堺市政と日本共産党(下)生活相談活動 団全員で年1700件に対処
日本共産党の岡井勤堺市議には、毎月約二十件の相談が舞い込みます。「けがをして働けず栄養失調になっている男性の親せきから電話を受けたりと、生死にかかわる深刻な内容が多い」と岡井市議。
斎藤毅さん@Gは、岡井市議に助けを求めた一人です。斎藤さんは、一九六七年から経営してきた電気部品溶接工場の社長でした。経営難に陥った二〇〇二年から、十五人のパート社員の給料を払うために、サラ金に手を出しました。夜中、黒いスーツ姿の二人組に大声をあげながらドアを叩かれ、電気を消して息をひそめました。
「社民党、公明党の看板に『生活相談受けます』と書いてあったので、夫婦で事務所に行ったんです。でも『生活保護はあかんで』としか言ってくれなかった」
妻に「あんたが死ぬんやったら、あたしも死ねる」といわれ、夫婦で自殺を試みましたが、死にきれませんでした。そんなとき、以前工場を訪ねてきた岡井市議が、「困ったことがあったら言ってな」と名刺を置いていったことを思い出しました。
「電話して、『コーヒー飲もうか』といわれたとき、ポケットの中に百円玉も入っていなかったんです。どないしようと思っていた」
一緒に役場に行き生活保護の受給を申請し、受けられるようになりました。「助かったなあ」と思いました。
親身の生活相談活動は、岡井市議に限りません。堺市庁舎の十二階に、日本共産党市議団の控室があります。次々と市民が生活相談に訪れます。入ってすぐ右手の一角をついたてでしきり、机とイスを置いて二つの部屋にしています。もちろん無料。月曜日から金曜日の午前九時半から午後五時まで、十一人の市議団全員が毎日二人ずつ当番で相談にのっています。
生活相談は党府・市議団と各党支部、地区委員会が連携し、市全体を網羅するネットワークとなっています。
〇六年の年間相談件数は、市議団全体で千七百件余。一日平均五件になります。
堺市の国保料の滞納世帯はa・8%、就学援助の適用率は中学生で四人に一人(いずれも〇五年度)です。
堺市生活と健康を守る会の南波和代事務局次長は、「堺市では高齢者も子育て世代も深刻な生活苦に直面している」と生活相談の深刻な背景を指摘します。「去年くらいから、市内でそこそこのマンション居住者のなかにも生活保護を受給する人が出るようになりました。受給するとは思ってもみなかった、という人たちです」
日本共産党の生活相談を通して生活を立て直すことができた斎藤さんは、「何か恩返しがしたい」と一昨年の三月に夫婦そろって入党しました。いま、斎藤さんは「しんぶん赤旗」の早朝配達に、早朝宣伝に、ビラまきに、と駆け回っています。いっせい地方選、参院選を前にして、いま「わしらが生きている間に日本共産党の議員が増えたらええ。それが一番」という気持ちでいっぱいです。 (おわり)
投稿者 jcposaka : 2007年02月19日