捜査情報を漏らす見返りに暴力団関係者から接待をうけたとして収賄などの罪に問われた元大阪地検公安部長の三井環被告�@�Eの大阪高裁判決で、検察庁の「調査活動費」の不正流用が認定されましたが、大阪府の裏金問題の外部調査委員会の委員の元福岡高検検事長の加納駿亮弁護士�@�Gが不正流用を告発されていた人物であることが十六日までにわかりました。

　「調査活動費」は事件の調査や情報収集活動のための経費とされていますが、幹部の私的な飲食費などに流用されているという疑惑が以前から指摘されています。ピーク時は五億五千万円余（一九九八年度）にのぼりましたが、翌年に「検察の裏金」との内部告発があり、その後急減し、〇二年度以降は八千万円台で推移しています。

　加納氏は二〇〇一年に高知地検と神戸地検の検事正時代に不正流用したとして刑事告発されましたが、「嫌疑なし」として不起訴処分とされました。

　加納氏は二〇〇五年四月に大阪府の顧問弁護士に就任。二〇〇六年三月に府教育委員会の収賄事件をうけて設置された「大阪府綱紀保持検討委員会」の委員、同年十一月に内部通報制度の拡充で設置された「外部ヘルプライン」（通報の事実を組織に知られたくない府職員が弁護士などの外部の専門家に直接通報できる窓口）に着任しています。裏金問題の調査委員会は昨年十二月に設置されました。

　日本共産党の宮原たけし団長は「自らが裏金の疑惑をもたれている人が、府の外部調査委員会の委員になる資格はない。辞任は当然」と指摘していますが、他の会派にも加納氏への疑問や批判の声が出ています。