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府立高校の非常勤職員350人雇い止め 知事は撤回の声聞け PTAから要望相次ぐ

2009年03月06日

 大阪府が、 府立高校の教育を長年支えてきた教務事務補助員など非常勤職員約350人を3月末で雇い止めにしようとしている問題で、 「官製非正規切りは許せない」 「橋下知事は教育壊しをやめよ」 の声が広がっています。 来年度予算を審議する2月議会が始まる中、 2月25日には方針撤回を求める請願署名約2万9千人分が議会に提出され、 撤回を求める決起集会やデモが相次いで行われました。 派遣労働者などの大量解雇が社会問題化する中、 本来、 労働者の雇用を促進すべき自治体が、 自ら職員の首切りの旗振り役になるのは許されず、 2月議会で各議員がどういう態度をとるかも問われています。

  「私たちが余裕を持って授業に臨めるのは彼らのおかげ。 学校になくてはならない、 本来なら正規で雇われなければならない人たち。 4月からいなくなったら、 これまでやってきてもらった仕事をいったい誰がするのか、 まったくめどが立っていません。 家庭科の先生は実習も減らさなければならないと言っています。 犠牲になるのは教育を受ける子どもたちです」  こう語るのは、 大阪市内にある府立高校の50代の男性教員。

日常の教育に欠かせない 

 大阪府では、 財政難を理由に正規職員が減らされ、 その不足は、 年収わずか100万円、 夏休みなど長期休業中は解雇される 「学期雇用」 の非常勤職員で補ってきました。 そのうち非常勤補助員は、 理科や家庭科の実験や実習の準備、 後片付け、 指導などを教諭と一緒に行い、 教務事務補助員は、 学校で行われる膨大な量の印刷をはじめとした日常の事務や雑用を行うなど、 府立高校の教育を支えてきました。
 府は、 昨年4月の 「財政再建プログラム試案 (PT試案)」 で制度の廃止を明記。 橋下知事は、 6月に発表した 「大阪維新プログラム案 (維新案)」 でも同じ方針を掲げ、 府内約350人に上る府立高校非常勤職員全員の解雇を打ち出しました。 同月行われた府労組連との団体交渉の席上で知事は、 「 (制度廃止は) 最終判断」 「 (非常勤職員より御堂筋の) イルミネーションが大事」 と発言しました。

PTAも要望署名に奮闘 

 府による350人の一方的首切り計画に対し、 父母も声を上げました。
 これまでに府内40以上の府立高校PTAが、 知事や教育委員会に存続を求める要望書を提出したほか、 12校のPTAが独自署名を集め提出。 先の府立高校でも昨年の7月府議会に向け、 「子どもたちのためなら何でもする」 とわずか2週間で2千人分の署名を集めました。 生徒たちが自ら署名を集める姿もありました。
 橋下知事は、 広がる非常勤職員存続運動に背を向けたまま、 来年度予算案に人件費の計上はしていません。

2月議会への働き掛け強化

 たたかいの舞台が2月議会に移る中、 大阪労連、 大阪教職員組合、 府立高等学校教職員組合、 府立障害児学校教職員組合の4団体が大阪市内で開いた決起集会には200人が参加。 350人 「雇い止め」 に対し、 「長年働いてこられた労働者の働く権利、 生活権を一方的に踏みにじる暴挙」 (川辺和宏大阪労連議長)、 「官製非正規切り、 橋下知事による教育壊しは絶対許せない」 (辻保夫大教組委員長)、 30年以上府立高校の家庭科で実習補助員として働いてきた大菅由美子さんも、 「生徒たちが最大の被害者」 と訴え。
 筆保勝府高教委員長は、 この2月議会がいよいよ最後のたたかいになったとした上で、 2月に行った各会派要請で、 非常勤職員存続を求める府議会請願の趣旨そのものに反対した議員はいなかったと報告。 昨年来の運動の成果を確信にし、 引き続き府議会や各会派議員へ働き掛けなどを強めることなどを呼び掛けました。
 集会には、 日本共産党府議団から宮原たけし、 小松久、 山本陽子府議が参加。 小松、 山本両府議が激励と連帯のあいさつを行いました。

投稿者 jcposaka : 2009年03月06日

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