枚方市 都市農業活性化へ一歩 農家・市・JA が共同 レンゲ栽培米普及に奮闘 宮本 候補らが現場訪問
一面の田んぼに咲き乱れるレンゲの花。 舞い飛ぶ白や黄色のチョウ そんな光景を、 枚方市の近郊で見ることができます。 田植えはもうすぐ。 裏作に植えたレンゲをそのまま有機肥料にする 「レンゲ栽培米」。 環境にやさしい米づくりと、 都市農業の活性化へ、 約10年前から枚方市や地元JA、 農家などが共同して、 工夫を重ねてきたものです。 レンゲ満開のこの時期、 現場の取り組みの苦労などを聞こうと、 日本共産党の宮本たけし衆院比例近畿ブロック候補らが訪ねました。
「いやあ、 本当に素晴らしいですね」。 思わず声を上げた宮本さん。 枚方市内でレンゲ栽培米に取り組んだ農家の第1号の一人で、 枚方市農業委員会会長職務代理者の横須賀清輔さん (75) の田んぼを、 山下京子衆院11区候補、 西村たけし枚方市議と一緒に見せてもらいました。 横須賀さんは、 「幼稚園の子どもも、 よく案内する。 『田んぼの中に入ってみ』 と言うんやが、 子どもらは結構怖がってね」 と、 日焼けした顔で笑います。農薬・化学肥料減にレンゲが一役
レンゲは秋の収穫後に種をまき、 春に花が咲いた後、 田植え前に土に混ぜ込んで耕していきます。 枚方市やJAでは07年度から、 大阪府の 「エコ農産物認証制度」 の申請に向け、 「エコレンゲ栽培米」 にも取り組んでいます。
01年に始まった同制度は、 農薬の使用回数や化学肥料の使用量を、 府内標準の半分以下に抑えて生産された作物を認証するもの。 枚方では全市一括ブランド化へ、 技術的な研究を重ねており、 横須賀さんも参加しています。
「私らは、 いろいろ知恵を絞って頑張っている。 農家が米をつくって、 もうかるようにせんとあかん」 と話す横須賀さん。
宮本さんらは、 農業者の高齢化や農産物価格の暴落で農家が 「やっていけない」 現状が広がる中、 日本共産党が3月に発表した 「農業再生プラン」 で農業経営の価格保障・所得補償制度の抜本的充実などを明記していることを紹介しました。
都市農業へのチャレンジに党も連帯
3月に府農業会議やJA大阪中央会とも、 「農業再生プラン」 に基づいて懇談した宮本さんは、 視察を終えてこう語ります。
「再生プランには農業関係者から、 『時宜にかなっている』 『我々の思いと一緒』 という声が寄せられています。 国の中小農家切り捨ての中で、 水田を守り、 人の心を和ませる新たなチャレンジ、 努力が行われているのを実感しました。 都市農業を守る共同の先頭に、 私も立っていきたい」。
レンゲ栽培米
環境にやさしい米づくり
マメ科の植物であるレンゲは、 空気中のチッソを茎に蓄え、 化学肥料の使用量を減らせることから、 全国各地で 「レンゲ栽培米」 がつくられています。
枚方市の 「レンゲ栽培米」 は、 「環境保全型農業レンゲ米生産支援事業」 として99年にスタート。 市とJA北河内、 枚方市農業委員会、 府中央農と緑の総合事務所との共同で実施しています。
04年から市の助成が拡充
レンゲの種子の購入補助 (費用の半分を市とJAが補助) に加え、 00年からJAの買い上げ価格に助成。 当初は30`c当たり市250円、 JAが250円でしたが、 04年度から市は500円に拡充しています。
学校給食の米飯にも活用
市農政課によると、 栽培に取り組む農家は99年当時95軒約23fだったのが、 07年度は188軒約59f (市内水田面積の約18%)、 JAを通した出荷量は約54d。 「地産地消」 の一環で、 学校給食の米飯にも取り入れられています。
府議会でも日本共産党が要求
07年9月府議会の環境農林常任委員会で、 日本共産党の黒田まさ子議員が 「レンゲ栽培米」 を取り上げて質問しました。
農産物の輸入自由化と市場原理による価格破壊、 農業所得の減少が続き、 農業経営の維持・継続に農業者が不安を抱えている中、 黒田議員は 「府内の農協では農家を励ます努力が重ねられている」 として、 枚方の取り組みを示しながら、 府としても援助するよう求めました。
府は 「レンゲ栽培米」 などについて、 「各JAの振興方策に基づき実施されているもの」 として府が奨励金を出すのは難しいなどと答弁。 これに対し黒田議員は、 関係者や市町村の努力に府が報いる必要があるとし、 「農空間の保全に最も頑張っているのは、 農家の皆さん。 農業者を励まし、 所得にもプラスになる奨励金を出すことは生産増進にもつながる」 として、 再検討を求めました。
投稿者 jcposaka : 2008年05月02日