ヒューネットだいとう 勤務してないのに年給800万円!?
大東市 (岡本日出士市長) の補助金を受けている人権啓発団体が、 勤務実態のない男性職員N氏 (57) に年間約800万円の給与を支給していたことが、 住民の怒りを買っています。 この職員は全日本同和会大東支部の幹部として同和行政に強い影響力を持ってきた人物。 すでに同団体を退職し、 市側も問題の幕引きを図ろうとしている中、 「違法・不当な公金支出は返還せよ」 と市民が住民監査請求に立ち上がっています。
毎日「職務免除」
N氏は、 02年度から大東市人権教育啓発推進協議会 「ヒューネットだいとう」 の常勤職員。 本来は市民会館の中にある協議会事務局に出勤・常駐しなければなりません。
しかし毎朝、 公務員でもないのに 「職務免除願」 を提出し、 実際は自分が事務局長を務める野崎地域人権協議会 (野崎地域協)」 に勤務していました。
ところが 「ヒューネットだいとう」 は、 N氏に毎年約800万円の給与や一時金を支給。 同協議会への市の補助金の約6割にあたります。 しかもN氏の退職に備えて、
02年4月から670万円を積み立てていました。
退職金670万円も
N氏が役員をしている全日本同和会は、 「部落解放同盟 (解同)」 とともに、 乱脈な同和行政を市に迫ってきた団体。 N氏は、 旧市同促 (大東市同和事業促進協議会)
の事務局長も務めるなど、 市の同和行政に強い影響力を持ってきました。
日本共産党大東市会議員団が昨年12月議会でN氏の問題を追及したのに対し、 市は、 「本来業務に携われていない現況は是正の必要がある」 と答弁。 ことし2月のマスコミ報道を受けて市は、
是正を表明していましたが、 同月14日付でN氏は依願退職し、 退職金も受け取ることに。
日本共産党は、 「うやむや決着は許されない」 として厳正な処分を求めています。
大東市では92年に、 乱脈不公正な同和行政が大きな争点となって民主市政が誕生しました。 近藤松次市長は 「終結をめざしたい」 と表明。 与党の日本共産党や
「公正で民主的な住民本位の革新大東市政をつくる会」 も奮闘し、 2期8年の民主市政の下で、 当時の同和地区住民だけを対象とした個人給付15事業の廃止・縮小など、
是正が進みました。
法終了後も温存
しかし、 00年に自民・公明・民主の 「オール与党」 に推されて当選した岡本市長は、 02年3月末で国の同和対策特別法が期限切れを迎えたのに、 旧同和施策を
「人権施策」 に変えて温存。 「解同」 などとの交渉に市長はじめ幹部職員が揃って参加しています。
「解同」 と同和会が主導していた 「市同促」 は特別法終了とともに解散しましたが、 市は02年度から 「ヒューネットだいとう」 を新設し、 「市同促」
事務局長だったN氏を採用。 「ヒューネットだいとう」 は 「解同」 の野崎、 北条の両支部と同和会大東支部など22団体・法人で構成しています。
市は 「ヒューネットだいとう」 への補助金だけでなく、 N氏が実質的に出勤していた 「野崎地域協」 にも計約4千万円 (06年度予算) の委託金を支出。
さらに市人権推進部で採用したアルバイトを同和会大東支部に派遣、 昨年10月の市議会決算委員会で日本共産党が追及するまで、 3年半にわたる計550万円のアルバイト料を支出していました。
完全終結めざす
日本共産党大東市会議員団が昨年10月に実施した市民要求アンケート (約400通の回答) では 「大東でも同和行政をきっぱりなくすべき」 との声が66・7%に上っています。
同議員団は人権に名を借りた旧同和行政の速やかな終結へ、 「地域協」 への委託金の廃止・減額など市議会で繰り返し取り上げ、 是正を求めてきました。 「ヒューネットだいとう」
問題を特集した 「大東民報」 を読んだ市民から 「今後も徹底的に追及される事を願います」 との葉書も届いています。
大東市の民主団体や労組などでつくる 「市民要求実現大東実行委員会」 (松久芳樹代表) は2月14日、 N氏への給与・一時金や同和会大東支部に派遣したアルバイト職員の給与の返還、
補助金の是正・見直しを求めて住民監査請求を提出しました。
松久氏は 「市民施策を切り捨てる一方で、 貴重な税金が一部の団体のために不当・不正に使われてきたことは絶対に許せません。 大東市が旧同和行政を構造的に温存している中で、
終結を求める市民の思いが今渦巻いています。 今回の事件と住民監査請求をきっかけに、 旧同和行政の完全終結を目指したい」 と話しています。
“「ヒューネットだいとうをめぐる関係図」” ファイルをダウンロード(PDFファイル) |
投稿者 jcposaka : 2007年03月04日