府立高校授業料 減免改悪で未納急増 「未納で退学」3倍に 負担軽減・制度改善を 小松府議が要求 府議会決算委
2008年11月21日
全国一高い授業料にエアコン使用料の徴収、 さらに減免制度の改悪の影響で、 府立高校で授業料の未納生徒数や未納退学者が急増している実態が、 府議会決算委員会での日本共産党の小松久議員の質問で浮き彫りになりました。 府民の暮らしがますます悪化している中、 小松議員は、 減免制度を改悪前に戻すことや、 減免制度の運用を改善することなどを求めました。
府立高校授業料は、 太田房江前知事時代の00年に一気に3万6千円も値上げされ、 全国一高い14万4千円になっています。
現在の公立高校の交付税単価 (11万8800円) よりも2万5200円上回り、 その後エアコン使用料5400円も徴収されています。
06年度からは授業料減免制度も改悪される中、 授業料未納による退学者 (全日制) は04年度208人だったのが、 07年度には616人と約3倍に。 授業料未納生徒数は同じ時期に1521人から3486人と約2・3倍に増えています (グラフ1)。
小松議員は、 「働く人の所得状況が悪くなっている時に、 授業料は突出した全国一の高さ、 減免制度は改悪するというまさに異常事態。 授業料は引き上げてはならないし、 減免制度は05年依以前復元すべき」 と求めました。
これに対し府教委は、 「教育環境の充実のため、 受益と負担の観点から適正な負担を求めたもの。 減免制度は公平公正な立場からの見直し」 などの答弁に終始しました。
また小松議員は、 授業料減免制度の問題点を指摘。 授業料は3カ月分ごとに4期に分けて納入し、 第1期分 (4〜6月) の減免申請期限は6月30日ですが、 第2期分 (7〜9月) は申請ができません。 次の申請期限は10月10日で、 第3期分 (10月〜12月) 以降にしか減免の適用が受けられません。
小松議員は、 「天災や急速な減収などの事態に対応できず、 不合理。 来年度から改善すべきだ」 と要求しました。
府は 「減免制度は申請主義。 あくまで期当初の状況で判断している。 変更は適切でない」 との考えを示しました。
さらに小松議員は、 府立高校の中途退学者率について、 府が 「教育改革プログラム」 を打ち出した99年度は2・5%だったのが、 06年度に2・8%と0・3%増加している一方、 全国は2・0%から1・6%へと0・4%減少していること (グラフ2) を示し、 「高校統廃合とセットで進められた 『特色づくり』 が府立高校に否定的な状況を生み出した主要な要因の一つではないか」 とただしました。
府教委は 「『特色づくり』 は進路選択の幅を拡大し、 高校活性化と教育力向上のため。 中退や不登校の課題解決を支援したい」 などと答弁。 小松議員は 「『教育改革プログラム』 の10年は、 他方で困難校加配を減らしてきた。 正確な分析と検証を踏まえた教育条件改善を抜きにしたいっそうの 『特色づくり』 推進を軸とした高校改革は、 力を持ち得ない」 と主張しました。
投稿者 jcposaka : 2008年11月21日