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府営住宅 橋下知事は減免縮小するな 安心して住める住居に 大生連 11日に大阪府と交渉

2008年09月11日

 来年度から府営住宅の家賃値上げ・応募制限が予定されている問題で、 全大阪生活と健康を守る会連合会 (大生連) は11日、 ▽家賃減免制度の改悪をしないこと▽地位承継 (居住権の引き継ぎ) の制限はしないことなどを求める 「大阪府住宅交渉」 を府と行います。

 昨年12月の公営住宅法施行令 「改正」 により、 入居者の収入により区分される家賃基礎額と、 居室面積から算出係数が改悪され、 来年度から府営住宅入居者のうち、 約2割の家賃が値上がり、 入居申し込み可能な収入の上限も引き下げられました。

年金は減り家賃値上げ

 堺市の府営八田荘住宅に住む伝野ハルエさん (84) は足が不自由で、 夫の重一さん (84) が日常の生活を支えています。
 2人は長女を幼いころ、 心臓の病気で亡くしました。 当時は保険制度も整備されておらず、 長女の医療費を支払うために家財道具を質に入れ、 病院にも多額の借金が残りました。 夫婦で懸命に働き、 何とか返し終わり、 いまは年金で生活しています。
 年金からは介護保険料や医療保険が天引きされ、 2人が1カ月に使える金額は年々減り、 現在は約15万円ほど。 週3回通院するハルエさんの医療費もかさみます。 住宅の家賃は2万7800円。 来年度の値上げで3万を超える見込みです。
  「いまでもぎりぎりの生活。 橋下知事は開発事業をやめて、 府民の暮らしを守ってほしい」 と2人は言います。

仕事も住居も不安定に

  「私が死んだら、 息子は住む家が無くなる」 と話すのは谷口陽子さん (69、 仮名)。 10年前に夫が亡くなり、 堺市北区にある府営金岡東第3住宅で、 長男の信雄さん (38、 仮名) と暮らしています。
 大阪市住之江区の倉庫で働いている信雄さんは、 ことし5月、 派遣社員から契約社員になりましたが、 月の手取りは20万円に届かないときもあります。 雇用契約は半年ごとに更新され、 将来が見通せません。
 府営住宅の地位承継の範囲は、 設置者である府が決めることができます。 これまで6親等まで引き継ぐことができましたが、 今年度からは配偶者や高齢者、 障害者、 母子家庭、 生活保護に限定されました。
 母子家庭は、 子どもが未成年の場合に限られるため、 谷口さん親子は対象外になりました。 「仕事も不安定なのに。 住まいだけは安心させてほしい」 と陽子さんは話します。

建設でなく追い出しで

 府営住宅の応募倍率は11・2倍 (06年度)。 低家賃で安心して住める公営住宅を求める人は増えています。 需要の増加に対し国は、 増築するのではなく、 いまいる入居者を追い出し、 応募可能は所得を制限することで対応しようとしています。
 府は、 低所得者向けの独自の家賃減免制度を、 橋下徹知事が来年度に縮小するとしています。 府議会では公明党が地位承継の範囲を狭めるよう要求したのに対し、 日本共産党は 「パブリッックコメントでも府民意見の大多数が反対している。 居住者が安心して住めるようにすべき」 と求めてきました。
 大生連は、 「府は、 国の悪政から府民の暮らしを守るべき」 と求め、 住宅交渉への多数の参加を呼び掛けています。

投稿者 jcposaka : 2008年09月11日

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