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府同和問題解決推進審議会が総会“一般施策で同和”やめろ共産党・民権連の委員が主張(2面)

2006年12月10日

 大阪府同和問題解決推進審議会(会長=元木健・大阪大学名誉教授)の06年度の総会が1日、大阪市中央区内で開かれました。

 府の事務局が05年度の府内人権相談事業や最近の同和問題についての事例、「同和問題の解決に向けた実態把握」の各調査について報告。その中で、「行政データを活用した実態把握」(中間集計)では、世帯総数に占める高齢者や母子家庭、生活保護受給の各世帯の割合は市町村全体より同和地区が高く、府立高校卒業者の大学進学率は同和地区が低く、府立高校中退率は旧同和地区が高いなどとしています。

 「学力等実態調査」(中間報告、来年2月をめどに集計)では国語や算数・数学、英語の学力が旧同和地区では府平均より低いなどと報告しています。

 審議会で日本共産党の堀田文一府議は、調査に客観性がないと批判。同和対策特別法の失効(02年3月末)後に一般施策に移行した同和事業をすべて公開し、府民の意見を聞くべきだと求めたのに対し、府は「一般施策として行っており、審議会に報告しない」と拒否しました。

 民権連(民主主義と人権を守る府民連合)の東延委員長は、人権意識調査や学力実態調査は行うべきでないと主張。「部落解放同盟(解同)」幹部の不正をマスコミが取り上げ、住民の怒りが高まっている中、一般施策の中での同和優先をやめるよう求めました。

差別導くための非科学・恣意的な調査 特別扱い終結すべき

 1日開かれた府同和問題解決推進審議会について、同委員で日本共産党の堀田文一府議に聞きました。

 審議会の場で府は、行政データを使った旧同和地区の実態調査と、学力テストを使った旧同和地区児童生徒の学力実態調査の中間報告を行い、人権意識調査は最終報告を行いました。

 行政データを使った旧同和地区の実態調査の中間報告で、府は、旧同和地区は府内の市町村の平均値と比べ、高齢者、母子世帯、障害者、生活保護世帯が多いなどの数値を紹介していました。

 しかし、一般的に公営住宅居住者は、政府の公営住宅政策により、これらの数値が高くなる傾向があります。

 旧同和地区には公営住宅が多く、公営住宅による影響を差し引かなければ、旧同和地区と一般との科学的な比較はできません。

 行政データを使った旧同和地区の実態調査は、それをせずに、「旧同和地区だから生活水準が低い、差別は残っている」との結論を導くための非科学的・恣意的な調査で、中止すべきです。

 学力実態調査も同じ問題を抱えています。すべての子どもたちに学力を保障するのが教育の原点です。

 特定の地区の子どもだけ、学力の遅れを描き出そうとすることや、そのために府が旧同和地区の子どもの試験結果を抽出するのも、やってはならないことであり、中止すべきです。

 人権意識調査は、調査の内容にも問題がありましたが、集計の仕方にも、差別が減っているのに増えていると結論づける問題があります。この調査は、5年に一度であっても、2度と繰りかえしてはなりません。

 私は、同和関連事業の全容を報告するよう事前に何度も申し入れてきましたが、府は審議会に報告しませんでした。府は、「差別がなくならない限り同和事業を続ける」と公言し、実際、たくさんの同和事業を実施しています。

 例えば、「部落解放同盟(解同)」関係団体への補助金・委託金の支出、府有財産の無償貸与、旧同和金融公社への無利子200年ローン、「解同」などが主催する集会への府職員の派遣などです。

 それらの事業を審議会に報告して、事業が適切かどうかについて、委員の意見を聞くのは最低限の府の務めです。しかし、府はそれさえ拒否しました。依然として同和対策の特別扱いは続いていると言わざるを得ません。

 この審議会の場で、一切の同和の特別扱いをやめよと主張したのは、日本共産党の私と、民主主義と人権を守る府民連合(民権連)の東延委員長の2人だけでしたが、府民の世論は特別扱いの終結です。府民の声を力に、これからも頑張ります。

投稿者 jcposaka : 2006年12月10日

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