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国の改悪で削減相次ぐ就学援助

2007年02月25日
摂津市 改悪断念、制度改善も 市民団体との交渉で回答 国保減免世帯は「特別な事情」適用

「財政難」 などを理由に就学援助金の認定基準や支給金額を切り下げる自治体の動きが加速する中で、 摂津市は生活保護水準の1・3倍以内とする現行所得基準を来年度も維持する方針を固めました。 民主商工会、 新日本婦人の会、 生活と健康を守る会の3団体で構成する 「就学援助金制度をよくする会」 (山本三枝子代表) が制度拡充を求めた1月の対市交渉で市教委側が回答。 さらに国保減免を受けている市民は 「特別の事情」 とみなし、 所得基準を超えても就学援助が認められることになりました。

生活不安で

 摂津市内の小・中学校に3人の子どもを通わせる松尾一恵さん (40) が語ります。 「義務教育は無償と言いながら家庭の負担は大変。 中学校では給食がないため食費負担もズシリと響きます。 就学援助は本当に助かっています。 生活不安が進む中、 困っている多くの人が利用できる制度にしてほしいですね」  小中学生のいる世帯に学用品費などを補助する就学援助は、 教育の無償をうたった憲法26条と関係法に基づき誰でも申請が可能です。  対象は生活保護と、 それに準ずる世帯 (準要保護) の児童・生徒。  給付基準は自治体によって異なりますが、 摂津市の場合、 前年の所得が生活保護水準の1・3倍以内の家庭が対象 (4人家族の場合372万2千円以下、 06年度) です。  国が05年度、 準要保護の補助金を廃止したために、 資格要件を厳しくする自治体が急増。 府内では高槻市が06年度、 生活保護水準の1・3倍から1・2倍に切り下げ、 700人以上が支給打ち切りに、 茨木市も1・34倍から1・15倍へと認定基準を改悪しています。

運動の中で

 摂津市の 「就学援助金制度をよくする会」 が昨年、 ▽申請書類の全学年への配布▽学校経由ではなく直接申請制度の堅持▽生活扶助1・3倍の基準引き上げなど7項目の要望書を提出したのに対し、 市側は12月、 「厳しい財政状況を考えて認定基準の見直しも検討」 すると文書で回答しました。  保護者から 「来年度は認定が受けられないのでは」 と不安の声が出ていましたが、 1月12日の交渉の席上、 「認定基準を引き下げないで」 の訴えに、 市教委の担当者は、 「子育て支援的な制度として直接申請はもちろん、 認定基準も堅持したい」 と生活保護水準1・3倍の基準を来年度も継続する考えを示しました。  摂津市では現在2470人の小・中学生が就学援助を受けており、 認定率は府下トップ。 制度活用・改善を呼び掛けるチラシを毎年4月の入学式に、 全小中学校門前で配布したことが大きな力になりました。  制度周知のため新1年生を対象にした申請書を配布したり、 教育委員会での書類受け付けなど制度の改善も行われています。

業者に朗報

 今回の交渉でとりわけ中小業者に朗報となったのが、 災害や失業などで所得減となった世帯に適用する 「特別事情」 認定をめぐる運用改善です。  売り上げに基づく申告所得が認定基準を超えていても、 実際は売掛金の未回収や手形が不渡りになるなど、 所得減少を証明できずに不認定となる自営業者は少なくありません。  交渉に参加した摂津民商婦人部の迫口みきさんは、 国保料減免が生活保護水準の1・15倍で認定されることなども示し、 「就学援助でも実態に即した認定を」 と強く要望しました。  これに対して市の担当者は業者の実情に配慮すると述べ、 「国保減免決定通知のコピーを添えて申請してくれれば、 就学援助を認定したい」 と改善を約束しました。  今年1年生になる娘を持つ自営業者の森田洋子さん (35) は、 「長年のお母さんたちの努力で就学援助制度を守ってきたと聞いています。 子育て世代なら誰でも利用できる制度です。 もっと多くの人が利用できる制度へと、 改悪を許さないためにも運動を進めていきたいですね」 と話しています。

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投稿者 jcposaka : 2007年02月25日

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