平松市政誕生から8カ月 市民いじめ許さず運動さらに 大阪市をよくする会が学習会
大阪市の平松邦夫市長が就任してからの8カ月間を検証し、 市民要求の実現を目指す運動を強めようと、 大阪市をよくする会 (よくする会) は7日夜、 大阪市北区のいきいきエイジングセンターで学習会を開き、 約80人が参加しました。
一定の前進と関市政の継承
よくする会の喜多裕明事務局長が報告。 平松市長が昨年の市長選で、 中学校給食の導入、 子どもの医療費助成の義務教育終了時までへの引き上げ、 国保料減免制度の拡充などを掲げたことについて、 「私たちの要求運動の正しさを証明し、 実現への展望を示すものとなった」 と述べました。
喜多氏は、 08年度予算で、 子どもの医療費助成 (入院) の小学校卒業までへの拡充など、 市民要求が実現する一方、 平松市長は関前市政の 「市政改革マニフェスト」 を 「基本的に継承する」 としている中で、 「平松市長が市民いじめの改革から本当に決別できるかどうかは、 私たちが市民とともに要求実現運動に取り組む中で明らかになっていく」 と強調。 同市長が選挙で 「部落解放同盟 (解同)」 の推薦を受け、 08年度予算でも90億円近い同和予算を組んでいることを示しました。 さらに喜多氏は、 橋下府政の 「大阪維新プログラム案」 の真の狙いが、 財界要求に応えた府政解体と 「関西州」 構想にあると指摘。 大阪市が橋下 「改革」 に便乗して施策の廃止・削減を行わないよう監視を強めることなどを訴えました。 無駄やめて真の財政再建を平松市政が現在の 「市政改革マニフェスト」 に上乗せして11年度以降、 年平均170億円の 「収支不足対策」 を目標にしている中、 喜多氏は、 真の財政再建策を求め、 大型開発と同和行政の無駄遣いをやめさせるなど、 よくする会の政策を発展させ、 市民に知らせていこうと呼び掛け。 当面の課題として、 @旧芦原病院問題の真相解明へ検察審査会で再度の 「起訴相当」 の議決を得る取り組み、 A中学校給食の実現、 B国保証取り上げを許さず、 国保料負担の軽減を求める運動 を提起しました。
旧芦原病院問題
「起訴相当」の再議決を
真相解明へ検察審査会で
告発弁護団が報告
学習会では、 旧芦原病院問題の真相と責任の解明へ、 検察審査会で再度 「起訴相当」 の議決を求める取り組みについて、 芦原病院問題告発弁護団の石松武雄弁護士が報告しました。
大阪市は、 05年に経営破たんした 「解同」 系の旧芦原病院へ、 38年間にわたって貸付金・補助金を計約320億円をつぎ込みました。 市当局は 「同和地域における医療の確保が目的」 とするものの、 貸付金は1円の返済もなし。 定価の3倍で医療機器を購入するなど補助金支出をめぐる異常な実態も、 大阪市会での日本共産党の追及で明るみに。 大阪市の乱脈不公正な同和行政の典型です。
これに対し姫野浄元日本共産党市議、 おおさか市民ネットワークの藤永延代代表が06年5月、 大阪市に損害を与えたとして、 当時の関淳一市長や磯村隆文元市長らを背任罪で刑事告発。 大阪地方検察庁は同年12月、 関市長らの事情聴取も行わないまま、 「嫌疑不十分」 として不起訴処分としました。
告発人の姫野、 藤永両氏は07年4月、 大阪第2検察審査会 (注) に申し立て、 同年10月に同審査会は 「起訴相当」 とする画期的な議決を行いました。 議決では、 大阪地検の不起訴処分に対し、 関市長らの 「供述が得られておらず、 事実関係が把握できていない」 と批判。 旧芦原病院への巨額の助成についても 「血税を納める者として理解できない」 「大阪市の財産に損害を与えたことは事実」 と断じました。
ところが検察側は、 「起訴相当議決」 を受けて再捜査したとしながら、 関市長は、 死去した磯村元市長の路線を踏襲しただけで責任はないなどとして、 再び不起訴に。 姫野、 藤永両氏は、 検察審査会の権限が強化される来年5月に向けて、 検察審査会に 「起訴相当」 の再議決を求めて申し立てをすることにしています。
石松弁護士は、 旧芦原病院問題や告発の経過などを詳しく振り返りながら、 取り組みへの支援を訴え。 弁護団の伊賀興一弁護士は、 「起訴相当」 の再議決を勝ち取る意義について、 「市民の税金を湯水のごとく支出した責任を取らせるだけでなく、 市民に心と顔を向けた大阪市にするための大掃除」 と力説しました。
検察審査会 犯罪の被害者や犯罪を告訴・告発した申し立てなどを基に、 検察官の不起訴処分のよしあしを審査する組織。 大阪府内には第1、 第2、 堺、 岸和田の4カ所があり、 各審査会の審査員 (11人、 任期6カ月) は有権者名簿から無作為に選ばれます。 審査 (非公開) の結果、 「不起訴不当」 (更に詳しく捜査すべき)、 「起訴相当」 (起訴すべき) との議決があった場合は、 検察官は再捜査しなければなりません。 09年5月から権限が強化され、 審査会が 「起訴相当」 議決を二度行った場合は、 刑事裁判が開かれることになります。
投稿者 jcposaka : 2008年08月21日