暮らし・福祉最優先の府政を梅田さんで
大阪府知事選府民大集会 市田書記局長の訴えから
日本共産党の市田忠義書記局長は十二日、大阪府立体育会館で「明るい民主大阪府政をつくる会」の府民大集会で、梅田章二府知事候補への支持を訴えました。府政部分の要旨を紹介します。
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今度の知事選挙では何が問われているのでしょうか。国いいなりで、府民そっちのけの「オール与党」の府政をこれ以上続けさせるのか、それとも梅田章二さんとともに、「府民が主人公」、暮らし・福祉最優先の府政をとり戻すのか。これが一番問われている問題です。
現職の知事はついに出馬できなくなりました。それを支えてきた「オール与党」は、それには何の反省も示さずに、知名度だけで候補者選びをしています。しかし、大阪府民に責任を持つ府知事候補は梅田さん以外にはおられない。政治的中身では梅田さんは独走態勢。走りに走りぬいて、勝利への流れを切り開こうじゃありませんか。(拍手)
●「自公政治ノー」示した大阪市長選
先日、大阪市長選がありました。姫野さんが当選できなかったのは、応援に寄せていただいた私としても大変残念でしたが、選挙の結果は、大きな政治の流れの変化を示したと思います。
大阪市政は四十四年間にわたって、オール与党による市民いじめの政治が続けられてきました。これにたいして、市民の間から厳しい批判の声がわきあがってきた。このときに、「大連立」騒ぎで国民の大きな批判をあびた民主党が、その批判を打ち消そうと、それまでオール与党でいっしょに悪政を推進してきた、予算に99%賛成してきたことへの一片の反省もなく独自候補を立てました。大阪入りした鳩山幹事長はこう演説しました。「四十四年間、大阪市政は、相乗り、大連立であった。これをぶち壊していこうではありませんか」。よくもこんな演説ができるものです。多くの市民が自民・公明の現職に勝てそうな候補に投票したのは、参議院選挙の結果と同じように「自公政治ノー」の願いの表れだと思う。しかし、新しい大阪市政がどういう方向に向うのかは、今後にかかっています。大阪での自公政治をうちたおすうえで、その先頭に立った姫野浄さん、そして「大阪市をよくする会」と日本共産党、これらの役割は決定的でした。市民の「自公政治ノー」の審判を生かすためにも、政治を変える本流である「よくする会」と日本共産党の役割は、今後ますます重要になる。このことに、お互いに誇りと確信を持ってたたかい続けようではありませんか(拍手)。
●「オール与党」府政に府民の怒り
大阪府政はどうか。
現職の太田知事が出馬を断念しました。断念の大きなきっかけは、政治と金の問題です。後援会事務所の実態がない東京の実家や、おいのマンションを事務所だと届け出て月五万円払っていた。中小企業家などでつくる「関西企業経営懇談会」で講演して、一回五十万円から百万円、十一回の会合で合計八百八十万円もらっていた。府民の皆さんからは「わたしらは、パートで時給八百円、知事は三十分で百万円。時給二百万円、こんな人に庶民の苦しみがわかるのか」と。大阪府民が怒るのは、当たり前です。
問題は、「オール与党」が太田知事個人に責任をなすりつけて、批判をかわそうとしていることです。この人を二期にわたって支えてきたのは、自民・民主・公明の「オール与党」ではなかったでしょうか。「読売」新聞十二月三日付夕刊はこう書きました。「府民の怒りの矛先は、過去二回の知事選で太田知事を推薦した自民、民主、公明の府議団に向けられ、府議には、支持者からの怒りの声が殺到した」
自民党幹事長は「政策は評価すべき所はある」、民主党幹事長は「政策達成度は及第点」といってはばからない。しかし、「オール与党」府政がやってきたことは、国言いなり、府民そっちのけの政治。言わば「国の悪政の大阪出張所」です。いま府民の怒りは、この府政の全体に向けられているんではないでしょうか。
「明るい会」は、府民アンケートに取り組んでおられます。返信は一万八千通を超えました。一番の特徴は、府民のくらしがこんなに大変なのに、府政は何もしてくれない、そういう切実な声でびっしり埋められていました。「税金、医療費などは上がる一方だ。今の世の中貧乏人が苦しみ借金が増えれば自殺するしかない」「一歳の子どもがいる三人家族、福岡から引っ越してきたが乳児医療がただじゃないのにビックリした。働きたいのに保育所はどこも満員、税金を無駄なところに使って、こういうところになぜ使わないのか不思議だ」。アンケートの声を見ても、府民の願いはハッキリしています。
●大型開発、同和のムダをなくす
第一には、ムダ遣いをやめることこそ新しい府政の最大の任務だと思います。
「オール与党」の府政は、国言いなりで、ムダ遣な公共事業の連続でした。飛行機が来るあてもないのに関西空港二期工事を強行した、水はいらないのに安威川ダムの建設、第二名神高速をつくるからと箕面の自然を壊して「水と緑の健康都市」を作ったことなどは、その一例です。箕面のトンネル工事で水がかれたために、年間三千万円かけてポンプで水をくみ上げて滝を流しているというのは、笑い話にもならない。
その上、大阪府政では「同和」施策に五十億円もかけるムダがあります。「人権相談補助金」(〇四年)では、豊能町に年百二十五万円出して相談件数は年二件、一件あたり六十二万五千円です。能勢町では年五十五万円出して相談は年一件だけです。共産党なら生活相談所はタダです。知事の「三十分百万円」も驚きですが、こういう金の使い方は異常じゃないでしょうか。このムダ遣いをきっぱりやめると言っているのが梅田章二さんのほかにはありません。(拍手) ●暮らし・福祉・教育を支える府政に
第二に、府民の暮らし・福祉・教育を支える府政をつくることです。
「オール与党」の府政は、ムダ遣いで借金漬けです。お金がないからと、府民の暮らしを容赦なく切り捨ててきた。その冷たさは全国に例がありません。
お年寄りの医療費は、かつて革新府政のもとで無料になりましたが、ついにこの間あらゆる助成措置が打ち切られてしまいました。障害者、ひとり親家庭への医療費助成も削減し、自己負担が導入された。生活保護所帯への盆・暮れの一時金は「孫が遊びにきたときにおもちゃを買ってやれる」と、ささやかな楽しみでしたが、バッサリ削られてしまいました。
大阪の府立高校授業料は、全国で一番高い。四十五都道府県は、政府の基準額以下で年十一万五千二百円です。ところが、大阪府だけは「独自に決める」と十四万四千円で特別に高い。そのうえ、クーラー代まで徴収しているというのは、全国で聞いたことがありません。
子どもの医療費無料化は、子育て世代の切実な願いですが、大阪府政は、通院で二歳児まで、入院で就学前までしか制度をつくっていない。東京都でも、通院、入院ともに、中学校卒業まで助成制度をつくりました。京都府では就学前まで、兵庫県では小学校三年生まで制度があります。大阪府政が、子育てにいかに冷たいかがおわかりだと思います。梅田さんは、「自治体の仕事は住民の暮らし・福祉・教育を支えること」だ、ムダ遣いをやめればできると、具体的な政策を掲げています。梅田章二さんに、府民のこの願いを託そうじゃありませんか。(拍手)
●中小企業を支え、大阪経済を立て直す
第三は、大阪の中小企業を支え、大阪の経済を立て直すことです。
「オール与党」の府政は、関西財界・大企業には大変やさしくて親切です。しかし中小企業には冷淡です。太田府政は、堺市にシャープを誘致したと自慢しています。そのために出すお金は十年間で百五十億円、関連会社を含めると三百三十億円にものぼります。しかし、それで地元に仕事が回ってくるかというと、そうじゃない。シャープは「独自技術を保護するため」と、自分の関連会社を全部引き連れてきますから、地元に仕事は増えません。四年前、三重県が亀山市にシャープの工場を誘致しましたが、正社員二千二百人のうち地元の雇用はわずか二十一人でした。増えたのは、派遣社員、外国人労働者でした。堺のシャープはどうか、府に問いただした所、補助金二億円で一人の雇用を義務付ける。パートさん一人雇えば二億円も出すというんです。まさに異常です。地元の中小企業を育成すればもっと仕事も雇用もふえるのではないでしょうか(拍手)。
大企業にこれだけお金を出しているのに、中小企業には、例えば商店街活性化予算、大阪府全体で八百六十八の商店街があるのに、予算はわずか一億円。大阪は中小企業の町です。99%の事業所が中小企業なのに、「何もしてくれない」というのが町の声です。官公需の中小企業への発注率を見ても、愛知県73.3%、千葉県72.2%にたいして、大阪府は62.7%と大変低い。だいたい、高校にクーラーをつける際にも、地元の企業・業者に発注すれば仕事が増えるのに、わざわざ関西電力と大阪ガスに発注しました。こうしたなか、一昨年の数字では大阪の企業倒産は二千八十件です。率にすると全国の倍の企業が倒産している。官公需の中小企業への発注を10%高めるだけでも、二百十七億円の仕事が回ってきます。
大阪の実情に立った政策にきりかえる、中小企業振興条例を作り経済を活性化するという梅田さんこそ、大阪の願いに応える唯一の候補者じゃないでしょうか(拍手)。
●大阪が変われば日本が変わる
「オール与党」が府政を担うようになって二十九年になりました。国言いなり、関西財界最優先の府政では、大阪がだめになることは、現実が証明しています。「オール与党」の側の候補者についていろいろ取りざたされています。しかし、ハッキリしていることは、どういう組み合わせで候補者が出てきても、「オール与党」の陣営には、これ以上大阪府政をまかせることはできない。府民がのぞむ府政が築けるのは、「明るい会」と日本共産党が責任を持って推す梅田章二さんしかいないことです(拍手)。
大阪府民は、一九七一年に黒田革新府政をつくった歴史があります。「公害知事さんさようなら、憲法知事さんこんにちは」。素晴らしいスローガンです。この輝く実績は、府政を変えればどれだけたくさんの仕事ができるか、全国にお手本を示しました。全国で一番厳しい公害規制で光化学スモッグをなくしたのも大阪でした。お年寄りの医療費を無料にして、お年寄りに「生きていて良かった」と希望を与えました。一九七三年からは、老人医療費無料は国の制度になりました。府立高校と保育園をたくさんつくって子どもと若者を支えました。大阪府政にはげまされて革新・民主の自治体は全国に広がりました。鳥取県の前知事、片山さんは、保守の立場の政治家ですが、次のように黒田府政を評価しています。「『官』依存、国に頼っていては大阪の発展はない」「(自分が)自治省に入った当時、革新自治体が一世を風靡(ふうび)していて、大阪も黒田府政でした。評価はともかく、中央の言いなりにならない気概は感じました」(「朝日」九月二十九日付)。こう保守の立場の前知事さえいうぐらいです。今度は梅田さんを押し上げて、こうした府政を取り戻そうじゃありませんか(拍手)。
選挙戦は「道理と勢い」が大事だとといわれます。道理が梅田さんの側にあることはハッキリしています。問題は勢いです。日本共産党と「明るい会」に結集する皆さんが、元気よく打って出て、これまでの立場の違いを超えてすべての府民に訴え、「今度はやる気だぞ」「本気でねらっているぞ」と府民のなかで大きな話題になるような大奮闘を、この集会を契機にやり抜こうではありませんか。黒田府政を作ったときのスローガンは「大阪が変われば日本が変わる」でした。この意気込みでともにがんばりましょう(大きな拍手)。
投稿者 jcposaka : 2007年12月15日