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日本共産党新入党物語 希望との出会い @正社員になれない 労働者「物」扱い 企業に不満 迫害に頭下げない生き方に共感

2009年02月20日

  「志位さんはオバマ大統領みたい」。 日本共産党創立86周年記念講演を収めたDVDを見た松山隆次さん (32、 仮名) =大阪市福島区在住=の感想です。 テレビで見る政治家と違い、 自分の言葉で希望ある未来を語る共産党委員長の姿は新鮮でした。
 DVDは家に持ち帰り、 繰り返し見ました。 講演で志位委員長は、 故宮本顕治元議長の言葉を紹介していました。
  「(生きることへの不当な) 迫害に対して頭を下げない。 下げないということ、 このたたかい方、 これはある意味では、 もっとも気高い人間性の発揮の一つであります」。 作家の小林多喜二に触れたその言葉に、 松山さんは自分の姿を重ねました。

正社員目指す

 松山さんは、 吹田市内にある大阪ガスの子会社に勤めていました。 各家庭を訪問し、 ガスメーターの検針・集金を行う仕事。 人材派遣会社から紹介されたものでした。 「頑張れば正社員になれる」 と信じて働きましたが、 2年後に契約満了となり、 失業しました。 派遣会社から次に紹介された仕事は販売促進業務。 近畿全域の家電量販店を回り、 ガス機器売り場を管理しました。
 1年間の契約社員。 「正社員になるには上司からも後輩からも認められなければ」 という思いで働き、 昨年2月の契約更新で給与月額1万2千円アップの提示を受けました。 「自分の仕事が認められた」。 しかし1カ月後の本契約の際、 見せられた数字を見て目を疑いました。 提示された額より4千500円少なかったのです。

揺らいだ信頼

  「間違いではない」。 会社は冷たく言い放ちました。 額よりも会社への信頼が揺らぎました。 「説明してほしい」 と詰め寄る松山さんに、 会社は 「このことは口外するな」 と圧力を掛けました。
  「同僚は応援してくれたし、 会社も譲歩してくれると思っていた。 でも甘かった」
 契約更新から5カ月後、 松山さんは退職し、 3度目の職探し。 その矢先、 9月15日、 アメリカの大手証券会社=リーマンブラザーズが経営破たんします。

不況下の職探し

 リーマンショック。 新聞は 「100年に1度の大不況」 「派遣切り」 を連日報じます。 この間、 松山さんが受けた面接は30社以上に上りました。
 一番働きたかったのは食品卸しの仕事でした。 松山さんの出身地は、 日本有数の米軍基地がある山口県岩国市。 「基地にしか税金が使われていない」 という住民感情は、 地方を切り捨ててきた政治への怒りでもありました。
  「地方で採れた食材を都会の人に食べてもらう。 そこから何か変わるかもしれない」。 そう考えていた時に出会った食品関連会社。 面接は1カ月間に4度行われました。 「結果は2、 3日後に電話連絡します」 と伝えられたものの、 会社からの連絡はなく、 業を煮やした松山さんが会社に問い合わせると、 「今回は不採用」 の返事。 「この1カ月は何だったのか」 と会社に説明を求め、 ハローワークにも相談しましたが、 まともに話も聞いてもらえませんでした。
 人間を物のように扱う企業への不満から暗い気持ちで迎えた年明け、 知人から 「共産党に相談してみろ」 と言われ、 地元の清水ただし市会議員の事務所を訪ねました。

間違ってない

 清水市議は、 会社との交渉についてアドバイスし、 人間を使い捨てにする社会は政治に原因があると話しました。 そして日本共産党創立86周年記念講演を収めたDVDを渡し、 入党を勧めました。
 DVDの中で、 不当なものに対してたたかう大切さを語る志位委員長の話に、 自分の感じてきたこと、 やってきたことが間違っていなかったと確信。 1月26日、 入党しました。
 松山さんは言います。
  「共産党に相談して、 会社とのトラブルが解決したわけじゃない。 ただ話をしてすごく納得できて、 自分ももう一歩進もうと思ったんです」


 うずまく雇用不安やワーキングプア (働く貧困層)、 「医療崩壊」、 「介護難民」 など、 政治が生みだした諸問題の中で、 日本共産党に入党する人がいま、 相次いでいます。 この連載では、 その人たちが党と出会うまでの道のりを追います。

投稿者 jcposaka : 2009年02月20日

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