「公的支援に問題あり」・府外部監査人が指摘 南大阪食肉市場と旧同和金融公社 日本共産党が一貫して追及 《1面》
南大阪食肉市場旧同和金融公社
「公的支援に問題」
府外部監査人が指摘
日本共産党 一貫して追及
府の包括外部監査人 (高階貞男弁護士) は7日公表した06年度の監査結果報告書で、 南大阪食肉市場株式会社に府が貸し付けている25億円について 「このままでは回収困難」 と指摘しました。 牛肉偽装事件で逮捕、 一審で実刑判決を受けたハンナン元会長の浅田満被告が実質的なオーナーになってきたのが南大阪食肉市場株式会社。 日本共産党は乱脈同和の典型として一貫して追及してきましたが、 外部監査の結果は同党の主張の正しさを裏付けるものです。
包括外部監査は府の施策などが適法・有効に行われているかどうか、 外部の立場から監査するもの。 毎年度テーマを決めて実施されますが、 06年度は初めて環境農林水産部が対象になりました。
4年間で約2億8千万円の赤字
南大阪食肉市場株式会社は、 経営破綻した旧松原食肉市場公社を府が再編・完全民営化して02年7月に設立。 府は旧公社の再編処理と新会社発足に際し@設備改良費など補助金約22億円、 A自社肥育事業用資金など無利子貸付金約25億円、 B旧公社への債権約14億円の全額放棄など、 総額約60億円の公的支援を提案。 日本共産党以外の 「オール与党」 の賛成で成立しました。
府は03年度から単年度黒字となり、 06年には年間牛3万頭を集荷できると予測。 ところが実際の集荷頭数は落ち込み、 新会社発足後の4年間の累積赤字は約2億7500万円 (05年度末) にのぼります。
監査人は報告書で、 府が再編計画全体の前提としていた新会社の経営予測は 「実現可能性は相当に厳しいものだった」 とし、 再編スキーム全体について 「通常あるべき公的支援の姿からは実効性や妥当性の観点から問題がある」 と厳しく指摘。 無利子貸付金についても 「当初から回収可能性に厳しい面があった」 としています。
旧公社の再編には浅田満元ハンナン会長が深く関与。 00年7月に羽曳野市の 「浅田御殿」 で太田房江知事や府幹部、 自民党府議が酒食の接待を受けたときも、 再編がテーマだったとされています。 浅田氏は新会社の取締役 (06年の株主総会で退任) で実質的なオーナーとなってきました。
日本共産党はハンナングループとの癒着問題も含め、 旧公社の再編処理問題を一貫して追及してきました。 新会社発足後の経営実態からも 「貸付金の回収は不可能。 会社に対して新たな返済計画を提出させるべき」 (05年9月議会・岸上しずき議員の一般質問) と主張。
太田知事や府は 「会社の経営改善の努力を見守る」 などと繰り返してきました。
監査人はまた、 大阪府同和金融公社 (現大阪地域支援人権金融公社) への貸付金についても問題点を指摘しています。
貸付残高48億円完済に200年
同和金融公社は、 同和地区産業の振興のために、 府と大阪市が出資して69年に設立。 府は85年度までに約70億円を無利子で貸し付けてきました。
現在の貸付残高は約48億円。 公社は25億円を大阪府住宅供給公社に貸し付け、 その運用収益 (年4050万円) のうち、 2千万円程度を毎年返済しています。
これでは完済に216年もかかることから、 昨年9月府議会で日本共産党の堀田文一議員は 「こんなモラルハザードが許されるのか」 と厳しく追及しました。
監査人は報告書で金融公社の返済方法について 「府が自らの資金で貸付金の償還を受け、 実際には償還金相当額の補助を行っているのに等しい」 と指摘。 返済完了までの見通しがあいまいで、 府民に説明責任が果たせるよう返済計画の見直しを求めています。
太田知事や府の責任免れぬ
日本共産党の岸上しずき府議(環境農林常任委員)
今回の包括外部監査報告は、 「南大阪食肉市場」 再編当初から日本共産党府議会議員団が指摘してきたことを追認するものです。
太田知事と刑事被告人浅田満被告との癒着が、 60億円もの府費を投入し、 経営破綻が明白な新会社に支援を続ける異常な事態を招いています。
報告は 「公的支援としては、 実効性や妥当性の観点から問題がある」 と明確に断じています。
しかも府が貸し付けた25億円の貸付金の回収は、 ほぼ絶望的となっています。 返済不能が明かな会社に貸し付けを続けることは、 刑法247条の背任罪に当たるとして、 日本共産党が直ちに貸付金の返還を求めてきたことの正当性は明らかです。
太田知事はじめ府の責任は免れません。 議会の関与なしに貸し付け金を他の目的に流用したことも、 厳しく断罪されなければなりません。
投稿者 jcposaka : 2007年02月18日