街かどデイハウス存続の危機 大阪府PT案・09年に支援廃止の方針 地域の財産守れと署名 高齢者生活支援軒並み廃止・縮小に
2008年05月08日
高齢者の居場所として地域福祉や介護予防の重要な役割を果たしてきた街かどデイハウス事業が存続の危機にあります。 大阪府が検討中の 「財政再建プログラム試案」 (PT試案) は同事業の09年度廃止方針を明記。 関係者は、 「地域の財産、 街かどデイハウスを守れ」 と署名活動にも取り組んでいます。
箕面市百楽荘の街かどデイハウス 「ゆうゆう」 は3年前にレストランだった建物を改装してオープン。 利用料は昼食・おやつ込みで1日700円。 年間の運営費のうち半分以上を府などの補助金に頼り、 30人のボランティアが運営を支えています。
週5日間、 地域のお年寄りを受け入れており、 詩吟や布遊び、 健康体操やケーキづくりなどを楽しんでいます。 地域に開放されたレストランを併設し、 旬の素材を生かしたランチは市民にも好評です。
街かどデイハウス事業は府が98年に事業化。 約160カ所の施設では5千人以上が登録し、 毎日1600人を超えるお年寄りが利用しています。
ところが 「聖域なくゼロベースでの歳出、 歳入の総点検」 を掲げた府の改革PT試案は、 高齢者向けの生活支援事業を軒並み削減対象とし、 街かどデイハウスは09年度事業廃止としました。
「皆さんとおしゃべりするととっても元気になるんです」。 ゆうゆうを週1回利用する女性 (84) は、 「一人暮らしになって10年。 ここに遊びにくるのが楽しみで、 病気にならないよう気をつけてきたのに。 行き場がなくなると寂しい」 と不安そうに語ります。
「ゆうゆう」 のほかにもう一カ所の街デイと中途障害者の共同作業所を運営するNPO法人千の風。 理事長の堂本久仁子さんは、 「安心して住み続けられる地域社会の実現が私たちの願い。 府の補助がなくなれば運営ができなくなるかもしれない」 と語り、 スタッフの住谷美千恵さん (59) も、 「財政再建のためと言うが巨大開発など赤字の本当の原因にメスが入るのか疑問です。 府民、 特に社会的弱者に痛みを押し付けるのは納得できません」 と話します。
街かどデイハウスをめぐっては、 専門家や当事者を含めた 「あり方検討会」 が事業見直しを検討していただけに、 突然の事業廃止は、 「補助がなくなれば運営は困難」 「高齢者から身近なサービスの拠点を奪うのはおかしい」 と見直しを求める声が上がり、 関係者は府知事あての緊急署名に取り組んでいます。
高齢者への生活支援では街かどデイハウス事業のほか、 独居高齢者への訪問・安否確認を行う見守り訪問活動事業や、 住宅改造助成事業なども廃止の方針。 さらに介護予防・地域リハビリテーション推進事業や在宅生活の支援事業なども、 多くが廃止の方針です。
投稿者 jcposaka : 2008年05月08日