>>>ひとつ前のページへトップページへ

府庁WTC移転否決 反対65・賛成46 橋下流に“待った” 共産党が論戦をリード

2009年03月27日

 2月府議会の最大の焦点となっていた府庁舎のWTC移転をめぐり、府議会は24日未明、橋下徹知事が提案していた移転条例を反対65、賛成46で否決(無効票1)しました。「関西再生の起爆剤」など叫び、「はじめに移転ありき」で暴走してきた橋下知事。しかし、移転案のずさんさを事実で明らかにしてきた日本共産党などの論戦が府議会を動かし、高い府民の支持率を背景に強権的な手法を続けてきた橋下流の府政運営に「待った」をかけました。

◎僕がずれていた

 庁舎の位置の変更には出席議員の3分の2以上の同意が必要。府議会の定数は112で、移転案の可決には75人以上が賛成票を投じなければなりません。


知事与党の公明党(23人)が反対の方向を打ち出す中、最大会派の自民党(49人)は22日の団総会で若手を中心とした賛成派が反対派を上回ったものの、事実上は自主投票となりました。
 閉会日に民主党(24人)が自主投票を決める中、自民党内では党議拘束や投票方法などをめぐり調整が難航。断続的に各会派の団総会などが開かれた末、会期延長となり、本会議が再開されたのは24日の午前0時45分でした。
 無記名投票によって移転条例案が否決されたほか、09年度補正予算として提案されていたWTCビル購入費など移転関連予算案も、反対69、賛成40で否決(白票2)となりました。
 「府民は大阪の変化を期待している。その意識を感じ取れば、可決は当然」などと最後まで強気だった橋下知事は、移転案の否決を受けた記者会見で、こう語りました。「僕の方が府民からずれていた」
◎他会派も批判
 昨年8月に橋下知事がWTC移転を打ち出して以来、一貫して反対してきた日本共産党府議団は防災対策、住民の利便性や財政シミュレーションなど知事提案の問題点を追及。WTC移転がベイエリア開発の復活を狙うものであることなどを浮き彫りにし、府議会論戦をリードしてきました。
 同党府議団は、2月府議会中の記者会見(6日)で、WTC敷地と周辺地の地盤沈下の実態などを明らかにするとともに、議会で追及。これらを受けて府が移転構想案を訂正したり、補足資料を公表するなど、知事提案のずさんさが相次いで明らかになりました。
こうした中で他会派からも「一度立ち止まって考えるべき」「(自民党)、「(都市構想は)テクノポート計画の焼き直しと言われて仕方のないもの。あまりに性急」(公明党)、「防災拠点として課題がある。拙速感は否めない」(民主党)などの批判が続出しました。
 閉会本会議の討論で日本共産党の堀田文一議員は、「防災対策では最悪の選択。大阪の活性化どころか、無駄な巨大開発の口実になり、府庁を府民から遠ざけ、財界に近づけるもの」と厳しく批判しました。


医療費助成/負担増撤回/府民世論が動かす

 2月府議会に橋下知事が提案していた、福祉4医療費助成制度の患者負担増は23日、知事が現行制度を継続へ予算の増額訂正を求め、24日未明の閉会本会議で可決されました。
 福祉4医療費助成制度をめぐっては、現行制度維持を求める府民の署名が100万人分を超え、昨年9月府議会では現行制度維持を求める請願が全会一致で採択。ところが橋下知事は当初の1割自己負担導入は撤回したものの、現行1回500円の自己負担額を800円に引き上げ、乳幼児医療費助成の所得制限を強化するなどの負担増を2月府議会に提案しました。
 一貫して現行制度維持を求めてきた日本共産党は代表質問や一般質問で、負担増の道理のなさを追及。健康福祉常任委員会で黒田まさ子議員は「最低限度のセーフティーネットである福祉医療費助成制度の改悪は常道から外れている」と強く主張。修正案を独自に準備し、府当局に働きかけてきました。
 橋下知事は23日、「府民を代表する議会での議論は大変重い」「現下の社会経済情勢を踏まえ、将来的にも持続可能な制度とする抜本的な見直しを行うまでの間、現行制度を継続する」と説明。修正案の委員会採決に当たって、黒田議員は「府民世論と議会の意思を尊重したもの。弱者を痛めつける改悪は将来とも許されない」と主張しました。

投稿者 jcposaka : 2009年03月27日

トップページへ ひとつ前のページへ ページ最上部へ
ご意見・ご要望はこちらから