茨木市医師会 （樋田之宏会長） が 「日本の医療はなぜ崩壊したか、 どうしたら救えるか」 をテーマに特別講演・市民公開フォーラムを23日、 藍野大学内ホールで開き、 ３４９人が参加しました。

　フォラームでは埼玉県の済生会栗橋病院の本田宏副院長が講演しました。 　本田氏はスクリーンにスライドを映しながら、 「国民が不幸な国は、 必ず滅びるか、 戦争を始める。 正確な情報なしでは、 医療ばかりか日本が崩壊してしまう」 と切り出し、 「低開発国並み」 の医療と高負担の日本型か、 アメリカ型か、 ヨーロッパ型の医療か、 「皆さんが決めるんですよ」 と述べました。 　高齢化する社会に、 現在の医療は対応できるのか。 スクリーンに映された、 各国の人口比医師数を示す表に、 会場がどよめきます。 　ＯＥＣＤ加盟国の平均より12万人少ない日本の医師。 しかし年齢別分布を見ると日本では１００歳の人まで数えていることになります。 本田氏によると、 現役を退いたと考えられる医師数は約４万人。 実際は16万人少ないことになります。 　 「すでに道路だらけの日本で、 もうこれ以上道路を造っている場合じゃない」 と本田氏。 スクリーンに映し出されたのは、 世界一高い日本の公共事業費。 本田氏は、 「医師不足が労基法無視の過重労働に直結。 医師に刑事罰を科しても医療事故は無くならない」 とし、 日本の医師が置かれている劣悪な環境を説明。 　さらに 「政府が医療費削減と言うと、 負担が減るのかと思う人がいるが、 全然違う」 とし、 国民１人当たりの医療費を比べた表を紹介。 劣悪と言われる米国の75万に対し日本はわずか25万。 「おにぎりが食べられずに餓死する人がいる一方、 『国際貢献』 と言ってインド洋で米軍に給油する。 国民を幸せにできない国に、 世界の人を幸せにすることができますか」 と本田氏は問いかけました。 　最後に本田氏は、 入院中 「看護婦さんはとても忙しそうで、 声をかけられなかった」 と語った亡き母の話を紹介し、 「あきらめてはいけません。 たくさんの人に今日のことを話して下さい」 と訴える、 拍手に包まれました。