解散・総選挙 日本共産党が伸びてこそ 道理にあった共産党の「農業再生プラン」 農民組合大阪府連合会副会長 原 弘行さん
作れば作るほど赤字になる
2008年産米の単価は1等品質の玄米60`cで1万4600円 (大阪北部農協)。 米の生産費は60`c当たり1万6413円 (07年・全国平均) と言われ、 すでに生産コストを下回り、 作れば作るほど赤字になる状況です。 農水省の調べでは、 稲作農家の時給は昨年の256円から179円とサラリーマンの最低賃金の4分の1に落ち込みました。
汚染米問題は、 「食の安全」 への不安が、 主食である米にまで及んだ深刻な社会問題です。 欠陥品と分かっていながら流通に回した農水省の責任は極めて重大であり、 日本人の主食である米はいま、 生産、 流通、 消費に至るまで放置できない課題を抱えています。
問題の根源は自給率の低下
問題の根源をたどれば食料自給率が40%にまで落ち込み、 私たちの食料の6割が外国頼みという大問題にぶつかります。
コメ輸入自由化の流れは、 もともと自民党がつくったものですが、 決定的局面は1993年のガット・ウルグアイラウンドの合意。 3度にわたる国会の反対決議を無視して同年12月、 細川護煕首相が、 合意「受け入れ」を表明し、 後のWTO協定につながるコメ輸入に踏み出しました。 そして 「輸入機会の提供」 に過ぎないミニマムアクセス(MA)米を、勝手な解釈で 「輸入義務」 があると閣議決定したのが新生党 (民主党の前身) と公明党の羽田内閣。 再び自民党が与党となった94年の自社さ・村山政権は、 国民の反対を押し切りWTO協定批准を強行、 食糧管理法を廃止しました。
汚染米問題の決定的局面は、 小泉政権の04年、 食糧法改悪で、 米流通まで原則自由化し、 政府の監督責任を完全に放棄したことです。 出店を規制していた米販売は許可制から届け出制と後退、 さらに年20d以内は届け出義務さえなく、 ガソリンスタンドでも米が売られるような流通規制緩和が強行されました。
農産物の輸入全面自由化で価格暴落のきっかけとなったWTO協定や、 汚染米流通の原因になったMA米の輸入も、 自民党、 公明党、 今の民主党の前身だった政党や社民党の合作です。 これらの重大場面で、 唯一悪政に反対を貫いたのは日本共産党だけでした。
価格保障と所得補償合わせ
政府は食料自給率を50%に向上させると言いますが、 それなら国内生産の実態に合わない大規模農家だけを担い手とし、 株式会社化や助成削減を進めてきた農業政策を根本から見直す必要があります。
日本共産党の 『農業再生プラン』 は、 輸入規制と価格保障、 所得補償を明記しています。 自給率向上のため輸入規制を前提に、 農産物の価格保障と環境面を考慮した所得補償を組み合わせたことで、 農家の意欲を引き出し、 担い手の育成を図る、 道理にあった政策です。
民主党は、 輸入は自由化したまま個別に所得補償すると言いますが、 これでは輸入は増える一方で、 自給率向上は期待できません。
日本共産党の主張する 「食料主権」 に基づく農業政策の実現こそ、 世界的食糧難の時代に安心して暮らせる社会と環境づくりのために求められていると思います。
投稿者 jcposaka : 2008年10月16日