後期高齢者医療制度 保険料10万円超に 第2回広域連合議会 共産党以外の全議員が賛成
短時間の可決に怒り
共産党 保険料軽減、中止・撤回強調
来年4月実施予定の後期高齢者医療制度をめぐり、 大阪の平均保険料を決める第2回大阪府後期高齢者医療広域連合議会が開かれ、 全国でも最高水準の平均保険料10万1449円とする条例が、 日本共産党以外の賛成で採択されました。 北山良三 (日本共産党大阪市議)、 広瀬ひとみ (同枚方市議) 両連合議会議員は、 制度の中止撤回を国に求めることが必要だとし、 保険料負担の軽減などを内容とした修正案を提出しましたが、 ほかの全員により否決されました。 共産党の運営協議会設置提案にはほかの議員も賛同し、 設置されることになりました。
11月22日の広域連合議会は、 傍聴者が30人に限定される中、 別室のモニター傍聴室にも入りきらない府民の抗議で30分遅れで開会。 広瀬議員は、 運営協議会の設置や府民への情報提供が全国に大きく遅れをとっていると批判。 20人の議員定数も、 全国で際立って少ないものだと指摘し、 府民の窓口となる市町村と連携し、 各市町村から最低1人の議員を選出するよう求めました。
命担保に保険料取り立てるもの
北山議員は、 日本は経済力に比べて医療費の割合が決して高くないことを示すOECD (経済協力開発機構) の発表を紹介。 国と地方の負担割合が年々減り、 国民負担が増えている現状を指摘しました。
また、 診療報酬の定額制や患者を退院させた病院への加算金、 主治医制度の導入などが議論されていることについて、 「医療の中身が、 年齢によって劣悪なものにされる」 と批判。 2年ごとに確実に上がっていく保険料が、 多くの人は年金から否応なく天引きされることや、 国民健康保険では禁止されている、 75歳以上の高齢者からの保険証の取り上げも行われることについて、 「命を担保に保険料を取り立てるものだ」 と批判しました。
高齢者に痛み分かち合い強制
吉川敏文議員 (公明・堺市) は、 保険料の高額化は 「医療行為が十分になされていることの裏返し」 とし、 山本三郎議員 (社民・寝屋川市) は、 「高齢者も痛みを分かち合わなければならない」 などと述べました。
北山・広瀬両議員は、 「この制度は高齢者医療に格差と差別を持ち込むもので、 中止撤回を国に求めることが必要」 とし、 平均保険料を引き下げ、 軽減制度を拡充する修正案を提出しました。 大阪と同じく全国最高水準である東京都や神奈川県と比べても、 低所得者に負担が重くのしかかる均等割額が、 大阪は特に高いことを指摘。 保険料を少しでも低く抑える東京都の努力も紹介し、 「保険料を支払うために、 生活保護基準以下の暮らしを強いられるようなことがあってはならない」 と述べ、 府や各市町村からの補助金を繰り入れ、 平均保険料を9万2706円に抑える試算を示しました。
共産党の修正案に対し、 西林克敏議員 (自民・堺市) は 「到底認めることはできない」 と反対討論。 平均保険料10万1449円とする条例が、 日本共産党を除く全議員によって採択されました。
共産党提案の運営協設置は採択
一方、 北山、 広瀬両議員が紹介議員となった請願のうち、 被保険者の代表を含む委員による運営協議会の設置提案は、 全会一致で採択され、 資格証明書・短期保険証の発行は行わないことや、 府内各市町村から最低1人の議員の選出を求める請願は、 共産党を除く全議員により否決されました。
議会終了後、 北山、 広瀬両議員はモニター傍聴室に駆け付け議会報告。 運営協議会の設置が採択されたことを「一歩前進」 としながら、 府や各市町村からの補助金繰り入れで保険料を少しでも引き下げるなど、 「制度による被害を最小限に食い止める努力とともに、 制度自体の中止撤回を求めよう」 と述べました。
傍聴者は 「大阪の広域連合の異常さは全国でも際立っている。 こんな重要なことを短時間・少人数で決めてしまうなんて許せない」 (65歳女性)、 「病身を押して傍聴に来たが、 共産党以外の議員が、 府民のことなどまったく考えていないことがよく分かった」 (77歳男性) と話していました。
連合議会前日には、 大阪高齢者運動連絡会、 大阪社会保障推進協議会、 介護保険料に怒る一揆の会が、 大阪市天王寺区の四天王寺前で、 制度の中止・撤回を求めて宣伝行動を行いました。
投稿者 jcposaka : 2007年11月29日