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阪南市立病院入院休止 市立病院を守って

2008年02月07日

 大阪府阪南市の市立病院が、四月から入院受け入れを全面休止することが明らかになりました。十一人いる常勤医師のうち七人が三月末で退職するためです。同病院は昨年六月末に内科医九人が退職し、七月から内科を閉鎖していました。岩室敏和市長は「存続を含め、病院の今後について二月中旬に結論を出したい」としていますが、入院休止という異例の事態に、市民の間に「市立病院がなくなってしまうかもしれない」という不安が広がっています。

 三十年以上同病院に入院給食の食材として豆腐を納品してきた女性(63)=豆腐屋経営=は、「入院をやめたら納品もお見舞いの帰りに寄ってくれるお客さんもいなくなる。市にどんどん活気がなくなる」と嘆きます。  同病院は一九五三年に開設以来、近隣の泉南市と岬町を含む約十五万人の中核病院(百八十五床)として地域医療を支えてきました。しかし同病院に常勤医師を派遣してきた和歌山県立医科大学の医師不足のため、〇五年度には七人いた内科常勤医が次々と退職し、〇七年度には五人になりました。近畿大学医学部から派遣されていた内科非常勤医四人も、「常勤医がいない中では責任を持てない」として引き上げ、七月から内科閉鎖となっていました。内科収益は、〇六年度決算で年間収益の約四割・約八億円。内科の閉鎖で収益が激減し、病院企業特別会計の〇七年度の赤字は九億五千万円に上りました。  日本共産党阪南市委員会は〇七年十月初旬から「阪南市立病院の内科再開と継続を求める要望」署名を街頭などで集めてきました。近隣市町の住民にも署名の輪が広がり、十二月に計三千八百四十人分を市長に提出。「最大限の努力で市民の願いにこたえて」と訴えました。  市は和歌山をのぞく近畿二府三県と三重、福井両県にある国公立、私立の十三の医科系大学に加え、四国・中国・九州地方の医科系大学を訪問。常勤内科医の招聘(しょうへい)にあたってきましたが、医師を確保できていません。  現在、市内で入院を扱う小児科は同病院だけです。休止されれば、入院が必要な子どもは和歌山県や岸和田市などの病院にかからなければなりません。  前出の女性には三歳と四歳の孫がいます。「孫にもしものことがあったらどこに走ればいいの。なんぼ赤字でも、病院は市民のために絶対に閉めてもらったら困んねん」と不安を訴えていました。  党市議団長の坂原利満市議は、「命を守る拠点の存続は高齢者はもとより、すべての市民の願いです。住民と力を合わせ、なんとしても病院の存続のためにがんばりたい」と決意を語っています。

投稿者 jcposaka : 2008年02月07日

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