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無駄遣いと国の責任ただせ 「府民に痛み」は本末転倒 5月府議会代表質問

2008年06月01日

財政危機の根本原因示す 日本共産党 阿部誠行議員が追及

 橋下徹知事は 「大阪府は破産会社」 と叫び、 「08年度1100億円の歳出削減」 をあくまで進めようとしています。 ところが、 そもそもなぜ府財政が危機的状況になったのか、 橋下知事は発言していません。 5月27日、 府議会本会議で代表質問に立った日本共産党の阿部誠行議員は、 府財政危機をつくりだした最大の原因は、 国の地方自治体いじめと 「オール与党」 府政が進めた無駄な巨大開発にあると指摘。 「収入の範囲で予算を組む」 という橋下知事の方針は、 「何の責任もない府民や一般府職員に痛みを我慢させるもの。 本末転倒だ」 と述べ、 知事の姿勢を真正面からただしました。 (2面に関連記事)

財政危機  国の悪政が最大の原因

 阿部議員は、 「福祉・教育・文化予算を削って財政再建とは、 目的の削減であり、 本末転倒、 文字通り禁じ手だ」 と強調。 90年代半ば以降、 府が何度も 「行革」 を進めてきたにもかかわず、 財政が悪化してきた最大の原因は、 国の施策にあると力説しました。

重大な改悪

 例えば小泉政権は 「三位一体の改革」 で、 地方交付税の削減や補助金・負担金の廃止と、 税源委譲をセットで進めましたが、 府の財源は、 03年度と比べると07年度は544億円も減少。 「改革どころか、 重大な改悪、 地方自治体いじめ」 (阿部議員) です。
 4月の国会で再議決・成立した法人事業税の 「偏在是正」 により、 府は265億円の減収に。 89年の消費税導入と97年の税率5%への引き上げと引き替えに実施された法人税減税の影響は、 府の場合、 推計で1千億円以上 (07年度) の減収となっています。
 これらの合計は1800億円と、 橋下知事が掲げる 「1100億円の歳出削減」 をはるかに上回る額。 阿部議員は、 「知事が府民の信託に応え、 財政再建に真っ向から取り組むなら、 果てしない国の地方自治体いじめに異議を申し立て、 是正を求めるべき」 と迫りました。
 橋下知事は、 「すべてのものが今の状況に責任がある。 国の景気対策なども一つの要因だが、 国の責任と言っても、 まず府自らが収入の範囲内で予算を組み、 自己責任を果たした上で、 並行で国に言うべきことを言う姿勢も必要」 などと答えました。
国に訴えよ
  「削減した交付金や国庫負担金、 大企業への法人税減税を、 せめて元に戻させることくらい、 政府に求めるべき」 と迫った阿部議員は、 「今こそ財政危機打開の旗を掲げ、 国に求めるべきは求める。 (5月議会で質問した) 4会派も、 国に求めることで一致している。 議会と知事が一緒になって地方財政締め付けの是正を求める。 その先頭に立つ覚悟はあるか」 と問いました。
 橋下知事は、 「府議会の協力を得られるなら、 議会と私で、 大阪一致団結して、 国に対して訴えていきたい」 と答えました。

巨大開発  今も続く無駄を改めよ

 大阪府の起債残高は、 91年当時は1兆3416億円。 それが07年度末には4兆9930億円と、 16年間で3・7倍に急増しました。
 阿部議員は、 「起債の主な原因は90年代の数次にわたる国の景気対策による公共事業・大型プロジェクト。 大阪の繁栄どころか、 巨額の借金をもたらしたのは、 天下周知だ」 と指摘。 今も続く大型開発の無駄遣いの例 (注)を示し、 直ちに中止すべきと主張しました。
 さらに阿部議員は、 府が財政再生団体に転落する見通しは、 府当局の財政資料にもないことを示し、 「何をもって破産会社と言うのか。 根拠のない表現は止めるべき」 と主張。 府財政の現状を分かりやすく正確に情報公開し、 パブリックコメントも含め府民や市町村の意見に耳を傾け、 財政再建策を再検討するよう求めました。
 橋下知事は、 箕面森町などは 「現在点検作業中で、 6月上旬には府としての案を取りまとめる」 とし、 関空連絡橋の買い取りは、 「通行料金引き下げで関空の利便性向上、 国際競争力向上を目指すもの」 と答えるにとどまり、福祉、教育予算削減を強行する姿勢との違いをあらわにしました。

感覚にズレ

 阿部議員は、 大型開発について、 「必要性・採算性・環境保護の観点からきっぱり中止することで、 次世代に新たな借金を残さず、 貴重な緑と自然を残せる」 と重ねて要求。 橋下知事が16日に開く会費1万円の 「政談パーティー」 について、 「府民に痛みと我慢を迫りながら、 理解が得られると思うか。 府民感覚と大きくかけ離れている」 と指摘しました。

【注:ここをただせ大型開発無駄遣い】
箕面森町 (水と緑の健康都市) 第3区域はオオタカの棲む豊かな森。 開発に192億円を支出して得られる収入は34億円。 差し引き158億円の税金投入を予定する計画は廃止を。
利水は不要、 治水対策は的外れの安威川ダム (茨木市)。 未着工の本体工事は 「09年度着工見送り」(PT試案) ではなく、 廃止すれば390億円の無駄遣いを回避できる。
水余りの時代に、 安威川と紀ノ川の新浄水場 (計73億円) は不要。
本四架橋に毎年8億4千万円の出資、 関空連絡橋の買い取りの府負担65億円など、 予定外の負担は国に断るべき。

投稿者 jcposaka : 2008年06月01日

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