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乳幼児医療拡充の波 世論と運動が議会・行政動かす 《7面》

2007年02月11日

乳幼児医療 拡充の波
世論と運動が議会・行政動かす
あまりに低い大阪府の水準

 大阪府内で子どもの医療費助成制度の対象年齢を就学前まで拡充する動きが広がっています。 昨年7月には通院助成の対象年齢を堺市が6歳児 (小学校就学前) まで拡充したのに続き、 同年10月には茨木市も就学前へと拡充。 07年度からは寝屋川市も府水準 (2歳児まで) の現行制度から一気に就学前まで拡充する方針を決めました。

7割の自治体で就学前まで助成

  「これからはお金を心配をせずに医療を受けることができますね」。 寝屋川市内で4歳の子どもを育てる女性 (32) は喜びます。 1歳の時に熱性けいれんを発症。 それ以来、 風邪などのちょっとした熱でも医者の診断を受け、 薬の服用を続けてきました。
  「3歳の誕生日を迎えてからは、 風邪などで受診すると薬代を含めて数千円、 熱が長引けば検査費用も必要です。 1年間の自己負担額は子どもの医療費だけでも10万円を超えました。 子育て支援策として、 多くの市民に喜ばれると思います」
 医療費助成制度は大阪府の事業で、 乳幼児が健康保険証で受診した場合、 自己負担分を府と市町村が折半で助成します (通院2歳まで、 入院は就学前まで、 所得制限あり)。
 全国的には7割を超す自治体が就学前までの助成を実施しており、 制度拡充を願う府民の声が強まる中、 府内43市町村のうち守口、 寝屋川、 四條畷、 岸和田の4市を除く39市町村が、 府の制度に上乗せする形で、 所得制限緩和や対象年齢引き上げなど、 独自の助成策を実施してきました。

議会内外で奮闘する日本共産党

 寝屋川市では1970年代に、 新日本婦人の会や日本共産党などを中心に、 乳幼児医療費助成を求める運動がスタート。 「保健予防の充実をすすめる会」 の運動が実り、 90年代後半に麻疹・風疹・日本脳炎の予防接種無料化が実現しました。
 99年には新日本婦人の会などで構成する 「乳幼児医療費助成制度の拡充をすすめる会」 が発足し、 市議会各会派への要請や宣伝・署名運動などに取り組んできました。 日本共産党も、 議会内外で、 制度拡充を求める運動の先頭に立ってきました。

市民の願い無視してきた自公民

 すすめる会は、 昨年の12月市議会にも、 助成制度の対象年齢引き上げを求める請願を提出しましたが、 日本共産党と市民派クラブ以外の反対で否決されました。
 しかし、 子育て支援充実を求める市民の声が強まる中、 実施時期は未定ですが、 市当局は対象年齢引き上げを決めました。
 このほかの府内自治体も、 独自に上乗せ助成を拡充しています。
 通院医療の助成対象年齢について、 高槻市は昨年7月、 1歳引き上げて5歳未満とし、 門真市も4歳未満へと拡充しました。 大阪狭山市も、 入院医療費の助成対象を9歳になった年の年度末まで拡充し、 大東市 (通院4歳未満) は府が定めた所得基準を、 入院・通院とも撤廃しました。
 医療費助成制度をめぐっては大阪府が04年、 これまで無料だった乳幼児、 障害者、 高齢者、 母子家庭に対する助成制度を改悪。 1回500円 (各医療機関ごとに月2回、 上限あり) の自己負担を導入しました。 この制度改悪には、 府議会の自民、 公明、 民主など、 日本共産党以外のすべての会派が賛成しています。

投稿者 jcposaka : 2007年02月11日

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