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乳幼児医療などへの国保ペナルティー

2007年05月25日

乳幼児医療などへの国保ペナルティー
厚労省が見直し検討
政府交渉
宮本・山下両氏が要求

 いっせい地方選でも大きな争点となった高すぎる国保料の問題。 その最大の原因は自治体への国庫負担の引き下げですが、 さらに国は国保料の収納率が低いと補助金を削減し、 乳幼児医療費助成など福祉医療制度を実施する市町村への国庫負担金を減額するペナルティーを科し、 国保財政を圧迫する要因にもなっています。 大阪府や大阪市などが減額措置の撤廃を求めている中、 日本共産党の宮本たけし大阪選挙区候補と山下よしき参院比例候補らが16日、 厚生労働省と交渉。 不当なペナルティーをやめるととに、 削減した国庫支出金を計画的に元に戻し、 払える国保料にすることを求めて奮闘しています。

■収納率での減額・矛盾浮き彫りに

 国は、 国保料の収納率が90%に達していない自治体に対し、 国庫補助金 (普通調整交付金) を減額するペナルティーを設けています。 減額率は被保険者の数や収納率に応じて5%から最高20%まで7段階。 06年度の府内の各市町村の減額状況は表の通りで、 門真市が最高の20%カット。 大阪市は9%、 約25億7500万円減額されています。
 普通調整交付金は国保事業を運営する基本財源であることから、 大阪市や堺市は毎年の予算要望などで 「保険料収納率のみで減額を行う現行基準の撤廃を早期に」 (大阪市) と強く求めています。
 政府交渉で宮本候補は 「国がペナルティーで国庫負担を引き下げると、 自治体は国保料を上げざるを得ない。 国保料が上がると収納率が下がり、 またペナルティーがかかるという悪循環をどう認識しているのか」 とただしました。
 厚労省側は、 国保料が低い方が収納率が高いことを認めましたが、 「(減額は) 収納率を上げるためのインセンティブ」 などとのべ、 ペナルティーを撤廃する考えがないことを表明しました。
 宮本候補らは各保険者間 (自治体) の財政力の不均衡を調整し、 国保事業の安定的に運営するための普通調整交付金を減額することは国保法の趣旨に反すると厳しく指摘。 これに対し厚労省側は答えられず、 ペナルティーの不当さがいっそう浮き彫りになっています。

■全自治体で実施・乳幼児医療助成

 国はさらに、 高齢者、 障害者、 一人親、 乳幼児の各福祉医療費助成制度を自治体が独自に実施すると、 「国保の医療費が増える」 として、 国庫負担金を減額するペナルティーを設定。 大阪市では05年度に9億7千万円、 堺市では約2億2千万円削減されています。
 政府交渉に先立って、 宮本候補は実情を聞くために、 大阪府と大阪市を訪ねて懇談 (15日) しました。
 大阪市の担当者は、 ことし11月から乳幼児医療費助成で入院を小学3年生まで拡充することで、 ペナルティーが拡大するのが心配だとのべ、 「撤廃を引き続き要望する」 と強調。 さらに 「少子化対策の観点からも乳幼児医療費助成は国が統一した制度をつくるべき」 と訴えました。
 政府交渉で山下候補は、 大阪では府内全市町村で乳幼児医療費助成制度が実施されており、 国のペナルティーに対して大阪府や大阪市、 堺市も撤廃を求めていることを指摘。 厚労省側は 「各自治体の声も聞いているので、 見直しを検討する」 と約束しました。

■医療給付の実態・政令市の調査を

 政府交渉で山下、 宮本両候補らは、 国保料の滞納者から保険証を取り上げ、 資格証明書や短期証に切り替える冷たいやり方を、 市町村に義務付けることをやめるよう、 強く要望しました。
 病院窓口でいったん医療費全額負担となる資格証明書。 大阪市内の対象世帯は05年に7910世帯 (11月末)、 06年に9135世帯 (同) となっています。
 05年度で大阪市の国保加入者1人当たりの医療給付件数は16・11件、 医療費は40万7171円なのに対し、 資格証明書を交付されている場合は1人当たり0・016件、 242円にすぎません。 山下、 宮本両候補らが、 「資格証明書の発行で、 受診抑制が生まれている恐れがある」 と指摘。 資格証明書の対象世帯の医療給付の実態を、 すべての政令市について調査するよう求めたのに対し、 厚労省側は 「調査する」 と答えました。
国保ペナルティ表


投稿者 jcposaka : 2007年05月25日

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