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スポットライト「与謝野晶子が一人芝居『晶子』に」(4面)

2006年11月30日

 明治、大正、昭和を生きた情熱の歌人・与謝野晶子に材を得た「ひとり芝居『晶子−与謝野晶子からのメッセージ』」が3日(日)、大阪市中央区のドーンセンター1階パフォーマンスホールで上演されます。演じるのは関西芸術座出身のフリー俳優、小野朝美さん。

 舞台は、晶子が突然、占い師によって現世に呼び戻される場面から始まります。そこで晶子は、求められるままに次々とやって来る男女の人生相談を受けることに。三角関係に悩む19歳の女性、中学校教師、定年を控え、妻との離婚を心配する男性など、三人三様の悩みに、晶子は、自らも夫・鉄幹と山川登美子との三角関係に悩んだ人生などを振り返りながら、縦横無尽に返していきます。

 最近の若者言葉の乱れを悲観する中学教師には、「言葉は生き物。時代で変わるのは当然」ときっばり。自身が「源氏物語」を当時の“現代語”訳した経験も紹介しながら、「大事なのは古典の原文ではなく中身」だと答えます。

 企画したのは堺市美原区在住の書家、あさのちよさん。晶子が女性解放への思いをつづった詩「山の動く日来たる」に3年前初めて接しました。「晶子というと、『若死にたまふことなかれ』しか知らなかったので、この詩はとても新鮮で現代にも通じるものを感じ」、晶子を一人芝居にと思いたち、知人の小野さんに提案。

 「人物が大きすぎて、最初は何をやればいいか分かりませんでしたが、脚本ができあがってみて、これならと思いました」と小野さんは語ります。

 脚本は富田林在住で、これまでもセクハラ、DV問題や地元の歌人、石上露子などを戯曲化してきた正木邦彦さんが担当。「評論を読む中で、伝記よりも晶子のメッセージを伝えるほうが面白い」という考えから、生涯の出来事を散りばめながら、「こんな悩みには晶子ならこう答えるだろう」と感じたことを書きました。吉本新喜劇も手がけた経験も生かし、現代世相と笑いを随所に織り込みました。

 堺市在住の杉谷昌彦さんが即興のピアノ演奏で、晶子の世界を表現します。

 舞台は3場からなり、公演終了後は、参加者が作者や出演者と楽しむ「自己表現のための演劇的ミニワークショップ」も行います。

 地下鉄・京阪天満橋駅下車。
午後2時開演。料金2千円。問い合わせ先090・8126・0136浅野さん。

投稿者 jcposaka : 2006年11月30日

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