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年寄りの死 嬉しいのか 後期高齢者医療制度 4月から実施 不安と怒り広がる

2008年01月24日

西淀川社保協が「なんでも相談会」

 後期高齢者を現存の保険制度から切り離し、 医療内容の差別化や保険料納付の厳格化により 「現代の姥捨て山」 と批判される後期高齢者医療制度。 実施予定の4月を前に、 西淀川社会保障推進協議会が16日から18日までの3日間、 区内の診療所で 「なんでも相談会」 を開催しました。

嫁に迷惑かけるわけにいかない

 17日、 姫島診療所で開かれた相談会には二十数人が参加し、 大阪府後期高齢者医療広域連合議会議員の北山良三日本共産党大阪市議が制度を説明。   「嫁に迷惑をかけるわけにいかない」 と涙をにじませた女性 (80) は、 夫と息子夫婦の4人暮らし。   「私たちは、 戦前の食べ物もない時代からまじめに働いてきたのに」。

 病気知らずでしたが、 昨年の定期検診で腸にポリープが発見され手術。 休職中の息子、 深夜まで働く嫁のことを考え、 「首をつろうか」 と夫に話したこともあります。  保険料はどうなるのか。 これまでと同じように医者にかかれるのか。 医療報酬の 「包括制」 によって、 病院は治療すればするほど赤字になることや、 患者の自由な診療を阻害する 「かかりつけ医」 制度、 さらに死期が近いと判断された患者を退院させた病院へ加算金が検討されていることなどを北山議員が話すと、 先の女性は 「戦争で家族も亡くしました。 年寄りが死ねば政治家は喜ぶのですか」 とつぶやきました。

保険料は平均10万1449円

 昨年の広域連合議会で決まった大阪府の保険料負担は1人平均10万1449円と、 全国最高水準です。

保険料軽減求めたのは共産だけ

 保険料を少しでも低くする修正案は、 日本共産党を除く全議員の反対により否決されました。
 北山議員は 「2年ごとに保険料は上がっていきますが、 初年度は下がる人が多くなります」 と説明。 しかし、 この日保険料を試算した人のうち2人は、 初年度から負担が増えることが明らかになりました。
 政府は昨年、 同制度の 「一部凍結」 を決めました。 しかしその内容は、 子どもなどの社会保険に入っている人を対象とし、 一定期間保険料負担を軽減するというもの。 選挙目当ての対応で、 制度を推進する姿勢に変わりありません。
 眼科に通院中で、 夫と2人暮らしの女性 (76) は、 「もう医者には行かない。 目が見えなくなってもいい」 と訴えます。 しかし医者にかからなくても保険料は年金から天引きされ、 否応無く負担しなければなりません。
  「私は言うたんねん。 皆に 『こんなひどい制度が決められてんねんで』 って」

凍結でなく中止撤回求めていく

 制度の見直しや中止・撤回などを求める意見書を可決したり、 請願を採択した地方議会は全国で465に上り、 全地方議会の4分の1に達します。
 北山議員は 「この制度から府民を守るよう研究・努力を続けています。 府知事選挙で 『府からの助成』 を掲げる梅田章二候補が当選すれば、 保険料負担を低く抑えることができます。 何よりも制度内容を知った人たちが、 周りに広め、 凍結でなく中止・撤回を求める世論を起こしていくことが大切です」 と話します。

後期高齢者医療制度
 06年の医療改悪法によって導入が決められ、 ことし4月から実施が予定されています。
 75才歳上の高齢者は強制加入。 障害認定を受けた65歳以上は撤回の意思を示さない限り加入します。
 保険料徴収は市町村が行い、 運営は全市町村が加入する都道府県単位の 「広域連合」 が行います。

投稿者 jcposaka : 2008年01月24日

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