梅田さんで府政を変えようC 中小商工業あたためて
堺市の臨海部。シャープの大型液晶テレビのパネル工場が建設中です。同種の工場では世界最大規模。敷地内にインフラ施設や部材・装置メーカー工場まで誘致する「垂直統合型」で、二〇一〇年三月までに稼働予定です。府は同社に百五十億円、関連企業を含め三百三十億円を補助します。
太田知事は、大企業誘致が「関西・大阪経済を引っ張る」として今年三月、大企業誘致のための補助金を一社あたり三十億円から五倍の百五十億円へ引き上げました。自治体では全国最高です。「オール与党」各党も積極的に評価しています。
府はシャープ工場誘致による経済波及効果を三兆九千億円としています。それは産業連関表による机上の計算。中小企業や新規雇用への波及効果は極めて不透明です。
実際、府が十億円を補助した三洋電機(貝塚市)では新規採用はわずか十一人です。府が三月に制定した「企業立地促進条例」では、立地のために企業が投資する額が百億円以上の場合、雇用条件は、パートを含む府内常用雇用がわずか十人〜百人以上(経費百億円につき十人以上)です。
シャープ工場の雇用については実例があります。三重県亀山市の工場です。同じ「垂直統合型」で県が九十億円、亀山市が四十五億円を補助。道路も三十億円かけて建設しました。操業三年目で関連企業もふくめた新規採用は約四千九百人ですが県内の常用雇用者数はその三割弱、約千四百人です。総雇用者七千二百人のうち派遣・請負などの非正規労働者が約三千人にのぼります。日本共産党府議団の現地調査では、地元の商工会議所から「シャープの効果は感じられない」などの声が出ていることが明らかになっています。
堺東民主商工会副会長で同市で喫茶店を経営する濱田達志さん(69)は、こうした府政に厳しい目を向けます。「大金を出してシャープが堺にきても地元での仕事や雇用が増えるわけではありません。景気は回復しているといいますが、中小商工業者は倒産や廃業が続いています。地域経済や町づくりを担っているのは中小零細企業です。そこに光をあてなければ地域経済はよくなりません」。
大阪は府内全事業所の99・6%が中小企業です。しかし、〇七年度の大阪府の中小企業対策費(金融対策をのぞく)は四百四十八億円で予算全体の1・6%。八百六十八の商店街の活性化策はわずか一億三千万円です。
自民推薦の橋下徹氏は、「企業誘致は積極的にすすめる」とし、民主推薦の熊谷貞俊氏は、「政策が太田知事の産業振興を踏襲している」として財界関係者に支持する声が広がっていると報じられています(「朝日」二十二日付)。
日本共産党が推す「明るい民主大阪府政をつくる会」の梅田章二知事候補は、「中小企業を直接あたためることこそ大阪経済の活性化に有効」と主張。中小企業・業者の振興を柱に、▽二十億円で大阪府若年雇用奨励金制度をつくり、二千人の若者の正規雇用を拡大する▽中小企業・地域経済振興条例の制定▽大阪産業トータルビジョンの作成▽大規模店舗への民主的規制、商店街への援助のいっそう強化ーなどをかかげています。
投稿者 jcposaka : 2007年12月25日