府民の暮らしを守る緊急施策実現目指す大阪府政懇談会 阿部日本共産党府議団幹事長が報告
15日開かれた日本共産党府議団と府民団体との懇談会で、 阿部誠行幹事長が橋下新府政や暫定予算案の問題、 同党として2月府議会にどう臨むかについて報告しました。 その大要を紹介します。
■橋下府政のスタート
08年幕開けから、 庶民派弁護士の梅田章二さんを先頭に激しい知事選を戦いました。 結果は残念でしたが、 知事選での経験は、 今後の闘いに必ず生きると思います。
6日就任した橋下知事の特徴の一つは、 メディア戦略。「カラスの鳴かぬ日はあっても、 知事がテレビに出ない日はない」 といった状況です。 当選直後から、 応援してくれた自民党や公明党、 創価学会の本部にあいさつ回りし、 自民・公明府議団と懇談する。 岩国や京都の市長選では、 自公推薦の候補者を応援する、 「与党の広告塔か」 とも言われるありさまです。
橋下知事は初登庁当日に関経連の要望を受け取り、 13日には、 関経連との定期的な協議会 (月1回程度) の設置を約束。 「経済界が望むことを行政はサポートしていきたい」 と発言するなど、 関西財界とのパイプづくりを進めています。 さらに自衛隊や防衛省、 宮内庁など関係機関を訪問しています。
確かに今までにないタイプの知事の登場ですが、 私たちは、 彼が進めようとしている府政の方向をしっかり見て、 府民の命と暮らし、 中小商工業者の営業を守るたたかいを進めなければなりません。
■「非常事態宣言」と行革
橋下知事は職員への就任あいさつで、 「大阪維新」 を語り、 橋下 「行革」 をスタートさせました。 「財政非常事態宣言」 では、 すべての事業、 出資法人、 公の施設をゼロベースで見直し、 「収入の範囲内で予算を組む」 という原則を08年度から徹底するとしています。
これまで橋下知事は、 「公の施設27のうち2つの図書館以外すべて廃止・売却」 「35人学級見直し」 など、 さまざまな発言をマスコミ向けにしていますが、 橋下知事の狙いは、 「非常事態宣言」 や2月府議会に提案する暫定予算の編成方針に見ることができます。
橋下 「行革」 を進めるため、 13日に知事の公約実現を中心にした 「重要政策プロジェクトチーム」 と、 全事業をゼロベースで見直す 「改革プロジェクトチーム」 を立ち上げました。
暫定予算は7月31日までの4カ月間。 人件費などの経常経費も含め、 福祉、 医療、 教育、 安全・安心など本来通年で組むものまで暫定です。 さらに市町村への府補助事業で今回計上されないものもあり、 市町村から 「予算が組めない」 と、 怒りの声が上がっています。 新規事業も不計上。 前年度からの継続で、 組まれる予定のものも含め白紙状況です。
本格予算で府民福祉の大リストラへの布石となる危険性をはらんでいます。 これまで 「行財政改革案」 で削減されてきた府民施策を、 「収入の範囲内」 の名でさらに切る。 市町村の補助事業を大幅に見直していくというものです。
■2月議会にどう臨むか
府議会開会日に知事が所信表明しますが、 橋下知事は、 これも 「暫定的所信表明」 すると発言し、 議会にも 「暫定的対応」 を求めています。 しかし私たちは、 知事選を戦う中で、 府民から大きな願いが託されているわけですから、 この2月府議会も全力で臨みます。
まず、 財政再建問題で正面から論戦を挑みます。 橋下知事は選挙で子育てを最大の目玉にしていましたが、 途中から財政が大変だとわかったので、 財政再建が最優先だと切り替えたとしています。
財政は大変です。 しかし私たちが知事選で訴えたように、 府民の暮らしや中小零細企業も非常事態です。 府民の暮らしを守りながら財政を立て直していく。 これが私たちの基本的立場です。
75年のオイルショック直後、 当時の黒田知事が 「財政非常事態宣言」 を出しました。 府民のライフラインは断固守り、 無駄を省く。 財源確保は、 超過課税率を上限まで協力してもらうなど、 大企業に社会的責任の発揮を求め、 国には財源補填を認めさせる。 府民本位の府政を守る大きな運動で、 財政危機を突破しました。 橋下知事のやり方とは全く違います。
私たちは、 府民の暮らしを守る立場で暫定予算を組むことを求めたいと思います。 福祉・医療・教育、 中小企業のための最低限の施策は通年予算化する。 市町村や現場の声をしっかり聞いて予算を組み、 執行することを要求していきます。
■危機打開「6つの提言」
具体的には財政危機打開への 「6つの提言」 を提案します。 第1は、 大規模開発の思い切った見直し。 第2は、 同和行政の終結。 第3は、 法人事業税の超過課税率の引き上げ、 正規雇用の拡大など大企業に社会的責任を求める。 第4は、 出資法人や公の施設、 人件費の問題では、 府民の目線で抜本的に見直す。 第5は、 国の地方財源切り捨てを許さない。 第6は、 情報公開を徹底し、 府民参加で進めるということです。
また、 子ども医療費助成の拡充や35人以下学級の実現、 救急医療や食の安全、 原油・材料の高騰対策をはじめ、 府民生活を守る緊急施策の実現を求めます。
知事の政治姿勢では、 橋下知事は当選後、 「後援会は必要」 だとして、 企業献金を受けると公言しており、 「政治とカネ」 の問題をただします。 国の悪政や 「部落解放同盟」 の圧力から府民を守る防波堤になって府政を進めるよう迫ります。 「軽い発言」 や 「朝令暮改」 が問題になっていますが、 トップとしての資質、 品性についてもただす必要があると思っています。
関経連が知事就任初日に要望書を提出したように、 財界の動きは早いです。 府民はどうか。 橋下 「行革」 ・大リストラに、 真っ向から府民の要求を掲げた、 「財政危機打開、 府民要求実現」 の一大府民運動が求められていると思います。 私たちもともに頑張ります。
投稿者 jcposaka : 2008年02月21日