西成・なにわ筋延伸 生活道路分断しないで 住民集会など運動広がる
「お年寄り、 障害者、 子どもにも安全で安心な道路にしてください」。 生活道路の分断が問題となっている西成区のなにわ筋延伸・拡幅計画 (都市計画道路・加島天下茶屋線) をめぐり、 計画見直しを求める住民運動が広がっています。
問題の発端は昨年9月、 大阪市建設局が地元自治会に提示したなにわ筋延伸・拡幅に伴う信号機設置の計画案でした。 西成区梅南1丁目交差点から千本中2丁目交差点までの延伸 (09年度内に南北方向各1車線暫定供用の予定) に伴って、 交差する東西の5つの 「通り」 (北側から梅南、 松、 橘、 桜、 柳の各通り) のうち、 信号機が設置されるのは梅南、 橘、 柳の3カ所に限られ、 松通りと桜通りは中央分離帯で閉鎖され、 従来のように行き来ができなくなるというものでした。
この計画案に地元住民は猛反発。 通勤・通学はもちろん買い物や通院など日常生活に影響が生じ、 沿道の公害や交通事故などの増加が予想されるからです。
効率優先でなく地元住民優先で
「効率化優先で生活道路を破壊するのは許されません。 松、 桜の各通りは地域住民にとって歴史的な意味を持つ重要な道路です」 と桜通りの近くに住むある自治会長 (71) は語ります。
70年代、 区内に公立の集会所がなかった時代、 松通り周辺にあった元西成寮の跡地整備をめぐり日本共産党が 「西成寮跡地には、 保育所、 集会所、 公園の建設を」 と選挙公約に掲げました。 これを機に住民運動が盛り上がり、 なにわ筋に面する同跡地は 「松通り公園」 や児童館・集会所として整備され、 春には花見客でもにぎわう住民の憩いの場として親しまれています。
桜通りは地域の小学校に通う児童たちの通学路です。 「交通量が増えて事故も心配です」。 橘小学校に子どもを通わせる34歳の母親が顔を曇らせます。 別の母親 (32) も 「保育所への送り迎えが不便になりますね」。
松3丁目の松高ミヨ子さん (85) も、 「買い物や通院で利用してきた道路が渡れなくなれば不便です」 と心配そうに語ります。
議会で取り上げてきた共産党
信号機設置をめぐって市建設局が実施した交通量調査でも、 松通りに加え、 桜通りも 「駅への同線、 通学路確保を優先、 歩行者系の交通量も多」 いとし、 信号機設置が適当だと判断しました。
日本共産党は長年、 松、 桜通りを含めた5交差点への信号機設置を要望。 たびたび市議会などで取り上げてきました。 07年の統一地方選で当選したがもう健府議と尾上やすお市議は、 自治会関係者とも共同を強めるなど、 住民運動をリードしてきました。
3月には橘連合町会が住民集会を開催。 各党の代表も出席し、 「松、 桜通りの交差点閉鎖反対」 との宣言を確認。 署名運動の強化も呼び掛けました。
住民運動の広がりの中で変化も起きています。 同党西成区委員会が行った交渉で、 行政当局側は 「なにわ筋の信号については住民の要望を尊重して対処します」 との答弁も。 4月27日にも住民集会が開かれました。
がもう、 尾上の両議員は、 「現在の計画はあくまでも案の段階です。 住民の生活を犠牲にする交差点閉鎖計画を見直し、 すべての通りに交差点・信号機設置の要求を実現するまで全力で取り組みたい」 と話しています。
投稿者 jcposaka : 2008年05月02日