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島本町・JR新駅問題 墨塗りで情報開示 事業内容不透明に

2007年12月13日

JRとの協議記録・領収証の開示なし(06年度以降)

 島本町唯一の鉄道駅・阪急水無瀬駅から徒歩5分ほどの場所にJR西日本島本駅の建設が進められています。 しかし、 町議会に対して、 町とJR西日本との協議記録や工事費支払い領収証の開示が2006年度1年分以降まったくなく、 税金の使い道の透明性が問題となっています。

 島本町は京都盆地から大阪平野へ抜ける交通の要衝として古くから栄えてきました。 狭い平地にJR東海道本線、 国道171号線、 阪急京都線、 JR東海道新幹線、 名神高速道路などの大動脈が密集しています。
 しかし町内の鉄道駅は阪急水無瀬駅だけです。 京都府大山崎のJR山崎駅が島本町にまたがって存在するものの、 JRを利用する住民の多くは阪急線で大山崎駅へ出て、 徒歩でJR山崎駅へ向かう必要がありました。

総事業費は43億円

 98年度、 町長が初めて新駅設置の方針を所信表明。 都市計画マスタープランにJR新駅を位置付け、 03年にJR西日本と基本協定書を締結。 現在、 駅前広場や新駅工事が進められています。
 総事業費は43億円。 開発は駅周辺施設・道路なども含め、 JR西日本に委託しています。 駅施設の建設費の半分、 9億円をJRが負担し、 残りは国庫補助金や一般財源など、 税金で賄います。
 今年6月には材料代の高騰を理由に、 公衆トイレ設置の3255万円を増額し、 総事業費を超える協定変更がされました。
 日本共産党町会議員団は当初の基本協定書の締結に際して、 新駅に対する住民の意見を再度集めることや、 JR新駅のための自治体負担限度額を、 予想される乗降客数などから導き出すことを提案しましたが、 町側は拒否。
 駅前広場の用地も、 もともと島本町が無償で大阪府に寄付したものを、 ほぼ地価相当額で買い取ったもので、 「府に対して無償譲渡を求めるべき」 との指摘も拒否しました。
 地方財政を守り寄付限度額などを決めた国の法令・条例・省庁ルール、 協定などを無視し、 JR島本駅設置に多額の税金をつぎ込む。 そして、 膨らむ総事業費の積算根拠さえ、 いまだに示されないままです。

国交省通達も無視

 JR西日本に対し、 国土交通省から 「鉄道事業者が工事を行う場合の費用等の透明性の確保について」 の通達が、 04年7月に出され、 町からも、 工事費の積算根拠や支出を証明するものを出すよう要望しました。
 しかしJR西日本は、 「国の通達がそこまで求めていない」 として積算根拠を示さず、 公開された 「工事等内訳書」 は、 鉄骨本数などを町側が黒く塗りつぶし、 情報公開請求者には内訳が全く分からない状態です。 町側は、 JR西日本との 「信頼関係」 を繰り返すのみです。
 開業予定は来年春。 地元では新駅に対し、 徒歩5分ほどの場所に阪急水無瀬駅があることから、 「本当に必要なのか」 との声も聞かれます。 商店からは、 「お客さんが外へ流れてしまう」 「大規模店舗・JRグループの業者の参入などがあるのでは」 などの声や、 人口が増えることで防犯上の不安も聞かれます。

事業内容明らかにせよ
共産党・河野町議

 日本共産党の河野恵子町議は 「阪急電鉄や南海電鉄は、 駅前広場に対して一定額を負担しています。 JR西日本だけが自治体に全額負担を強いることは、 『民間企業間の公平な競争を阻害するもの』 と、 国土交通省も述べています。 どういう事情でこの事態になったのか、 納得できる説明や、 今まで支払った事業費内容を明らかにするよう求めます」と話しています。

投稿者 jcposaka : 2007年12月13日

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