>>>ひとつ前のページへトップページへ

困窮者・障害者になくてはならない存在

2007年03月04日

やっぱり必要 公的病院
自治研集会シンポジウム

 政府の医療費抑制を目指した医療制度改悪のなかで深刻な社会問題となっている医師不足。 地域医療と住民の生命を守るために公的病院が果たすべき役割を問い直そうと、 シンポジウム 「改めて公的病院の役割を考える」 が2月17日、 大阪市のエルおおさかで開かれました。 第16回大阪地方自治研究集会の一環。 医療関係者はじめ市民ら66人が参加し、 活発に意見交換しました。
 大阪府保険医協会の川崎美栄子副理事長 (医師) が 「医療制度改悪の問題点とこれから」 をテーマに講演し、 京都自治労連の山本裕副委員長が、 京都府内の公立病院の再編・リストラ問題の動向について報告しました。
 地域からの報告では吹田市の社会福祉法人さつき福祉会の鈴木英夫さんが、 「障害者や本当に困った人にとって公立病院はなくてはならない存在です」 と述べ、 市民病院が障害者の医療ケアや歯科診療などに果たしてきた役割を強調。 夜間・緊急時の医療対応などの課題を発言しました。
 大阪自治労連医療部会の松沢正和さんは府下公立病院の財政状況などについて報告し、 和泉市職員労働組合の藤坂周己さんは、 医師不足により和泉市立病院で消化器内科外来や救急医療の縮小など地域医療後退を招いている現状を報告。 市民アンケートやシンポジウムなど、 市立病院の経営危機打開に向けて市民とともに考え取り組んでいると述べました。

深刻な医師不足の実態―現場の悲痛な声
勤務長い・休暇取れない・医療事故心配

 大阪自治労連や医労連に加盟する医療機関の勤務医実態調査では、 劣悪な勤務実態が、 医師不足と地域医療の存続に深刻な影響を及ぼしていることが浮き彫りになっています。 シンポジウムではアンケートに寄せられた勤務医の声が紹介されました。 その一部を紹介します。
 ◎… 「妊娠時には転職しようと思っている。 女性医師の働きやすい職場は少ない」 (30代女性)
 ◎… 「欠員が出ても補充されず過酷な労働である。 体調も悪くなる一方である」 (30代男性)
 ◎… 「事務作業の時間がなく当直や日直明けに、 人手不足のために残らざるを得ないことが多い。 勤務時間が長く、 休暇も取れない状況のため、 女性が家庭を持って働くのは難しい」 (30歳代女性)
 ◎… 「当直で、 ほとんど眠れないことがたびたびあり、 次の日も通常業務に支障が出る」 (30歳代男性)
 ◎… 「ほとんど休みのないまま日勤、 準夜、 深夜、 日勤ということもあり医療事故が心配。 しかも超過勤務手当てはすずめの涙。 これでは良い医療は確保できない」 (50歳代男性)
 ◎… 「育児をしながらの勤務にもう少し理解がほしい。 院内保育、 病時保育などがあればいいが、 近くに祖父母など援助者がいない場合は欠勤せざるを得ない。 毎日悩みながら仕事をしている状況」 (30歳代女性)
 ◎… 「時間外手当の低さ、 当直翌日の労働、 休日夜間の呼び出し時の手当など医師の善意と義務感で成り立っている」 (30歳代女性)

投稿者 jcposaka : 2007年03月04日

トップページへ ひとつ前のページへ ページ最上部へ
ご意見・ご要望はこちらから