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21世紀の日本の「進むべき道」が問われる歴史的選挙 日本共産党・志位和夫委員長の訴え(大要)

2009年06月18日

 8日、 大阪市中央区難波・高島屋前で行われた日本共産党街頭演説での志位和夫委員長の演説 (大要) を紹介します。

 総選挙が目前に迫ってまいりました。 今度の総選挙は、 21世紀の日本の 「進むべき道」 が問われる歴史的な選挙です。 世界は大きな激動と変化の中にあります。 日本の政治も変化をしなければなりません。 これまでの自民党政治の古い枠組を続けていては、 もはやこの世界の動きに対応できない。 そういう新しい時代の門口でたたかわれる総選挙だということを訴えたいと思います。 (拍手)
 私たち日本共産党はこの総選挙で、 21世紀の日本の 「進むべき道」 として、 2つの 「旗印」 を高く掲げて臨みます。

第1の 「旗印」
  財界大企業の横暴勝手を抑え、 「ルールある経済社会」 をつくる

 第1の 「旗印」 は、 財界大企業の横暴勝手を抑え、 国民の皆さんの暮らしと権利を守る 「ルールある経済社会」 をつくろう、 この 「旗印」 です。 (拍手)

経済危機下の政治にまず求められるのは、 国民の暮らし守る防波堤

首都のど真ん中に 「派遣村」が現れたのは日本だけ

 いま起こっている世界経済危機は、 日本の経済のあり方がどんなに異常なものかを明るみに出しました。 ヨーロッパでも失業が大問題になっておりますが、 首都のど真ん中に 「派遣村」 が現れたのは、 日本しかありません。 失業したら直ちに家を失い、 路頭に迷うようなひどい社会がつくられているのは、 この日本だけです。
 日本の資本主義は、 もともと国民の皆さんの暮らしを守るルールがない。 「ルールなき資本主義」 の国と言われてきました。 それに加えて、 「構造改革」 という掛け声で、 わずかにあったルールまで壊してしまいました。 貧困と格差が社会を覆っています。
 こうして皆さんの暮らしを守る防波堤がすっかり壊されてしまったところに、 世界からの大津波が襲ってきたために、 日本は同じ資本主義の中でも、 世界経済危機の影響がもっとも残酷な形で現れている国だということを言わなければなりません。 (拍手)
 こういうときに政治に求められている基本姿勢はどういうものでしょうか。 経済危機はたいへん深いものがあります。 ならば政治は、 何をさておいても、 国民の皆さんの暮らしを守ることを最優先の仕事にするべきではないでしょうか。 (拍手。 「そうだ」 の声)
 暮らしを守ると申しましても、 どっかの党が宣伝しているようなあの 「定額給付金」 1回こっきりのバラマキで、 ツケは消費税の値上げなんていうのは、 断固としてお断りというのが、 皆さんの気持ちだと思います。 (拍手)

一時しのぎの選挙目当てでない防波堤を

 こういう一時しのぎの選挙目当てのものではない、 本当の意味で社会の仕組みとして、 国民の皆さんの暮らしをしっかり守る防波堤をつくる。 これが日本共産党が提案している 「ルールある経済社会」 をつくろうという意味だということを、 私は訴えたいと思うのです。 (拍手。 「頑張れ」 の声)

1、雇用破壊を止め、人間らしい労働のルールを

 まず第1に、 雇用破壊を止め、 人間らしい労働のルールをつくろうではありませんか。

1999年の派遣労働の原則自由化の大改悪が引き金 

 経済危機の下で大企業が競い合って、 「派遣切り」 を進めています。 正社員にまで雇用破壊の波が襲いかかっています。 「あすはわが身か」 と心配されている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
 なぜ日本の社会が、 こんなにもいとも簡単に首が切れるようなひどい、 寒々とした社会になってしまったんでしょうか。 労働法制の規制緩和という掛け声で、 正社員を減らし、 派遣、 請負、 パートなど非正規で働く方々の比率を4割にまで高めてしまった。 その決定的な引き金を引いたのは、 1999年の派遣労働の原則自由化の大改悪です。 これにきっぱりと反対を貫いたのは、 日本共産党だけでした。 (拍手)
 他の政党はいまの雇用破壊に対して、 共同の責任を負っている。 その反省が必要だということを言わなければなりません。 (拍手)

まるで「奴隷労働」。究極の不安定雇用

 私は昨年からことしにかけて、 3回にわたって衆議院予算委員会で派遣労働の問題を取り上げる質問を重ねてまいりました。 質問を準備する過程で、 全国で派遣で働く若者・労働者に実態をうかがいました。 まるで奴隷労働としか言いようがない、 ひどい働かせ方に深い憤りを抑えることができませんでした。 懸命に働いていても、 派遣会社にマージンを引かれるために、 貧困から抜け出せません。 いつ首切りをされるか分からない。 究極の不安定雇用にさらされています。
 住む場所はどういう所かといえば、 3人の派遣労働者をアパートの一室に詰め込んで、 タコ部屋のような、 プライバシーも保障されないようなひどい所に詰め込んで働かせる。 景気の良いときはそういう働かせ方で絞れるだけ絞り上げる。 悪くなったら、 まるでモノのように平気で切り捨てる。 こういうことを、 世界のトヨタやソニーやパナソニック、 キャノンがやっているということは、 絶対に許すわけにいかないではありませんか。 (拍手)

立ち上がる労働者。 大阪でも次々と正社員化勝ち取る

 ただ、 私が何よりうれしいのは、 このわずか半年間で、 1万人を超える労働者の皆さんが、 全国で600を超える労働組合をつくったり、 結集したりして、 無法な雇用破壊に反対して、 勇気を持って立ち上がっていることです。 (拍手)
 私はこのたたかいには大きな未来があると思います。 全国で労働局に違法な 「派遣切り」 を告発し、 これを受けて労働局が重い腰を上げて、 是正の指導を行い、 それをテコにして団体交渉をやって、 いったん 「派遣切り」 をされた仲間たちが、 直接雇用・正社員化を次々に全国でいま、 勝ち取りつつあります。 (拍手)
 この大阪でも、 東海ロジテム、 大阪物流センターで働く仲間たちへの 「派遣切り」 に対して大阪労働局が是正指導を行い、 6月1日、 団体交渉で正社員化を勝ち取ったとうれしいニュースを聞きました。 (拍手) 阪急電鉄では車掌さんと駅の役員・職員840人の直接雇用・正社員化を勝ち取った。 たたかってこそ未来が開けてきます。 (拍手) たたかってこそ人間らしいルールがつくれます。 日本共産党は、 勇気を持って立ち上がった労働者の皆さんのたたかいに、 最後まで連帯して頑張りぬく決意をお約束するものであります。 (拍手。 「頑張れ」 の声)
 日本共産党は国会でも、 大企業との直接交渉でも、 横暴勝手を正面からただす仕事をやってまいりました。 私自身も、 日本経団連と会談をやりました。 トヨタとの会談は共産党本部でやりました。 どちらの会談もわが党にとって史上初めての出来事であります。

麻生首相がやるべき仕事

 この直接会談で、 私は机をばんばんたたいてやったわけじゃないんです。 相手が大企業や財界であっても、 これは否定できない道理や事実を積み上げて相手に話しました。 あんな巨額の内部留保、 ため込み、 巨額の株主への配当を続けながら、 働く人たちの首を切るというのは、 資本主義としても堕落じゃないですか。 そんなことをやっていたらトヨタはいまにGMのようになりますよ。 トヨタがGMになって喜ぶ日本人はいませんよ。 私はそんな話をしました。
 そうしますと、 相手は返す言葉がなくなってきて、 「きょうは良い話をうかがわせていただきました」 というふうなことを最後に言います。 私はこれをやりながら、 こういう仕事は本来は麻生首相がやるべき仕事じゃないかと思いました。 (大きな拍手)
 そう思いましたら、 いまたいへん業績が好調といわれているユニクロという会社の柳井さんという会長さんが、 韓国の 「ハンギョレ」 という新聞のインタビューで、 「トヨタやソニーは非正規社員をすべて切った。 それは国民を敵に回すのも同じこと」 と言っている。 そしてこう続けているんです。 「私がもっとも残念だったのは、 大企業に共産党の人々だけが訪ねて行って、 『雇用を維持して下さい』 と頼んだことです。 総理や自民党の要人が行かねばならなかったと思います」。 (拍手)
 ユニクロの会長さんが言っているというところが面白いですね。 私はこういう仕事をやりながら思いました。 早く私たちも参画する 「国民が主人公」 の民主的政権をつくって、 こんどは首相官邸に大企業の代表を呼んで、 雇用に対する社会的責任を果たしなさいと、 政府として指導をしたい。 そういう世の中にしたいもんだと思います。 (大きな拍手)
 日本共産党は労働者の味方の党です。 日本共産党を伸ばして、 労働者派遣法を抜本改正し、 使い捨て労働をなくしましょう。 残業時間を法律で規制して、 過労死をなくしましょう。 サービス残業を一掃しましょう。 最低賃金を大幅に引き上げましょう。 人間が人間らしく働ける労働のルールを、 この日本でもつくろうではありませんか。 (大きな拍手)

2、社会保障のルール  「負担は能力に応じて、 給付は平等に」

 第2に、 社会保障のルールも大切です。 「負担は能力に応じて、給付は誰もが平等に」。 これが当たり前のルールだと思いますが、 いかがでしょう。 (拍手)
 ところが、 日本の社会保障というのは、 もともとヨーロッパに比べても貧困な上に、 毎年2200億円もの予算削減をずっとやってきましたから、 世界でも日本にしかない異常なことがたくさん現れています。

重すぎる医療費窓口負担を軽減する

 私は先日、 外国特派員協会で講演をする機会があって、 ヨーロッパと比べてみて驚いたことがたくさんあるんです。 例えば日本ではお医者さんの医療費の窓口負担が入院・通院とも3割でしょう。 3割も窓口負担を取っている国があるかと思って調べたら、 主要国では日本しかありません。 ヨーロッパはほとんどが無料です。 医療保険というのは、 万が一の病気になったときのために平素から高い保険料を払っているわけですから、 病気になったら窓口負担が重くてかかれないというんだったら、 こんなものは保険とは言えないんじゃありませんか。 (拍手)
 私たち日本共産党は、 いま3割の方は2割に、 2割の方は1割に、 1割の方は無料に、 窓口負担の軽減を求めて、 この総選挙をたたかいぬきたいと思います。

後期高齢者医療という差別制度を撤廃する

 それから2つ目。 後期高齢者医療制度というのがありますでしょう。 お年寄りを75歳という年齢で区切って差別医療を強いるような、 そんな国が世界にあるでしょうか。 昨年の国会の本会議で、 私は当時の福田首相に 「一つでもあったら言ってください」 と聞いたことがあります。 首相は 「他国の例は把握しておりません」 と渋々答えました。 こんな恥ずかしいことをやっているのは日本だけです。 日本共産党を伸ばしてきれいさっぱり、 撤廃させようではありませんか。 (拍手)

冷酷非情な国保証の取り上げを許さない

 3つ目に、 高すぎる国民健康保険料と国民健康保険証の取り上げの問題です。 国保料が高すぎて払えない。 全国で453万世帯も苦しんでいらっしゃいます。 全体の2割を超える方が滞納世帯です。 そのうち34万の世帯から保険証を取り上げて、 資格証明書に置き換えています。
 こんなことをやっている国があるか。 調べてみましたら、 これも主要国では1つもありませんでした。 ドイツは、 保険料の払えない世帯は国が拠出してちゃんと支援をします。 カナダでは、 保険証の取り上げをやってはいけないと、 わざわざ法律で禁止されています。
 資格証明書というのはむごいものです。 なにしろ窓口で10割全額自己負担をしなければなりません。 しかし、 10割払うお金があったら、 保険料を払ってますよね。 払えないから苦しんでいるんじゃありませんか。 そういう方々から保険証を取り上げて、 「死ね」 と言わんばかりの冷酷非情な政治は、 きっぱり改めようじゃありませんか。 (大きな拍手)

障害者福祉への応益負担をやめさせる

 4つ目に、 障害者自立支援法。 この名前で障害者福祉にまで応益負担を持ち込み、 障害が重い人ほど重い負担を強いている。 これも日本だけです。 ヨーロッパは無料がほとんどです。 北欧に行って障害者団体の方が、 「自己負担の問題をどう思いますか」 と質問しても、 相手は何を聞かれているか分からない。 障害者福祉に負担を求めることが考えられないという答えが返ってきたそうです。
 障害者の皆さん、 毎年毎年抗議して、 いよいよ廃止しようという声が高まってきておりますから、 この応益負担というやり方は廃止させようではありませんか。 (拍手)

最後のセーフティネット、 生活保護を受けさせない無法をやめさせる

 もう1つ、 最後のセーフティネットと言われるのが、 生活保護です。 ところが日本では、 生活保護を本来受給する権利を持った人のうち、 ちゃんと受給している方は1割から2割に過ぎません。 ヨーロッパでは8割から9割。 なんでこんな差があるんでしょうか。 「水際作戦」 といって、 役所が窓口で申請書すら渡さず追い返すという無法が横行しているからです。
 フランスは役所に、 イギリスは郵便局にも申請書が置いてあって、 それに書いてポストに入れたら誰でも受け付ける。 ヨーロッパではそういうふうにして、 生活保護という当たり前の権利を、 当たり前にみんなが行使しているんですが、 日本もこういう当たり前の国にしていきたいと決意している次第です。 (拍手。 「頑張れ」 の声)

社会保障は国の施しではなく憲法25条に記された国民の権利

 社会保障というのは、 国の施しなんかじゃない。 憲法25条がすべての国民の皆さんに等しく保障している国民の権利です。 (拍手) お金のあるなしで給付に格差をつけるようなことを絶対に許さない。 誰でも平等に必要な給付を受けられる。 こうした当たり前のルールを、 この日本でもつくろうじゃありませんか。 (拍手)
 どうかその声を日本共産党に託してください。 (大きな拍手)

3、税金のルール  負担能力に応じたものに

福祉を口実に導入され大企業の減税の穴埋めに使われた消費税

 第3に、 税金のあり方です。 税金のルールは、 本来、 税金は負担能力に応じて。 これが当たり前の民主的ルールだと思います。 このルールに一番反している税金が消費税ではないでしょうか。 (拍手)
 ことしは消費税が導入されて20周年の記念の年です。 ちっともうれしくない記念の年です。 この税金は、 生まれた時も、 5%に値上げされた時にも、 「社会保障のため」 というのが口実とされましたね。 この20年間振り返ってみて、 「消費税のおかげでよくなったなあ」 と言える福祉が一つでもあるでしょうか。 一つもない。 逆に切り下げの一方です。
 それでは、 皆さんが納めた消費税はどこに回されたのか。 この20年間の総額で消費税の税収は213兆円です。 ところが同じ時期に182兆円も、 大企業などの税金が減っている。 結局皆さんが納めた税金は、 社会保障じゃなくて大企業の減税の穴埋めに使われたというのが真相だったということを、 私は言いたいと思います。 (拍手)

消費税増税絶対反対の声を共産党に

 消費税は、 所得の少ない人に重くのしかかる最悪の 「貧困促進税」 です。 そして販売価格に転嫁する力を持っている大企業は一円も払わなくてすむ。 泣く泣く払っていらっしゃるのは、 転嫁しきれない中小企業、 商店街、 転嫁しようのない消費者の皆さん。 最悪の 「不公平税制」 が消費税だということを、 私は訴えたい。 (拍手)
 こんどの選挙で、 「消費税増税は絶対反対。 食料品は非課税に」 というこの声を日本共産党にお寄せ下さい。 (大きな拍手)
 社会保障の財源は、 軍事費をはじめとする無駄遣いに大胆なメスを入れるとともに、 大金持ちと大企業に応分の負担を求めればまかなうことができると共産党は提案しています。 これをきちっとやれば、 数兆円規模の会計が出てまいります。


大企業と富裕層に応分の負担を求める声は世界の流れ

 いま世界経済危機の下でどの国も税制の見直しをやっています。 例えばアメリカでは、 10年間で72兆円の庶民減税をやる。 そして同じ10年間で60兆円の大金持ち増税を行う。
 EUはどうかというと、 イギリスをはじめとするヨーロッパでは、 付加価値税・消費税を減税し、 所得税の最高税率を引き上げる税制改革を進めているじゃありませんか。
 多国籍企業に対しても、 租税回避地 (タックスヘブン) などの課税を強化する。 海外子会社にも課税を強化する。 大企業にはもっと税金を払ってもらおうというのが、 ヨーロッパでもアメリカでも始まっているじゃありませんか。
 ですから大金持ちと大企業に応分の負担をという日本共産党の主張は、 世界の流れにも合致したものだということを紹介したいと思います。 (大きな拍手)

財界・大企業にモノが言える党が伸びてこそ

 雇用と社会保障と税金と、 3つ話しましたけれども、 実はどの問題も、 根っこをたどりますと、 財界や大企業の身勝手横暴にぶつかってきます。 財界が大もうけを優先するあまり、 雇用をどんどん切る。 税金の負担も社会保障の負担もしない。 この身勝手から生まれています。

開き直る自民党、禁止までの3年間は献金無心する民主党

 ですから、 国民の皆さんの暮らしを守ろうとすれば、 財界・大企業に正面からものが言える党でなければできないということを私は言いたい。 (拍手) そして企業団体献金をきっぱり拒否しなかったら、 ものが言えませんね。 (拍手)
 自民党はこの問題が大問題になっているのに、 「企業献金は悪だと思わない」 といって、 直そうとしません。
 民主党は、 小沢さんのあの問題で国民の批判を浴びて、 3年後に企業献金を禁止すると言い出しました。
 しかし私は聞きたいんですよ。 なんで3年後なんですか。 この6月1日、 日本経団連と民主党がやった 「政策を語る会」 で企業献金のことが話題になって、 民主党の政調会長がこう言ったそうです。 「猶予期間 (3年) は、 ぜひご支援をお願いします」。 3年間は献金を下さいと言っている。 企業献金が悪いものだと言うんだったら、 3年後などと言わずに、 即時禁止すべきではありませんか。 (大きな拍手)
 それからもう一つ、 別に法律で禁止しなくたって、 自分の党でやめると言えば、 企業献金はやめられるんです。 日本共産党はやめてるじゃありませんか。 もともともらっていませんけど。 (拍手)
 ですから本当に悪いと言うんだったら、 法律が決まる前でもきっぱり受け取りを拒否するぐらいのことがなければ、 民主党が言っていることは、 選挙目当てだと言われても仕方がないと思います。 (拍手)

企業団体献金・政党助成金を受け取らず廃止求める共産党

 日本共産党は党をつくって87年になりますが、 企業団体献金はびた一文受け取っておりません。 政党助成金という皆さんの税金の山分けもきっぱり拒否し、 制度をなくせと言っている唯一の政党です。 この党を伸ばすことこそ、 皆さんの暮らしを守る一番の力になる。 「ルールある経済社会」 の道を開く力になるということを訴えたい。 どうか皆さんの絶大なご支援をよろしくお願いいたします。 (大きな拍手。 「いいぞ」 の声)

第2の 「旗印」
  異常な 「軍事同盟絶対」 の政治から抜け出し、 「自主・自立の平和外交」 を築く

 さて第2の旗印は、 異常な 「軍事同盟絶対」の政治から抜け出して、憲法9条を生かし、世界とアジアの平和に貢献する 「自主・自立の平和外交」 を築こう。 これが2つ目の旗印です。

大きく変わりつつある世界

 皆さん、 世界を見てください。 大きく変わりつつあるではありませんか。 イラク戦争が失敗して、 アメリカ一国が世界を動かせる時代ではなくなりました。 そして変化の波はアメリカにも及んできました。

アメリカの変化  オバマ演説を受けての書簡と、 米国からの返書

米大統領として初めて核兵器廃絶を明言したオバマ演説を心から歓迎する

 オバマ大統領が4月5日、 チェコのプラハで行った演説は、 人類に大きな問題を投げかける歴史的な演説となりました。
 大統領はあの演説の中で、 「米国は核兵器のない世界を追求していくことを明確に宣言する」 と、 アメリカの大統領として初めて、 核兵器廃絶を国家目標にすることを明言いたしました。 そして 「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、 米国は行動する道義的責任がある」 と述べました。
 これは勇気ある発言です。 アメリカで、 広島・長崎に対する原爆投下は人類的道義にかかわる問題だということを、 初めて大統領が認め、 その立場から行動する責任を述べたのは、 歴史上初めての発言であります。
 そして、 「核兵器のない世界に向かって平和と進歩の声を高めよう」 と、 全世界の人々に核廃絶への協力を呼び掛けました。
 日本共産党とアメリカ政府との間には、 米軍基地の問題、 海外派兵の問題など、 立場の違いはたくさんあります。 しかし核兵器廃絶というこの点においては、 オバマ発言は、 心から歓迎したいと考えるものであります。 (拍手)

アメリカ大使館を訪問、 書簡を手渡し大使と会談

 そう考えまして、 4月28日、 オバマ大統領にあてて、 核兵器廃絶の一点に絞った書簡を書きました。 アメリカ大使館を訪問して、 ズムワルトさんという臨時代理大使にお会いして直接手渡しました。 これまでアメリカ大使館には、 抗議のデモで行ったことはありますが、 中に入って大使と会談したのは初めてのことであります。
 そしてこの書簡の中で、 私は大統領に対して、 私の歓迎の気持ちを伝えるとともに、 同意できないこともあると率直に言いました。
 それは何かと言いますと、 オバマ大統領が核兵器のない世界を呼び掛けながら、 それは 「おそらく私が生きているうちには無理だろう」 と言っていることについてです。 これは同意できません。 なぜならば、 広島・長崎から64年、 戦後64年たっていますけれども、 核兵器を持っている大国が、 核兵器の廃絶ということを正面からの主題として国際交渉をやったということは、 歴史上、 誰の手によってもやられたことがないからです。 交渉はおろか、 交渉を呼び掛けた人すらいないんです。 歴史上誰もやったことがないことを、 どれだけ時間がかかるかを、 あらかじめ決めることは誰にもできない。 私はそのように思います。
 交渉を呼び掛けてから始まるまで、 始まってから妥結するまで、 妥結してから核兵器をなくすまで、 これは時間がかかるかも知れません。 しかしどれだけかかるかは、 やってみなければ分からないじゃないですか。 (拍手)
 やる前から若い大統領が、 「自分が生きているうちに無理」 と言ったら、 全世界の半分以上の人が悲しむんじゃないでしょうか。

核兵器廃絶を主題にした国際交渉の呼び掛けを

 私はそういう点を言って、 その気があればいますぐにでもできることがある。 それは核兵器廃絶を正面の主題にして、 国際交渉を呼び掛けること。 交渉を始めること。 これはすぐにでも大統領が決断すればできる。 ぜひ、 これはやってほしいということを要請いたしました。 (拍手)
 そうしましたら5月16日に、 米国政府から返書が届けられました。 私たちの党が、 核兵器問題でこれまで5回にわたって米国大統領に書簡を送ってきましたけれども、 返事が来たのは歴史上初めての出来事であります。

米政府からの返書に示された米国社会の変化

 この返書の中では、 オバマ大統領の直接の指示で、 グリン・デイビスさんという国務次官補代理が、 大統領に代わって書いたということになっておりますが、 「どうすれば私たちが最良の方法で核兵器のない世界を実現できるかについての考えを伝えていただいたことに対して感謝する」 ということがまず書いてあります。
 そして私の書簡について、 「核兵器廃絶問題に対するあなたの情熱をうれしく思います」 とつづられておりました。 これはアメリカ社会が変化しつつあることを示すものではないでしょうか。 (拍手)
 オバマ大統領の核問題についての真剣さと熱意を示すものとして、 私は返書についても歓迎をしたいと思うのであります。 (拍手)

公式の話し合いのルートが確立

 そして私が手紙を出す。 米国政府から返事が来たということはどういうことか。 それは日本共産党とアメリカ合衆国というこの両者の間に、 公式の話し合いのルートが開かれたということを意味してまいります。
 そうなってきますと、 これからはほかの問題も話せるようになります。 次の機会には、 米軍基地の問題なども話していきたいと考えている次第であります。 (大きな拍手)
 このやり取りを通じて実感したのは、 本来こういう手紙は麻生首相が出してしかるべきだったと感じました。

日本政府がイニシアチブを発揮すべき

 そこで書簡に対する返書の後、 麻生首相と党首会談をやりまして、 このやり取りについて報告するとともに、 こういう問題のイニシアチブは唯一の被爆国である日本政府こそ取るべきじゃないですか、 と麻生さんに言いました。
 麻生さんは私の提起に対して、 「オバマさんの演説はすげえ演説だった」 「すげえ、 すげえ」 と連発しておりましたけれども、 私の提起に対する定かな答えは返ってまいりませんでした。 (笑い)

大本の力は世界諸国民の平和の世論と運動―被爆国日本で核兵器廃絶の世論を広げよう

 皆さん、 ここまでアメリカを変えた大本の力は、 世界諸国民の平和を求める世論と運動でしょう。 (拍手)
 これがこういう変化をつくったわけですから、 帰すうを決めるのもやっぱり平和の世論ではないでしょうか。 とりわけ日本が大事ではないでしょうか。 被爆国日本で核兵器廃絶の世論を広げに広げようじゃないかということを、 心から訴えたいと思います。 (大きな拍手)
 日本外交のあり方が問われています。 いまの麻生政権はアメリカが変わらないところは従順です。 米軍基地を強化する。 海外派兵をどんどん進める。 思いやり予算をどんどん増やす。 グアムの基地建設にまで血税を注ぐ。 こういうところには熱心です。

アメリカの前向きの変化についていけない日本政府

 ところがアメリカが前向きに変化したところにはついていけない、 変わらないところだけ従順につき従う。 こんな政治に未来なしということを私は強く言いたいと思います。

安保条約やめて21世紀の日米関係を対等平等に

 皆さん、 21世紀の日米関係の未来は、 本当の友情こそ必要です。 本当の友情は、 支配・従属の下では生まれません。 対等・平等であってこそつくられるのではないでしょうか。 日米安保条約をやめて、 それに代えて日米友好条約を結ぼうじゃないか、 この平和の願いは日本共産党に託して下さい。 (拍手)

自民・民主の共通部分こそ危険。 暗黒政治への逆行を許さない防波堤・日本共産党を大きく

「旗印」のない自民党と民主党

 今日は2つの 「旗印」 というお話をさせていただきました。 「ルールある経済社会」、 「自主・自立の平和外交」   この問題で、 自民か民主かとよく言われますけれど、 この2つの党はどうでしょう、 「旗印」 はないじゃないですか。
 自民党は日本の針路をどうするかという 「旗印」 は何にもありません。 「白旗」 しかありません。
 民主党はどうかと言いますと 「政権交代」 と言っています。 「政権交代」 して何するのか。 「官僚支配を打破」 すると言います。 しかし 「官僚支配を打破」 して何をするのか、 日本の経済、 日本の外交、 日本の国の針路をどうするのかという中身は何にもない、 「旗印」 はこの党にもないではありませんか。

消費税増税・海外派兵を競い合う両党

 そして私が最後に言いたいのは、 自民と民主は違いがないだけじゃないんです。 共通している部分こそ問題だ、 危ない、 これを言いたいのです。
 消費税の問題についてもいま麻生さんが増税を言っていますが、 最初に言い出したのは、 2004年の参議院選挙の時に民主党の岡田代表が年金財源のため3%の増税が必要だと、 この党が言い出して自民党が言い出した。 まさに増税の競い合いをやっているというのが実態ではありませんか。
 海外派兵の問題でも、 ソマリアへの派兵を最初に言ったのは長島さんという民主党の議員、 麻生さんがそれに飛び付いて海外派兵法案をつくっている。 派兵の競い合いをやっているのが自民・民主じゃありませんか。

比例代表大幅削減は議会制民主主義を根底から覆す

 そして民主党は、 衆議院の比例代表の定数を80削ると言っている。 いまの選挙制度の中で皆さんの声をしっかり反映している唯一の部分である比例代表の定数を、 こともあろうに半分にし、 ゆくゆくはなくしてしまおうというのが民主党です。 これは民主党という党名とまったく正反対ではありませんか。
 比例代表をなくしてしまったらどうなるか、 国会には第1党と第2党しかなくなります。 共産党もいらない、 公明党もいらない、 社民党もいらない、 国民新党もいらない、 こういう考え方は議会制民主主義を根底から覆すものであって絶対に許すなという声を挙げていただきたい、 よろしくお願いします。 (拍手)
 こういう自民、 民主の競い合いによる暗黒政治の逆行を許さない最大の防波堤は日本共産党です。 どうかこの点でも日本共産党を伸ばして下さい。

「国民が主人公」 の政権・民主連合政府への一歩に

 比例代表ではどうか共産党を大きく伸ばして、 近畿ブロックで3議席からどんどん増やしていただきたい。 そして小選挙区では並んでいらっしゃる方すべての勝利を目指してどうかお力添えをよろしくお願いします。
 今度の選挙、 若い方もお年寄りも男性も女性もみんなが安心して暮らせる日本、 希望を持って暮らせる日本への一歩とし、 「国民が主人公」 の民主連合政府をつくる一歩にする選挙にしようじゃありませんか。 皆さんの絶大なご支持を重ねてお願いして私の訴えとさせていただきます。 (大きな拍手)

投稿者 jcposaka : 2009年06月18日

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