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杉山貴士編 聞きたい知りたい性的マイノリティ つながりあえる社会のために 誰もが自分らしく生きる 宮本 たけし

2008年08月29日

 本書は同性愛やトランスセクシャルなど 「性的マイノリティ」 とよばれる人たちの人権を保障し、 すべての人が自分らしく生きることのできる社会をめざすことについて、 日本共産党と民主勢力に関わる人たちのみによって編まれた最初の出版物です。 この本が生まれる発端となったのは、 昨年4月、 参議院選挙を前にして、 私と編者の杉山貴士さんが 「大阪民主新報」 紙上で行った対談でした。

私は参議院議員在職中に2003年に国会で成立した 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」 の制定過程に当事者のみなさんとともに関わりました。 それに注目された杉山さんが連絡を下さって、 対談させていただくことになったのです。  この対談が 「大阪民主新報」 に掲載されて、 私たちはその反響の大きさに正直いって驚きました。 日本共産党や労働組合、 民主団体の中で、 私たちの周りに、 ごく普通に性的マイノリティといわれる人たちがいるのだということを私たち自身も再認識することになったからです。 これまで、 当事者たちは運動の中でもなかなかオープンにはできず、 いわば 「私的なこと」 として処理するしかなかったのです。 それをきちんと民主主義と人権の課題として取り上げることは、 「社会的経済的諸条件の変化に対応する人権の充実をはかる」 ことを綱領に明記する日本共産党にとっても当然のことだと思われました。  今回の書物には、 このときの対談を大幅に加筆したかたちで再録するとともに、 私も 「対談を終えて」 を書き下ろし、 あらためてエンゲルスの 「家族・私有財産・国会の起源」 など、 科学的社会主義の古典にまでさかのぼって、 この課題の位置づけの解明につとめました。 また、 空虚でステレオタイプな 「男らしさ、 女らしさ」 に固執する 「靖国派」 イデオロギーとのたたかいや、 「ジェンダー・バックラッシュ (揺り戻し)」 とたたかう女性運動との連帯、 当事者と非当事者を対立的にとらえる 「解同」 的な運動論への批判的論点も明確にしています。  執筆に参加したのは、 私をはじめ、 医師で衆議院比例東京ブロックの予定候補である谷川智行さん、 党中央文教委員会の加茂京子さん、 「しんぶん赤旗」 記者の舘野裕子さんなど。 他にも教育現場からの報告や弁護士さんも書いておられます。 さらに、 この本の魅力は日本共産党員の大橋明日香さんが日本共産党の支部会議でカミングアウトした体験談を載せて下さっていること。 カミングアウトされた立場の支部長さんの手記も掲載されていて、 戸惑いとそれを乗り越えていった過程もよくわかります。  いずれにせよ、 日本共産党はこの課題でも、 もっとも先進的な立場を持つ党です。 昨年の参議院選挙では日本の政党で最も具体的に、 性的マイノリティの人権保障を政策に掲げました。 日本共産党や労働組合、 民主的運動に関わるみなさん、 また生活相談にとりくまれている地方議員のみなさんが、 ぜひこの機会に本書を手にとって一読して下さることを願ってやみません。 (日本共産党元参議院議員、 大阪府委員会副委員長)

投稿者 jcposaka : 2008年08月29日

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