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史実に照らして間違い

2007年09月12日

靖国史観DVD製作の日本青年会議所
歴教協委員長招き講演会
被害と共に加害の事実を

 日本青年会議所作成のDVDアニメ 「誇り」 について、 「反対意見も聞きたい」 と、 同大阪ブロック協議会の泉州地域教育再生会議が、 大阪歴史教育者協議会の小牧薫委員長を講師に招き6日夜、 岸和田市内で講演・座談会を開催。 若手経済人や市民ら約60人が参加しました。

 DVD 「誇り」 をめぐっては、 これを使った教育事業が文部科学省の研究委託事業に採択されましたが、 今年5月、 日本共産党の石井いく子衆院議員が、 日本の侵略戦争を肯定・美化するものだとして委託撤回を求める国会質問を行いました。 その後、 このDVDを使わせない運動が全国に広がり、 同会議所は委託契約を辞退しました。
 小牧さんは講演の冒頭、 21歳で出征し、 23歳で中国で戦死した祖父のことを紹介。 そんなことから 「子どもたちを再び戦争に送り出す、 核兵器のボタンを持たせるような世界にしてはならないと思ってきた」 と語り、 DVD 「誇り」 については、 史実に照らしても明らかな間違いがあるとし、 全体的にみても、 1931年に始まる日本の戦争を肯定しており、 「日本人が受けた被害も日本の軍隊がアジア太平洋で行った加害の事実もきちんと提供することが大事」 だと述べました。
 講演を受けて行われた座談会では、 子どもと教科書ネット21運営員で中学校教員の平井美津子さんも加わり青年会議所のメンバーと討論。
  「DVDのわきが甘いというご指摘は本当だと思ったが、 子どもが先生の授業を聞いたら日本の国を嫌いになってしまいそうな気がする」 「素直に国を愛せたら地域や家族も愛せるのでは」 (泉州教育再生会議岩田真明議長) との発言に対し、 小牧さんは、 「江戸時代からの人権思想、 明治以降の自由民権運動などの上に立って今の日本国憲法がある。 日本の国民は、 人間がどんなに素晴らしいかを尊重するしくみを営々と築いてきた」 と語りました。

「素晴らしい」との発言も 

 平井さんも自身の授業内容を紹介しながら、 加害、 被害、 反戦、 抵抗、 当時の日本国民やアジアの人々の様子など、 さまざまな側面から戦争について学んでいるとし、 「戦争になってもいいことは何もないこと、 人の命がどれほど重いかを授業で伝えている」 と語ると、 「素晴らしい。 聴講が許されるなら授業を聞きたい」 (岩田議長) という感想が出されました。
  「先生の思想信条は自由だが、 それによって教育が変わるのは公の教育としてどうか。 歴史検証は存分にやっていただいてもいいが、 国旗を揚げようとする先生、 下ろそうという先生がいるのは異常」 などの疑問にも、 「国旗を日章旗、 国歌を君が代とすることは法律で決められたが、 国旗を揚げたり、 国歌を歌うことは決められていない。 教育の自由や幅を認めなければ教育はありえません」 (小牧) ときっぱり述べていました。

投稿者 jcposaka : 2007年09月12日

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