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「ちいさいひと」と共に生きる 我が家育て合い日記

2007年12月28日

三宅朋子
助産院での素敵な出産

  「おおきなっても絶対赤ちゃんは生まへん」
 子どもの頃、 私は母に何度もそう言ったらしい。
 赤ちゃんはお腹を割いて出てくると思いこんでいた私は自分には無理だと幼心に思ったのだろう。
 痛い事がとにかく嫌い。 生まれてこの方、 入院も手術も歯の治療すらほとんどしたことのない私は筋金入りの 「あかんたれ」 なのだ。
 そんな私も2007年5月、 助産院で娘・優理子を出産した。
 私の陣痛最高潮の時に駆けつけた母の後日談によると 「部屋入ったらあんたの声は聞こえるのにベッドの上におれへん。 どこや?と思ったら窓枠にへばりついてた」 という程の痛がりようで、 その横で相方は 「お前の絶叫が道路に面してる窓から歩いてる人に聞こえてへんかものすごい気になった」 らしい。 なんとも取り乱した出産ではあったけれど不思議な事に今思い出すと結構楽しい。
 確かに 「痛かった!」 って思うのに思い出すのが辛くない。 なんだか時間が経つにつれて 「懐かしいなぁ!」 と思えてくる。
 それは今、 優理子が元気に育っているからであり、 助産院での出産がとても素敵だったからだと思う。
  「産ませてもらう所」 ではなく 「産みに行く施設」 が助産院。
 ベテランの助産師さんに 「くにゃくにゃせんと!身体まっすぐにおヘソ見て!」 と叱られたり、 「はい、 上手よー!」 と褒められたりしながらも、 とにかく自分で優理子を産み落とした体験は 「あかんたれ」 の私が親になるための正念場。
 そしてその後の入院生活の楽しかったこと!
 毎晩仕事で帰りが遅くなり深夜になってから助産院に泊まりに来る相方と優理子を眺めながら三人で過ごしたあの日々は今思えば 「ハネムーン」 やった。
 退院の前夜、 院長先生が部屋に来て私と優理子にいわさきちひろの 「あなたがうまれたときに」 という絵本を読み聞かせてくれた。
  おしめくさい、 おっぱいくさい、 ちいさいひと 
  あなたが どんな子どもになるか どんなおとなになるか
  おかあさんにも おとうさんにも それは わからない
  すこやかであれ そしてゆっくりでいいから じぶんの足どりで あるいていって ほしい
 静かな先生の声を聞いていたらなんだか涙ぐんでしまった。
 わたしたちの 「ちいさいひと」 と一緒に生きる日々はこうやって幕を開けたのでした。

みやけ・ともこ 1977年生まれ。 大阪市鶴見区在住。 07年5月、 大阪市内の助産院で第1子を出産。 現在、 育児休暇中。

投稿者 jcposaka : 2007年12月28日

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