紀前の黒田革新府政にあったかのように攻撃しているのです。それこそ時空を超えた妄言による失政隠しであり、政党、政治家としての見識のなさを示すものです。

●景気回復・経済再生の力にもならなかった大型開発

 第二に、大阪経済活性化、景気回復の起爆剤にとこの間、鳴り物入りですすめた大型開発は経済再生につながりませんでした。

 90年以来の10年余をとっても、失業・倒産・廃業などの指標は全国平均からみても大きく落ち込みました。太田府政のもとで策定した大企業呼び込み中心の「産業再生プログラム」は失敗に終わり、当局自身四年間の評価として「残念ながら、現時点においては、マクロの経済指標の改善に至っていない」と述べざるを得なかったのです。大阪経済に圧倒的比重を占める、府民のくらしと既存の中小企業への支援を後退させ、大型開発に依存してきた結果です。革新府政以降の25年間、大阪府政を担ってきた自民や公明党が、経済無策であったことを自ら証明するものです。

●大型開発以外視野になく希望ある21世紀を示せない

 第三に、自民党や公明党などオール与党は、失政を反省せず、住民に希望ある21世紀の新しい展望を示し得ていません。

 当面の景気対策として打ち出しているのは、相変わらず、財界言いなりで、新たな住民犠牲と自治体負担をもたらす関空2期工事や小泉内閣の「都市再生」などと銘打った大型開発の推進です。その多くは破綻した事業の後処理や売れ残り地の処分ですが、不況と財政危機のため、財政的裏付けもなく、方向喪失の状況です。

 これが自民、公明中心の「オール与党」政治の到達点です。

四、大阪から21世紀の新しい政治を開く 参院選での党躍進をその第一歩に

 いくつもの日本一など全国に誇る成果を生み出した革新・民主の政治に対し、自民党・公明党・財界など反革新勢力は、70年代後半から、大規模な巻き返しに出てきました。この中で、安保容認など右傾化を強めた公明党が当時の社会党をも巻き込んで自民党と一体で革新つぶしにのりだし、大阪府政では25年前の、79年、反共「オール与党」体制を確立、革新府政を多数の力づくで倒しました。しかし、その後も府下多くの自治体で日本共産党と保守・無党派の共同で、革新・民主の自治体づくりが果敢に取り組まれています。

 この30年余の大阪の政治の推移は、「住民が主人公」の立場を貫き、全国に誇る、住民奉仕の実績を上げた日本共産党が与党の革新・民主の政治と、公害規制、暮らし・福祉の後退、教育でも全国一高い府立高校授業料とエアコン代徴収、統廃合など痛みの押しつけ、腐敗政治の横行など、全国に恥じる悪政を進めてきた自民・公明党主導の政治の対比を鮮やかにしめしています。

 大阪が変われば日本が変わる。日本共産党の躍進で、大阪から日本を変え、国政でも大阪でも新しい革新の政治をきずきましょう。参院選挙をその第一歩としようではありませんか。

投稿者 jcposaka : 2004年05月27日

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