関西州に道路は必要 橋下知事需要なくてもつくる
「需要があるから道路の必要性を判断するのではない」 7月臨時府議会で、 橋下徹知事がこんな見解を表明しています。 関西財界が全線の早期整備を求める新名神高速道路について、 これまでも推進の立場を表明していた橋下知事。 府民施策は切り捨てる一方で、 道州制を前提に、 見通しのない大型開発は聖域にするという橋下府政の姿が、 いっそう浮き彫りになっています。
17日の府議会住宅水道常任委員会で、 日本共産党の堀田文一議員が、 箕面森町 (水と緑の健康都市) 開発について質問しました。
箕面森町のうち、 未着工で森林のまま残っている第3区域。 「大阪維新プログラム案 (維新案)」 では、 新名神高速道路の工事残土200万立方bを受け入れ、 新名神の事業主体である西日本高速道路 (株) が粗造成を行った後、 12年度末に基盤整備工事の実施について判断するとしています。
堀田議員が 「中止の判断を先送りしたものではないか」 と指摘。 残土搬入は、 10dダンプで1回5立方b運ぶと40万台分になることを示し、 「広大な森林が破壊されることに問題を感じないか」 と迫りました。
橋下知事は、 「関西州の経済圏において新名神は必要。 あそこ (第3区域) で残土を受け入れるのが最適」 と答弁。 「粗造成が済んだ時点で開発中止を決めたとしたら、 残土で埋め立てられた土地はどうなるのか」 という堀田議員の問いにも、 「適切な対処へ西日本高速道路と協議する」 と答えるにとどまりました。
橋下知事は、 「大阪府だけでは都市間競争を乗り切れない。 広く関西州の地図を見ると、 基幹道路は重要。 関西の発展と産業政策に生かす。 これ (新名神) がなければ、 次の一手を打てない」 とのべ、 需要や合理性を基に高速道路の必要性を検討するのではなく、 「道路をどう使うかが、 行政の腕の見せ所」 などと主張しました。
堀田議員は高速自動車国道の平均交通量(05年)は99年と比べ91・6%に低下していることを示し、 「需要もないのに高速道路だけをどんどん造っていくという道に、 知事は進もうとしている」 と厳しく指摘しました。
新名神高速道路
愛知県から三重、 滋賀、 京都、 大阪の各府県を経由し、 兵庫県を結ぶ全長174キロの高速自動車国道。 ことし2月、 亀山ジャンクションから草津インターチェンジ間が開通し、 城陽―八幡間は16年度に、 高槻―神戸間は18年度に開通予定。 大阪府域では関連府道 (高槻、 茨木、 箕面の3カ所のアクセス道路) に今後、 総額471億円を計画しています。
全線のうち大津―城陽間25キロと、 八幡―高槻間10キロは道路公団民営化の中で03年2月に、 「抜本的見直し区間 (当面着工しない区間)」 に指定されています。
関西財界は 「関西の国際物流基幹ネットワーク」 の形成へ、 「抜本見直し区間」 の早期整備を含め、 全線整備を強く要望しています。 橋下知事は新名神高速道路建設促進協議会の会長として、 「(未着工部区間) 整備推進について国へ働きかけを行う」 (関西経済同友会への回答) としています。
投稿者 jcposaka : 2008年07月25日