河内長野・千早赤阪合併問題 押し付け合併はノー
24施設で存続わずか5施設
合併協設置を見送り
日本共産党
町議会で住民投票条例提案 全戸配布で村民に情報提供
合併に向けての協議が行われていた千早赤阪村と河内長野市は、 昨年12月議会で予定していた合併協議会設置議案の提出を見送りました。 ことし夏に任期満了を迎える両市・村長の選挙で、 あらためて住民に合併の是非を問うことになりそうです。
住民にウソの説明
07年4月、 千早赤阪村の議員全員協議会で松本昌親村長が河内長野市への編入合併を表明。 小泉構造改革によって交付金や補助金などが削られる速さに、 土地の売却や村の行革が追いつかないためと説明しました。 住民説明会では大阪府の斡旋によることを強調していました。 府の担当者が 「合併は避けて通れない」 とテレビで発言し、 村の区長会で 「私を男にして下さい」 と頭を下げました。 また 「市町村合併推進協議会」 の中間答申でも、 人口1万人以下の町村はどうなっても知らないと言わんばかりの説明をしています。 大阪府と村長の押し付け合併であることが見て取れます。
松本村長の突然の合併表明について、 多田利喜富田林市長は 「富田林と千早赤阪村は密接に関連しており、 確定前に経過報告があってしかるべきではないか」 「合併理由のひとつに 『富田林に合併を断られたから、 河内長野市と合併するしかない』 との声を耳にした。 私としては、 はなはだ心外だ」 と批判しています。 6月の合併問題特別委員会で、 日本共産党の徳丸幸夫議員から 「河内長野市の誰といつ話をしたのか」 と詰められた松本村長は、 「大阪府と話をしているので、 大阪府を信じている」 と答弁。 河内長野市とは直接話をしていないことも明らかになりました。 近隣市町との関係を壊し、 住民にはウソの説明をしていたことになります。太田氏の不出馬で
6月議会の最終日に合併推進決議案が出され、 推進派と反対派が5対5で拮抗していましたが、 議長が推進派であったため、 決議案は4対5で否決される見込みでした。
ところが貝長議長は、 開会15分前に突然辞任届を提出。 その後8回議長選挙を行いましたが、 どの議員も議長を辞退したため新議長が決まらず、 副議長の徳丸議員が議会ルールに従い、 議事を進行。 決議は賛成5、 反対4で可決され、 日本共産党が提案した住民投票条例案は、 否決されました。
河内長野市は府に対し、 ▽新たな負担が生じない財政支援▽村と市中心部を結ぶ交通網整備▽堺市との幹線道路などの活性化への支援の3点を、 合併協議に入る前提条件として求めていました。
三輪和夫副知事と松本村長は同市を訪れ、 要望に対する回答を示し、 合併協議会の設置を要請。 昨年10月17日の市議会全員協議会で、 橋上義孝市長は初めて、 事前協議を進める意向を示しました。
9年後には黒字に
ところが12月になると、 定例議会で予定していた法定合併協議会の設置議案の提案を延期。 阪谷副市長は、 太田房江知事が今月27日投票の知事選挙に立候補しないことに触れ、 「10月に府からいただいた約束の時点から、 大きな状況の変化があった」 と答弁しました。
これにより村側も、 12月議会で予定していた合併協議会設置の提案を先送りすることになりました。
12月議会では、 千早赤阪村内にある24の公共施設のうち、 合併後も存続されることが決まっているのは、 小・中学校や消防分署など、 5施設だけとしていることが明らかになりました。 村役場、 小吹台の役場の連絡所、 学校給食センターなどは廃止されることに。
また、 「いきいきサロンくすのき」 は、 他用途への転用が決まっている施設のひとつ。 日本舞踊や習字教室などを開催し、 地元のボランティア約40人が利用者向けに喫茶を提供するなど、 関係者は、 「これほど地域に密着した施設は珍しい」 「無くなったら困る」 と話します。
村民に依拠をして
日本共産党村会議員団は、 河内長野市全員協議会資料では、 村の財政は合併しなくても2017年度には黒字になることを示していることを報告。 また、 合併すると活用できる村の施設は少なくなることは明らかになりましたが、 村がどういう地域になるのか、 住民サービスはどうなるのかがまったく不透明であると批判。 党千早赤阪村支部も全戸配布した 「千早赤阪民報」 (1月1日付) で、 2017年度に黒字になることや、 「24施設中、 存続は5つだけ」 と知らせました。
徳丸議員は 「市町村合併は、 大規模開発を狙う財界と、 地方交付税など国の支出削減のために住民に押し付けられたもの。 住民の利益を守ることと、 住民の自治を広げ尊重するという見地を貫き、 今回の強引な合併には反対です。 金剛山を中心に全国的に知られた 『千早赤阪』 ブランドを、 村民のエネルギーを信頼し、 依拠して村づくりをすることも検討するべき」 と話します。
夏の首長選の争点
松本村長はことし7月15日、 橋上市長は同8月2日に任期満了を迎えます。 市は、 知事選後に府の支援内容が変わらないか再確認し、 合併協議を進めていくとしていますが、 この市・村長選挙であらためて住民の意思が問われることになりそうです。
投稿者 jcposaka : 2008年01月10日