店じまい銭湯一夜限りの復活 田辺寄席が「出前公演」
2007年02月02日
昨年大晦日に営業を終えた大阪市阿倍野区の銭湯「千鳥湯」で1月26日、最初で最後の銭湯寄席が行われました=写真。75人が男湯の脱衣場をびっしりと埋め、女湯の脱衣場では20人がモニター前に陣取る盛況ぶりで、地域の社交場に別れを告げました。
千鳥湯は75年前に開業。地域の交流の場として親しまれてきました。脱衣入れはケヤキで番号は木彫りというレトロな雰囲気をかもし出しています。
しかし近年、銭湯離れに原油高、施設の老朽化も進み、経営してきた生田武久さん(68)の体力の衰えもあって昨年末で店を閉じました。
阿倍野青年センターで寄席を開いている「田辺寄席」の世話人がこれを聞き、今回の出前寄席を企画。笑福亭風喬さん、笑福亭呂竹さんの「風呂」コンビと、大阪市の「咲くやこの花賞」を受賞した浪曲師の菊池まどかさん、桂文太さんが出演しました。文太さんは風呂場が出てくる「不動坊」を披露し、参加者を笑わせました。
落語会終了後、参加者全員にフルーツ牛乳がふるまわれ、乾杯。生田さんは「これだけ来てもらえるとは思わなかった。おおきに」とあいさつ。参加者は「最高の社交場である銭湯で、営業を終えたとはいえ、最後に大きな花を咲かせた」と話していました。
投稿者 jcposaka : 2007年02月02日