府立高校入学料“滞納者の退学は当たり前” 来年度から府教委が規則改悪《2面》
大阪府教育委員会(友田泰正委員長)は7日開いた教育委員会議で、府立高校の入学料(全日制5500円)について納付期限を定め、未納者は入学許可を取り消すことができるよう規則を改定しました。07年度の入学生から適用します。
これまで入学料は「入学の際に納付しなければならない」となっていました。改定規則では「期日までに納付しない時は入学許可を取り消すことができる」と明文化。教育長が別に定める納付期限は全日制は3月31日、定時制は入学式の前日、通信制は入学式の当日とします。
期限の延長が認められるのは、「災害などにより納付期限までに納付できない事情がある生徒」とされています。
大阪では府立高校授業料に加え、エアコン代が徴収され生徒や父母の負担が重く、生活保護率や授業料減免率は全国一。府教委の調査でも入学料未納者の約半数が授業料減免を受けています。もともと府立高等学校等条例では、授業料や入学料は減免できることを定めていることから、ことし9月に府教委が提示した規則改定案に反対する団体署名運動が急速に広がりました。
教育委員会議では、事務局が新日本婦人の会や大阪自治労連などから改定しないよう求める1157筆の要請書が提出さ
れていると報告。しかし、「入学料は生徒の地位を取得するために支払われる金銭」「当然納付すべき手数料」などと説明。これに対し、1人の委員が「(入学料を)払わない人にやめてもらうのが当たり前の話」と発言し、入学許可の取り消し続きなどについて確認しただけで、すべての委員が「異議なし」で改定を認めました。
傍聴した大阪教職員組合中央執行副委員長の渡部有子さんは、「まともな議論もなしに改定したのは許せない。貧困や社会的格差が特に深刻なのが大阪。そこで泣いている子どもたちの姿に、何も痛みを感じないやり方です」と怒っていました。
投稿者 jcposaka : 2006年12月18日