橋下行革 開発続け府民に痛み 世論と運動で一部見直しも
橋下徹知事が5日、 「財政再建」 「重要政策」 「府庁改革」 の3つからなる 「大阪維新プログラム案 (維新案)」 を発表しました。 35人学級の存続など府民世論を受けて一部見直して継続した施策もあるものの、 「08年度1100億円の歳出削減」 は譲らず、 教育・福祉など一般施策で245億円を削減。 一方で、 国の地方財政締め付けとともに府財政危機の原因になってきた無駄な大型開発は推進することを、 橋下知事は 「最終の政治判断」 ではっきりと示しました。 (2、 3面で橋下 「行革」 特集)
地方自治体の役割投げ捨て
「財政再建プログラム試案 (PT試案)」 (4月) の発表以来、 教育や福祉、 安全、 文化の切り捨てに反対する府民の運動が、 短期間にかつてない規模で広がりました。 236もの団体が知事に要望。 35人学級と学校警備員の存続を求める105万人分の署名を提出した大阪府PTA協議会はじめ、 署名は200万人を超えています。
橋下知事の 「最終の政治判断」 が注目される中、 35人学級や一部の障害者施策 (障害者作業所やグループホームなど)、 救命救急センター、 警察官の単独定数などは継続に。 しかし、 私学助成は大幅削減。 福祉医療費助成制度は、 自己負担や所得制限の見直しを基本に、 市町村と調整して09年度から改悪を狙うなど、 「府の役割の最適化」 などの名で、 住民福祉の増進という自治体本来の役割を投げ捨てる方向が貫かれています。
公の施設では、 弥生文化博物館や体育会館、 臨海スポーツセンターは当面 「存続」 とされましたが、 09年度以降に再検討。 国際児童文学館は廃止し、 移転、 上方演芸資料館 (ワッハ上方) は移転・縮小を進めようとしています。
無駄遣いにはメス入れず
「維新」 案を発表した記者会見で、 「歳出削減をすることで、 何か夢のような生活が待っているものではありません」 と繰り返した橋下知事。 府民に 「少しずつの我慢」 を求めると同時に、 「6月をめどに示す」 としていた大型開発事業は、 一部着工を延期しただけで、 基本的に継続することをはっきり打ち出しました。
「箕面森町 (水と緑の健康都市)」 は、 造成した宅地を完売しても750億円の税金を投入する無駄な開発の典型。 未着工で豊かな緑が残る第3区域は、 新名神高速道路の事業主体である西日本高速道路鰍ェ粗造成を実施し、 12年度末に工事実施を判断します。
安威川ダムは09年度の着工を見送るとしていますが、 「ダムとしての事業継続は妥当」 と明記するなど、 無駄なダム建設に固執。 新名神高速道路の関連府道整備 (計471億円) は、 「必要不可欠の事業を実施」 としています。
7月臨時議会へ府民共同を
橋下知事は 「維新案」 を具体化した本格予算案を編成し、 7月1日に開会する臨時府議会に提案します。
日本共産党府議団の阿部誠行幹事長は5日、 談話 「府民に痛みを強いる橋下 『行革』 は府民参加で抜本見直しを」 を発表 (3面に全文)。 府民の命と暮らし、 教育、 営業、 文化・スポーツを守るために、 臨時府議会に向けて府民の運動と連携して全力を挙げるとしています。
投稿者 jcposaka : 2008年06月13日