低医療費政策やめろ 参院予算委・山下参院議員が政府追及
実情受け止め現場の声聞け
救急搬送の受け入れ先が見つからず、 患者が死亡する事件が相次ぐ中、 日本共産党の山下よしき参院議員は4日の参院予算委員会で救急医療問題を取り上げました。 山下議員は、 救急医療の現場や医師会などの声を紹介しながら、 「命を救うためにも、 問題の根本にある政府の低医療費政策を転換すべき」 と、 福田首相を追及しました。
ことし1月2日、 東大阪市で交通事故に遭った男性 (49) が、 5つの救命救急センターに受け入れを拒否され、 1時間後に収容された病院で死亡しました。 この男性を搬送した大東市消防本部は、 山下議員の調査に対して、 5つの救命救急センターはすべて 「処置中」 か 「満床」 だったことを明らかにしています。
00年から07年で15%も減少
山下議員は、 入院を必要とする重症の患者受け入れる2次救急医療の病院が、 大阪では00年度の304カ所をピークに、 07年度は258カ所と15%も減少していることや、 全国では174カ所減ったとの報道を示し、 「その結果、 本来2次救急で受け入れるべき患者が3次救急に流れ、 いわば最後の砦の救命救急センターが、 いつも処置中か満床に近い状態になっている」 と強調しました。
山下議員は、 「救えたかも知れない命を救えなかった。 こんな事態を2度と繰り返さないためにも、 (福田首相が言う) 救急情報システムの改善だけでなく、 救急医療から撤退する病院が増えているという根本問題にメスを入れるべき」 と主張しました。
福田首相は 「救急医療は深刻な状況にある」 と認めつつ、 「問題をどう解決するか、 具体的に早急に手当てしたい」 などと答弁。 舛添厚労相は、 診療報酬の引き上げや勤務医の労働条件改善へ緊急政策も含めて来年度予算案で約100億円を措置しているなどと説明しました。
「医療改革」がつくった歪み
山下議員は、 大阪府医師会との懇談の中で、 診療報酬の連続引き下げで病院全体の収益が減少する中、 不採算部門の救急医療が維持できなくなっている実情や、 「日本の医療全体が厳しくなる中で、 救命救急にひずみが出ている」 との声が上がっていることを紹介。
また山下議員は、 姫路市で昨年12月、 男性 (66) が18カ所の病院に断られて搬送先で死亡した問題で、 姫路市医師会が、 「医療制度改革がもたらした医療のゆがみの現れ」 と声明で訴えていることを示し、 「救急医療の最前線から、 政府の医療政策の転換を求める声が噴き出している。 総理はしっかり受け止めるべき」 と力説しました。
これに対し舛添厚労相は、 「最大の問題は、 近くのかかりつけ医で処理できる方まで、 そちら (2次、 3次救急) へ行ってしまうこと。 地域の医療システムのネットワークの再構築に全力を挙げる」 などと答弁しました。
政治は責任を果たすべ き
山下議員は、 「そういう認識では、 命は救えない」 と厳しく批判。 「救急医療の現場の医師や看護士、 一人でも多くの命を救いたいと、 24時間、 365日一生懸命頑張っている。 消防の救急隊員も同じ思い。 今、 頑張らなければならないのは政治。 医師の数や診療報酬を抑制することで、 医療費全体を先進7カ国で最低の水準に抑えてきた政府の低医療費政策を、 根本的に転換すべき」 と主張しました。
投稿者 jcposaka : 2008年02月07日