東大阪市議会 自公などが市長不信任強行可決「道理ない」市民批判
東大阪市議会9月定例会は3日、 本会議を開き、 自民党、 公明党に加えてリベラル東大阪 (民主党) の一部が提出した長尾淳三市長に対する不信任決議案を賛成多数で強行可決しました。 決議案には日本共産党など10人が反対しました。 傍聴席と別室のモニター室を埋めた市民からは、 「大義も道理もない不信任は許せない」 「東大阪市政を改革できるのは長尾さんしかいないのに」 などの声が噴出。 日本共産党東大阪地区委員会は同日、 抗議の声明を出し、 「長尾市長再選へ先頭に立ってたたかいぬく」 と表明しました。
根拠ない言いがかりで強行
市長不信任決議は、 「できもしない公約をかかげて期待を裏切った」 「議会との信頼関係を一方的に破棄した」 「市政を共産党一党のもとに私物化した」 などと市長攻撃を展開。 「市政運営に大きな停滞と後退を招くことは必至」 などとした内容です。 採決の結果、 出席議員48人のうち賛成38、 反対10で可決されました。 不信任決議には法的拘束力があり、 議会解散による市議選か、 市長の辞職・失職による市長選かのいずれかとなります。
暮らし優先に舵切った1年
採決に先立ち日本共産党の浜正幸議員が反対討論を行いました。 浜議員は、 長尾市長のもとで無駄づかいと 「部落解放同盟」 言いなりの市政から、 暮らし優先の公正な市政に大きく舵を切った1年間の市政運営には責任に問われるような不祥事は一切ないと強調。 野党議員のなかからも 「不信任には大義名分がない」 と慎重論が出たことや、 市長提案の予算の大半に自民・公明が賛成したこと、 清水市長 (当時) のやみ献金事件に関わる辞職勧告決議に反対したのが自民・公明だったことなどを指摘し、 「道理も大義もない不信任だ」 と反対を表明しました。
傍聴席は満席。 不信任安の可決後、「市民無視の暴挙だ」 という声とともに、 「長尾さんにはもっと頑張ってほしい」 「市民がついています」 などの声援が飛びました。
議会を傍聴した女性 (70) は、 「長尾市長は本当に市民の暮らしや子育てのこと考えて働いてくれていたと思います。 なんの落ち度もない市長を辞めさせるなんて数で道理を曲げもの。 絶対に許せない」 と不信任への怒りを語りました。 別の女性(30)は、「今まで同和問題に正面から向き合った市長はいませんでした。 市政の新しい流れはさらに発展させるべきです。 市民が必要としているのは長尾さんです」 と話していました。
長尾市長が街頭で訴え
東大阪市議会が長尾淳三市長の不信任決議を強行可決した3日、 日本共産党も参加する明るい東大阪をつくる会と長尾淳三市長は近鉄瓢箪山駅前で、 「道理のない暴挙」 と市民に訴えました。
長尾氏は、 「市長として失職するようなことは何もしていない。 市民が選んだ市長が気にいらないからと議会が勝手に首を切るのは大義も道理もない」 と批判。 「市民の手で東大阪市の改革をすすめましょう」 と呼び掛けました。
「明るい会」が声明
「明るい東大阪をつくる会」 は3日、 緊急の声明を発表しました。
声明は、 24億円もかかる上下水道庁舎建設計画の中止や介護保険の減免制度の府内トップクラスの拡充など、 「自民党、 公明党の安倍政権が国民に次々と負担増を押し付ける中で、 『住民の命と安全』 を守るという、 地方自治体の本旨にもとづく政治をすすめてきた」 と指摘、 本来首長への不信任は、 重大な失政を犯した場合などに行われるものだとし、 大義名分のない今回の不信任は、 「長尾市長を選び長尾市長の努力を見守り続ける市民への挑戦であり、 断じて許すことはできない」 と批判しています。
その上で声明は、 市長選が行われることが濃厚になったとし、 「明るい東大阪をつくる会は、 長尾市長が着実に公約実行に取り組み、 市民本位の市政に流れを変えてきたことをおおいに訴え、 どんなことがあっても長尾市長の再選を勝ち取る決意」 を表明しています。
投稿者 jcposaka : 2007年09月06日