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誘致補助金上限150億円に 大企業奉仕止まらず

2007年02月25日

07年度府当初予算案 同和事業も依然継続

 大阪府の07年度当初予算案は太田府政2期目最後の本格的予算です。 太田知事は 「大阪経済の再生から成長へと大きく舵を切るというメッセージを伝えたい」 と言いますが。

全国一の企業誘致補助  

「天井をなくしたらどうかという意見もあったが」
予算案を発表した13日の記者会見で太田知事は、 大企業誘致の補助金についてこうのべました。 現行の上限額は30億円。 「財政状況から150億円に設定した」 (太田知事) とはいえ、 一気に5倍化。 全国一の優遇策です。
  「建設事業費はピーク時(95年度)の4割」 というものの、 巨大開発は引き続き継続。 ことし秋にまちびらき予定の 「水と緑の健康都市」 (箕面森町) は、 無駄なニュータウン開発としてテレビでも相次いで特集されましたが、 関連事業に55億8千万円を計上。 8月に第2滑走路が供用開始となる関空2期事業関連 (4億8千万円)、 第2名神のアクセス道路の整備などの道路整備 (51億円)、 安威川ダム建設 (107億9千万円) など。
 府は 「部落解放同盟 (解同)」 が事実上支配する府人権協会を 「人権施策」 の 「協力機関」 と位置付けて補助金・委託金を出すほか、 「同和問題に解決する一般施策」 として人権相談など28事業を市町村に示すなど年間50億円以上を注ぎ込んで 「同和行政」 を継続してきました。 07年度には新たに 「人権ケースワーカー」 養成事業 (992万円) を設けます。

府債残高過去最高に   

 当初予算の規模は一般会計が3兆2555億4800万円 (前年度比4・2%増)、 特別会計が1兆427億2800万円 (同12・7%減) で、 合計4兆2982億7600万円 (同0・4%減) となっています。
 実質税収は1兆2039億円 (同10・9%増) で、 法人2税は5961億円 (同26・2%増)。 しかし財源不足は1392億円に上り、 府債の活用 (400億円) のほか、 将来の府債償還に備える減債基金からの繰り入れ992億円で対応。 府債の発行は財源対策も含め2293億円で、 府債残高は史上最高の5兆450億円。 府民1人当たり約57万円になります。

「行革」スピードアップ  

 府は 「行財政計画 (04年版)」 に加え、 「10年度の単年度黒字化」 「府債残高と減債基金借り入れ残高のピークアウト」 を掲げて昨年11月、 「行財政改革プログラム (素案)」 を策定しました。
具体化の初年度にあたる07年度は、 140億円の 「財源効果」 を見込んでいます。 「地方独立行政法人の経営効率化」 の名で、 府立大学運営費交付金1億9700万円、 府立病院機構運営費負担金1億2千万円を削減します。
 さらに金剛コロニーの民営化、 「食とみどりの総合技術センター」 など3機関をことし4月から統合。 「大阪版市場化テスト」 では、 07年度に実施方針や対象業務の選定、 民間企業からの提案公募を進めるとしています。

前進した府民のための施策

 予算案には府民運動と日本共産党府議団の共同した取り組みで前進した要求もあります。
 主な施策では、 中小企業への制度融資目標を06年度当初比2千億円増の7千億円に拡充。 「ものづくり支援税制」 では07年度から3年間に設備投資した製造業 (資本金3千万円以下) の法人府民税を10分の1に軽減します。
 民間木造住宅の耐震診断の自己負担を2万5千円から5千円に軽減、 改修費の15・2% (上限60万円) を補助。 津波・高潮ステーション (仮称) の整備に着手します。
 また学童保育を午後7時まで延長して実施する市町村に1クラブ当たり30万6千円 (補助率2分の1) を補助。 中学校へのスクールメイト派遣など、 いじめ対策も具体化します。

投稿者 jcposaka : 2007年02月25日

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