疑惑未解・府民犠牲・巨大開発推 問われる与党 自民・公明・民主 の責任
高額の講師謝礼や事務所費など 「政治とカネ」 問題に府民の怒りが高まる中、 太田房江知事は3選出馬断念に追い込まれました。 自民・民主・公明の各党は 「太田知事では選挙を戦えない」 として不支持に転換し、 「後継候補」 擁立の動きを強めています。 しかし、 太田知事の一連の疑惑は未解明のまま。 2期8年の太田府政を支え、 無駄な巨大開発と同和行政の推進など、 悪政のアクセルを踏んできた 「オール与党」 の責任が問われています。
「構造改革」を推進
横山ノック元知事が強制わいせつ事件で辞任したことに伴う出直し知事選 (00年) で初当選した太田知事。 ノック前知事の 「財政再建プログラム」 路線を引き継ぎ、 府立高校授業料を年額10万8千円から全国一高い14万4千円に引き上げました。
その後、 「行財政計画案」 「行財政改革プログラム案」 で、 「全国一スリムな組織」 を掲げ、 「財政再建」 の名で府民の福祉・教育を切り捨てを推進しました。
ノック時代に大改悪された老人医療費助成は基本的に廃止し、 1人親家庭・障害者・子どもの福祉医療制度への自己負担の導入、 府立5病院の独立法人化、 保健所の統廃合など、 まさに、 大阪府版の 「構造改革」 そのものです。
00年の知事選、 04年の知事選では自民・公明・民主 (00年、 自民府連は党本部とは別に独自候補を擁立) がそろって太田知事を推薦。 2回の選挙で自民党本部から1億2199万円、 民主党から1千万円、 公明党から約1613万円の選挙資金が出ています。
自民・公明・民主の 「オール与党」 は、 太田知事の福祉・教育切り捨てに賛成。 対象者を約4割も排除する府立高校授業料減免制度の改悪で、 自民党は 「社会から支援を受けられるものは何でももらったら得やとか、 そういう考え方がはびこっている。 恐ろしいことが起こっている」 と、 弱者切り捨てをあおりました。
悪政にアクセル
出馬断念の記者会見で、 関空2本目滑走路の供用開始や、 シャープの新工場誘致などを2期8年の実績として挙げた太田知事。 関空2期事業では、 01年から02年にかけて国やマスコミで 「凍結論」 が噴出する中、 自民・公明・民主は太田知事や関西財界とそろって国に繰り返し事業継続を要求してきました。
箕面市北部の 「水と緑の健康都市 (箕面森町)」 は、 1期工事99・8%の落札率で大林グループが独占受注。 積水ハウスによる宅地の分譲が始まっていますが、 造成した宅地を完売しても750億円の府民の税金投入を計画。 アクセス道路の箕面トンネルの建設でトンネル湧水が発生し、 名勝 「箕面の大滝」 の滝が細くなるなど自然が破壊されています。
太田知事は01年2月、 「早急かつ大量の住宅地供給事業を府として実施する必要性は低下している」 として事業を凍結。 これに対し、 民主党の中島健二議員が、 「地元では事業廃止は到底受け入れられない」 などと主張 (01年2月議会)。 自民党の原田憲治議員 (現衆院議員) も、 「工事着手からわずか2年で縮小を余儀なくされたのでは、 憤りを覚えるのは当然」 (同年9月議会) などと事業再開を要求した経過があります。
大連立壊せるのか
一連の 「政治とカネ」 の疑惑が明るみに出る以前から、 太田知事には府民の厳しい目が注がれていました。
太田知事の支持率はことし7月のマスコミの世論調査によると、 「朝日」 が39%、 「読売」 が36%で、 ともに全国ワースト3位。 不支持率は 「朝日」 で全国5位でした。 先の9月府議会総務常任委員会で、 公明党 (鈴木和夫議員) は、 「オール与党」 の立場から、 「知事個人の支持率ではなく、 府政そのものの支持率だ」 と心配していました。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は大阪市長選で、 国政の 「大連立騒動」 について、 「自民党ではなく、 国民の皆さんの心を心とした政治に、 しっかり足を固めて頑張っていく」 と語り、 「44年間続いた大阪市政の 『大連立』 をぶち壊していこう」 と叫んでいたものです (11月15日、 難波)。
それから1カ月足らず。 「ポスト太田」 の候補者擁立をめぐり、 自民・公明・民主の 「3党統一候補」 や、 民主候補への 「自公相乗り」 も取りざたされていますが、 問われているのは、 府政の 「オール与党」 各党のあり方そのものです。
投稿者 jcposaka : 2007年12月06日