大阪市政と日本共産党2〔ムダ削り、くらし優先貫く〕
大阪市は、第三セクターや大型開発の破たんがあいつぎ、深刻な財政危機に陥っています。その打開をめざすとして二〇〇六年二月策定されたのが「マニフェスト(市政改革基本方針)」。「改革」とは名ばかりで、中身は、敬老パスや新婚世帯向けの家賃補助、幼稚園就園奨励金などの市民サービスには大なたをふるうとともに、自治体の役割と公的責任を投げ捨てるものです。
〇七年三月議会の代表質問でも自民・公明・民主の「オール与党」は、「マニフェスト」の推進を後押しています。「市税、国保料の未集金のとりたて、生活保護の『適正化』という名の締め出し」(自民)、「生活保護の母子加算の廃止は自立支援への制度改革」(民主)、「市民サービスの切り捨てにつながる職員の大幅削減をする体制づくり」(公明)などを主張。第三セクターや大型開発破たんのツケを市民サービスのカットで埋め合わせ、新たに大型開発をすすめる「マニフェスト」の推進を関淳一市長に迫っています。
大阪の玄関口、JR大阪駅から電車・バスを乗り継いで約四十分。二〇〇八年オリンピック招致を口実に大型開発が進められてきた臨海部があります。ここでは、〇一年七月に招致に失敗した後も引き続き、土地造成や基盤整備工事に巨額の税金が投入しつづけられています。
その一つが、地下鉄北港テクノポート線建設。事業費千八百七十億円。しかし、建設される夢洲は無人です。
もう一つは、南港・咲洲コスモスクエア地区と無人の夢洲をつなぐトンネル建設。事業費は千三百五十億円もの巨費です。
大阪市が、〇一年に完成させた人工島・舞洲(まいしま)と夢洲(ゆめしま)をつなぐ夢舞大橋は、「無駄」と批判が絶えません。現在、使われている大阪港の主航路が使えなくなった時に、大型船が航行できるようにと開閉橋となったために六百三十五億円の巨費を投じる結果になりました。しかし、大阪港開港以来、主航路が閉鎖されたことは一度もありません。
大阪市がATC(アジア太平洋トレードセンター)など第三セクターやフェスティバルゲートなど土地信託事業ですすめてきた開発も軒並み失敗しているにもかかわらず、自民、公明、民主の「オール与党」は、これらの事業の破たんを反省するどころか、夢洲に大水深のコンテナ用岸壁をつくる「スーパー中枢港湾整備」や高速道路・淀川左岸線二期事業などをさらにすすめるというのです。
日本共産党大阪市議団は、「税金の使い方が間違っている」と、「臨海部などの無駄な大型開発は中止、凍結すると同時に、福祉施設や市営住宅、学校、公園など、身近な公共投資を優先すべきだ」と提案しています。
(つづく)
投稿者 jcposaka : 2007年03月20日