>>>ひとつ前のページへトップページへ

知事また暴言 「勉強は学校がなくてもできる」高校生との面談で

2008年10月31日

 橋下徹知事は、 知事選で 「子どもが笑う大阪」 を掲げ、 マニフェストでも 「明るく豊かな学校生活が送れる大阪に」 と公約していました。 ところが、 「大阪の高校生に笑顔をくださいの会」 (大川育美代表) との意見交換の席で、 何を語ったか。 いじめや不登校などで苦しんだ体験を持ち、 親に負担をかけるのは申し訳ないと思いながら私学に通っている高校生たちに、 「なぜ公立に行かなかったのか」 「勉強は学校がなくてもできる」 「義務教育は中学まで」 などと発言。 涙を流しながら、 「私たちの声を大阪の未来につなげて」 「みんな平等に学ぶ権利がある」 と必死で訴えた高校生たちの姿と対照的に、 問われているのは橋下知事の姿勢です。 (関連記事3、 8面)
 10月23日夕、 府庁内の特別会議室で行われた意見交換。 高校生の参加は12人に限られ、 入りきれなかった生徒や父母、 教職員は外で待機していました。
  「中学時代に不登校で、 父親がリストラされて大変だが、 私学に行かなければならなかった」 「公立に落ちて私学に通っているが家は大変。 バイトで勉強できない友人もいる」 と苦しみや願いを打ち明けながら、 「私学助成を削減しないで」 「府立高校つぶしはやめて」 「非常勤補助職員の先生たちの職を奪わないで」 と発言しました。

冒頭に反論宣言

  「(高校生が) 政治的主張をする以上は、 僕も意見を言い、 反論する」 と冒頭に宣言していた橋下知事。 「家庭環境は全部違う」 などと言い、 中学の進路指導で 「私学にしか行けない」 と言われた生徒に、 「なぜ公立に行かなかったのか」 と質問。 いじめで勉強に手がつかなかったと語る生徒に 「(遅れを取り戻すために) 何時間くらい勉強したのか」 などと、 しつこく聞く。

高校生らも主張

 教育についての持論を展開した橋下知事は、 「読み書き、 計算以上の化学式や歴史は、 僕は何も覚えていない」 「義務教育までが、 みんなを平等に扱う最後の年限」 「日本は自己責任がまず原則」 などと繰り返しました。
 高校生たちは、 「勉強はもちろんだが、 一人一人の個性を生かした教育をするのが本当の学校」 「財政を切り詰め、 我慢を強いられることで人間らしい生活ができなくなる人たちを見捨てるのですか」 ときっぱり主張しました。

運動の広がりで

 意見交換は当初20分間の予定でしたが、 約1時間半の話し合いに。 「思いは伝えきれていません」 と言う高校生たちに、 橋下知事は 「続きはやりましょう。 納得するまで」 と約束しました。
  「大阪の高校生に笑顔をくださいの会」 は、 橋下府政が私学助成削減はじめ教育切り捨てを打ち出したことに対して、 ことし4月に結成されました。 橋下知事へのメッセージカードは2千枚以上集まるなど高校生たちの運動は大きく広がり、 7月臨時府議会で橋下知事は、 議会が終われば高校生の代表と直接会うと答弁していました。

発言に抗議
各団体が要望書・談話で
「高校教育否定か」

 新日本婦人の会大阪府本部は10月24日、 知事あての要望書を提出しました。 「高校生の声に誠実にこたえず、 全く無責任。 知事としての資格が問われる」 と抗議、 「教育を受ける権利を奪う発言だ」 として、 発言の撤回を求めています。
 大阪私学教職員組合幼小中高校専門学校部の岩井繁和書記長は10月27日に発表した談話で、 教育と学校に対する知事の発言と考え方は、 後期中等教育そのものを否定するもので、 看過できないと強調しています。

投稿者 jcposaka : 2008年10月31日

トップページへ ひとつ前のページへ ページ最上部へ
ご意見・ご要望はこちらから