>>>ひとつ前のページへトップページへ

後期高齢者医療制度 差別医療やめろ 医師会など各地で集会

2008年09月18日

堺・泉州で

  「後期高齢者医療制度の問題点を考えるシンポジウム」 が11日、 堺市民会館で開かれ、 約1300人が参加しました。 堺市の三師会 (医師会、 歯科医師会、 薬剤師会) が主催し、 泉大津市、 泉佐野泉南、 和泉市、 大阪狭山、 柏原市、 河内長野市、 高石市、 富田林市、 羽曳野市、 藤井寺市、 松原市の各医師会が共催。 堺市女性団体協議会と堺市老人クラブ連合会、 特定非営利活動法人堺障害者団体連合会が協賛しました。
 主催者あいさつに立った樋上忍堺市医師会長は、 同制度が医療に差別を持ち込み、 「 (病気リスクの高い高齢者と若者が助け合う) 互助の精神、 保険原則から外れる」 と指摘しました。
 前日本医師会長の植松治雄さんが基調講演 (別項) を行い、 堺市老人クラブ連合会会長の木原正雄さんや堺市女性団体協議会委員長の山口典子さん、 泉佐野泉南医師会副会長の久禮文雄さんらがそれぞれの立場から発言。 前日本医師会常任理事の伯井俊明さんは 「(制度は) 国の経済政策の失敗を、 医療費に転嫁するもの」 と指摘し、 「高齢者がいじめられる社会では、 若者も希望が持てない。 選挙で制度を廃止に追い込み、 医療費抑制政策を撤回させよう」 と訴えました。
 参加した女性 (76) =堺市堺区=は、 「この制度の問題点がはっきり分かり、 このままではいけないと思った。 年金は下がり、 取られるお金は増える一方。 国の政策にかかわる人は、 私たちに事実を知らせてほしい」 と話していました。

西淀川で

 大阪市西淀川区で、 後期高齢者医療制度廃止などを求める区民集会が行われ、 231人が参加。 後期高齢者医療制度の廃止、 社会保障費の年2200億円の削減の撤廃を求める決議を上げました。 区の三師会や老人クラブ連合会、 社会保障推進協議会 (社保協) などの共催で行われたもの。
 高岡均医師会長は、 「医療崩壊」 に対し福田内閣が示した 「5つの安心プラン」 では、 毎年2200億円の社会保障費削減について撤廃していないことを指摘。 解散総選挙の近いとされるこの時期に 「われわれの意見を表明することは大変意義のあること」 と述べました。
 来賓としてあいさつした大阪府医師会副会長の難波俊司さんは、 「国は、 80年代から医療費抑制政策をし続けている」 と指摘。 また、 「救急医療では日本一」 と言われた大阪での、 患者たらい回し事件の多発や、 介護職員の過重労働と低賃金の問題、 診療報酬の8年連続マイナス改訂などを批判し、 「 『小さな政府』、 『官から民へ』 という考え方を、 いまこそ転換すべき」 と訴えました。
 同区社保協はこの間、 区医師会に対し後期医療廃止を求める署名運動への協力と、 区民集会の開催を要請していました。 医師会側は7月22日の理事会で、 署名への協力を決定し、 会員医療機関へ働き掛けています。


医療守るため声上げ目を見開いて投票を
植松前日医会長が基調講演

 後期高齢者医療制度の即時廃止などを求め堺市医師会・歯科医師会・薬剤師会が主催したシンポジウムで、 前日本医師会長の植松治雄氏が基調講演しました。
 植松氏は、 「後期高齢者医療制度の問題を考えることで、 良い医療制度を守るために声を発していただきたい」 と呼び掛けました。
 講演の中で植松氏は、 33兆円と言われる医療費も税金から支出されているのはその4分の1程度の約8兆円余りであると紹介し、 5兆円の防衛予算と比較しても 「決して高くない」 と述べました。 さらに、 日本は世界最高水準の医療を行いながら、 先進国と比べて国民一人当たりの医療費が低いことも紹介しました。
 また、 救急や産科、 小児科を中心とした医療崩壊の原因が、 国が医療費抑制政策を続けていることにあることも指摘。 後期高齢者医療制度は、 国が常に行ってきた医療費抑制政策の一環であるとし、 「日本の医療制度は、 皆が助け合うものだった。 病気にかかるリスクが高い高齢者だけを対象にした保険は成り立ち得ない」 と強調しました。
  「われわれは反省しなければならない」。 植松氏は、 06年6月の強行採決に至る、 約8年前からの高齢者医療費抑制の議論の経過を説明し、 「もっと早い時期に止めなければならなかった」 と述べました。 また解散総選挙が近いことに触れ、 「この制度の問題点は、 高齢者医療にとどまらず日本の医療制度の根幹にかかわるもの。 どの政党が医療問題をしっかり考えているか、 目を見開いて投票を」 と訴えました。 シンポジウムのまとめ発言では、 「われわれは 『こんな制度ではいけない』 と、 国民の権利として発言していかなければいけない」 と話しました。

投稿者 jcposaka : 2008年09月18日

トップページへ ひとつ前のページへ ページ最上部へ
ご意見・ご要望はこちらから