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 7日、梅田阪神百貨店前で行われた日本共産党街頭演説での志位和夫委員長の演説(大要)を紹介します。

2009年08月14日

【自公政権退場させ、「国民が主人公」の新しい政治を】

 [「大阪がかわれば日本がかわる」 共産党躍進の大波を]
 
 皆さん、こんばんは。日本共産党の志位和夫でございます。
 大阪の皆さんは素晴らしい伝統を持っていらっしゃいます。かつて黒田革新府政をつくり育て、素晴らしい地方自治の精神を全国に発信したのは、大阪の皆さんでした。定数1を争う参議院の補欠選挙で、沓脱タケ子さん、吉井英勝さん、二度にわたって勝利を勝ち取ったのも、この大阪の地でした。(拍手)
 どうか今度の総選挙、大阪の底力を発揮していただいて、「大阪がかわれば日本がかわる」、この立場で、大阪から共産党躍進の大波を起していただきたい。どうかご支持をよろしくお願いいたします。(拍手)

 [日本共産党を伸ばして、「自公政権さようなら」の審判を]

 すでに国民の圧倒的多数は、自民党と公明党の政権を見放していると思います。それは、あの首相が漢字が読めないとか、「高齢者は働くことしか才能がない」などと心無い発言をするとか、そういうことにあきれ、怒っているだけじゃありません。自民・公明の政権が、国民の皆さんの暮らしの安心を奪い、希望まで奪ったということに、多くの皆さんの怒りが集中しているのではないでしょか。(「そうだ」の声)

 先日、麻生首相が、自民党のマニフェストを出しまして、拝見しましたら、最初のページに、なんと「安心な国民生活の構築」と書いてあります。よく言えたものですね。皆さん、いったい誰が暮らしの安心を奪ったのか。  派遣労働に象徴される、人間をモノのように使い捨てにする不安定雇用を34%まで広げてしまって、働いても働いても貧困から抜け出せないワーキングプアといわれている年収200万円以下の方々を、1千万人以上にまで広げてしまったのは、いったい誰の責任か。(拍手)  毎年、毎年、社会保障の予算を2200億円削りに削って、年金も医療も介護も、皆さんの暮らしを支える福祉をボロボロにしてしまったのは、いったい誰の責任なのか。  中小企業も農業も、地域経済を支えている大事な仕事が立ち行かなくなっているのは、いったい誰の責任なのか。  その上、お年寄りを姥捨て山に追いやるような後期高齢者医療制度というひどい制度をつくったのは、いったい誰なのか。すべてが自民・公明の政権の責任じゃありませんか。(拍手、「そうだ」の声)  「安心な国民生活」と言うんだったら、話は簡単です。まず真っ先にやるべきは、自民・公明が政権から退場することだと、私は言いたいと思います。(拍手)  日本共産党はどんな問題でも、自民・公明の政権と真正面から対決し、国民の利益を守り抜いてきた政党です。どうか今度の総選挙では、この日本共産党を伸ばしに伸ばしていただいて、「自公政権さようなら」の審判を下そうじゃありませんか。(拍手)

 [自公政権に代わって、どういう新しい政治をつくるのか]

 いま一つ、自公政権を終わらせた後に、この日本の政治をどうするのか。それに代わってどういう新しい政治をつくり、どういう21世紀の進路を選ぶのか。ぜひこのことも併せてお考えいただき、政党を選んでいただきたいと思うんです。

 日本国憲法には国民主権と書いてありますが、実態はどうでしょう。内政では財界が主権、外交はアメリカ主権になっていて、肝心の主権者である国民がそっちのけになっているではありませんか。  日本共産党は、この政治のゆがみを大本から正して、憲法に書いてある通りに、国民が主人公の日本をつくろうということを、改革の大方針にしている政党です。(拍手)  その立場から、今度の選挙で私たちは、二つの旗印を掲げ、頑張っております。

 〈第一の旗印 財界・大企業中心の政治をただし、「ルールある経済社会」を〉

 第一は、あまりにひどい財界・大企業中心の政治をただし、国民の皆さんの暮らしと権利を守る「ルールある経済社会」をつくろうということです。

 《雇用破壊止め、人間らしく働ける労働のルールを》

 まず、いまの雇用破壊をやめさせ、人間らしく働ける労働のルールをつくろうじゃありませんか。(拍手)
 世界経済危機で、ヨーロッパでも失業者の問題が大問題ですが、首都のど真ん中に「派遣村」が現れたのは日本だけです。額に汗して懸命に働いてきた労働者が、ある日突然、仕事を奪われ、それとともに住まいまで奪われて路上生活に放り出される。こんなに働く人が粗末に扱われている国はないということを、私は言わなければなりません。(拍手)
 私は衆議院の予算委員会で、3回にわたって、派遣労働の問題を取り上げましたが、現在の奴隷労働としか言いようのないひどい働かせ方に、強い憤りを抑えることができませんでした。
 トヨタやパナソニックやキヤノンという世界に名だたる大企業が、景気のいいときは正社員を減らして派遣に置き換えて、搾れるだけ搾って、狭い寮に押し込めて大もうけを上げながら、景気が悪くなったら、家族がいようと人生のどんな夢を持っていようと、平気で外に放り出す。こんなことをそのまま放置していたら、日本の経済も社会も、ひいては企業も立ち行かなくなるということを、私は訴えたいのです。(拍手)
 労働者派遣法を抜本改正して、「雇用は正社員が当たり前」の日本をつくろうじゃありませんか。(拍手)残業時間を法律で規制して、長時間労働をやめさせ、サービス残業は一掃して、この日本から過労死をなくそうじゃありませんか。(拍手)それから最低賃金700円台では、とても食べていけません。最低、時給1千円以上に引き上げて、中小企業の皆さんにはしっかりと手当をして、この日本からワーキングプアをなくそうではありませんか。(拍手)
 人間が尊重され、人間らしく働ける労働のルールをつくろうという願いは、労働者の味方の党、日本共産党にお寄せ下さい。よろしくお願いいたします。(拍手)

《社会保障と教育費の異常をただす》


 暮らしの問題で、いまひとつ訴えたいのは、社会保障と教育費での世界に類のない異常を正そうということです。
 もともと日本の福祉というのはヨーロッパに比べても貧困なんですが、それに加えて毎年予算を削ってきたために、世界で日本だけという異常な制度が、たくさんつくられてしまいました。
 
 後期高齢者医療制度の廃止を
 
 75歳以上のお年寄りを後期高齢者医療制度という別枠の制度に囲い込んで、差別医療を強いるようなことをやっているような国が、日本のほかにあるでしょうか。私が昨年の衆議院本会議で、そう聞きましたところ、当時の福田総理大臣が嫌な顔をして、悔しそうに「日本だけでございます」と言いました。
 75歳以上のお年寄りを後期高齢者と呼ぶ。だいたい呼び方がけしからんじゃありませんか。(拍手、「そうだ」の声)
 私の母なども、ことし82歳になりましたが、元気で頑張っておりますが、後期高齢者と言われたことが大変、腹が立って仕方がない。「いったい国会はどうなってんの。あんたはいったい、国会で何してるの」(笑い)このように怒られたことがございますが、そういうお怒りが強いんじゃないでしょうか。
 いま75歳以上のお年寄りといいましたら、あのつらい戦争をくぐり抜け、戦後の復興を支えてこられた、私たちにとっての恩人ではありませんか。(拍手、「その通り」の声)恩人にこういう仕打ちをする政治というのは間違っていると、私は言いたいと思います。(拍手)この恥ずかしい制度は、自公政権退場とともに、きっぱり撤廃させようではありませんか。(拍手)

  医療費窓口負担の軽減、無料化を

 医療の問題でもう一つ。日本ではお医者さんに行ったときに、窓口負担が3割取られます。こんな国がほかにあるかと調べてみましたが、主要国で日本しかないんです。ヨーロッパはだいたい多くの国で、窓口負担が無料です。
 イギリスの病院に「しんぶん赤旗」の特派員が調べに行きました。確かに会計窓口というのがありますが、これは患者さんが病院にお金を払う窓口じゃないんです。反対に病院が患者さんに、交通費を払う窓口なんです。皆さん、これが当たり前じゃないんですか。
 医療保険というのは、いざ病気になったときのために、平素高い保険料を払っているわけですから、高い保険料を払った挙句、病気になったら窓口負担が重過ぎてお医者にかかれないというんでは、医療保険と呼べないではありませんか。(拍手、「そうだ」の声)
 ですから共産党は今度の総選挙政策で、高すぎる窓口負担の軽減に踏み出し、ゆくゆくはヨーロッパのように窓口負担ゼロの日本を目指そうじゃないかと提案しております。(拍手)

  第一歩はお年寄りと子どもの医療費無料化

 その第一歩として、75歳以上のお年寄りと、小学校に上がるまでの子どもさんの医療費は、国の制度として無料にしようじゃないかということを提案しております。(拍手)自治体ではたいていやっているでしょう。国の制度になったら、自治体の制度がどーんと底上げになります。どうかご一緒に実現させようじゃございませんか。(拍手)

  高すぎる高校、大学の学費


 もう一つ言いたい日本の異常は、教育費が高すぎる。高校、大学の学費が高すぎて、子どもさんの未来に傷をつけています。そして1人のお子さんを高校、大学まで出すと、1045万円お金が掛かる。家計の3分の1が教育費に持っていかれる。こんな国も、世界に日本しかありません。
 大阪府では橋下知事が財政再建と称して私学助成を削ろうとしたとき、それに対して高校生が、「そんなことをされたら、自分たちの友達が高校に行けなくなる」「大変なことになる」と、「高校生に笑顔をくださいの会」をつくりました。そして橋下知事と懇談をしました。
 知事に対して、「あなたは、『子どもが笑う大阪』と言っているのに、私学助成を削減されたら笑顔が持てません」と高校生が訴えました。議事録を拝見しましたが、どっちが知事だか分からないような、堂々たる論戦を、高校生の皆さんがやっています。それに対して知事は、「あなたはなぜ公立高校を受験しなかったのか」「自分に責任があるんではないか」。こういうことを言い返す。この心無い発言に対して、泣きながら高校生の皆さんが、「高校に落ちるのは私たちの自己責任ですか」と厳しくやり返していました。高校生にこういうことを言わせる知事というのは、およそ教育を語る資格がないし、地方分権を語る資格もないということを言いたいと思います。(拍手)

  高校授業料を無料に、返済不要の奨学金をつくる

 ただこの問題の根っこには、国の政策の貧困があるわけです。OECDという先進30カ国中、高校の学費を取っている国は、日本を含め4つしかないんです。26の国は、高校の学費は無料です。それから奨学金の返済を求めている国は、30のうち3つしかない。27の国は返済はいらない。これが世界の標準です。日本もそうしようじゃありませんか。(拍手)
 私たち共産党は、公立高校については授業料を無料にする、私立高校についても、直接助成制度で、年収500万円未満のご家庭は無料にし、800万円未満のご家庭は半分にする、そして無償化に踏み出し、ゆくゆくは公立私立ともに高校の学費を無料にし、大学の学費を軽減し、奨学金は返す必要の無いものをしっかりつくろうということを提案しております。(拍手)
 お金の問題で、高校の進学を諦めたり、退学しなきゃならないなんていう子どもさんを、ただの一人もつくってはなりません。(拍手、「そうだ」の声)これは私たち大人の責任です。どうかこの声を、今度の選挙で共産党に託してください。
 
 
 《消費税に頼らずとも福祉支える財源はつくれる》
 
 それでは財源はどうするのか。財源の話になると、自民・公明政権はすぐ消費税のことを持ち出します。2011年度までに消費税値上げの法律を通すと言っている。しかし政治の姿勢を大本から変えれば、安心できる財源はちゃんとつくれます。

  最も危険な無駄遣い、軍事費にメスを

 第1に、無駄遣いを一掃しようではありませんか。無駄の一掃という点では、大都市に巨大トンネルを掘って、巨大道路を造る、巨大な港湾を造る、こういう無駄遣いをやめさせることも、もちろん大事ですが、最大・最悪、最も危険な無駄遣いは年間5兆円の軍事費であり、ここにこそ縮減のメスを入れよという声を上げようではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。
 一つは、年間2800億円出している米軍への「思いやり」予算。何に使っているかと調べてみますと、米軍司令官用の豪華住宅は広さが243平方bもあります。私の家が3つは入ってしまう。お風呂が3つ付いているんですよ。共産党国会議員団がかつて聞いたことがあります。吉岡吉典(元参院)議員が聞いたのです。政府の答弁がふるっておりまして、「アメリカ人の体格がいいからです」と。冗談じゃありません。このような「思いやり」予算はただちに廃止して、思いやるんだったら、長年ご苦労されてきたお年寄りと、未来を担う子どもたちにこそ、思いやりの政治が必要だということを、訴えたいと思います(拍手)。

   大企業と大金持ちにもうけ相応の負担を

 そしてもう一つ、取るべきところから税金を取ろうじゃありませんか。取るべきところとはもうかっているところです。もうかっているところと言ったら、大企業と大金持ちじゃありませんか。(自公政治は)この分野に7兆円もの減税をばらまいてきた、これを正して、きちんともうけ相応の負担を求めよというのが、日本共産党の方針です。
 この歳出・歳入両方の改革をやると12兆円の財源がつくれます。12兆円の財源を使って、皆さんの暮らしを良くしようというのが、日本共産党の責任ある財源政策です(拍手)。
 「そんな共産党の言うようなことをやったら、大企業の国際競争力がなくなって大変だ」と言うかも知れませんが、アメリカを見てください。面白いことを始めています。オバマ大統領が向こう10年間に、なんと富裕層、大金持ちに100兆円の増税を求める。多国籍企業に20兆円の増税を求める。大企業と大資産家に120兆円の増税を求めて、これを財源にして、庶民への減税と医療保険の改革に使うというのです。皆さん、これはいいことではありませんか。いいことはアメリカのやることも学んだらどうかと思いますが、いかがでしょう(拍手)。
 これをしっかりやりましたら、消費税に頼らなくても、安心して財源つくれます。どうかこんどの総選挙で、消費税増税反対の声を上げようじゃありませんか。その声を日本共産党に託してください。(拍手)。

 《財界・大企業にもの言える共産党を伸ばすことが暮らし守る一番の力》

 暮らしの問題をずっと話してきましたが、どの問題も根っこには財界・大企業の身勝手、横暴があります。ですから、暮らしを守ろうと思ったら、財界・大企業に正面からものが言える党でなければ、守れません。日本共産党は、それを口で言うだけでなくて、行動で実行してきた党です。派遣切りが激しかったときに私たちは、日本経団連と直接交渉し、トヨタとも直接交渉して、「雇用を守る社会的責任を果たせ」と求め続けてきた政党です。
 「ユニクロ」という会社の会長を務めている柳井正さんが、韓国の「ハンギョレ」という新聞で興味深いことを言っています。トヨタやソニーのような、ああいう派遣切りをやったら、日本の経済はだめになると批判した上で、こう言っています。「私が何より残念だったのは、日本共産党の人たちだけが、大企業を訪問して雇用を守れと求めたことです。本来ならば、内閣総理大臣こそ行くべきでした」。ユニクロの会長さん、いいこと言うじゃありませんか。
 私はそれを聞いて、決意していることがございます。早く、日本共産党も参加する「国民が主人公」の民主連合政府をつくって、こんどは首相官邸に日本経団連の代表を呼び、トヨタの会長を呼んで、<外字/55>雇用に対する社会的責任を果たせ<外字/56><外字/55>下請け中小企業に対する責任を果たせ<外字/56>ということを、政府として主張できる世の中にしたいものだと、決意をしている次第でございます。(拍手)。

 《暮らし守る声は、こぞって日本共産党へ》

 そして、こうやってものを言おうと思ったら、財界から献金をもらっている党では、財界にものが言えません。相手からものを言われるだけです。やっぱり、党をつくって87年、企業団体献金をビタ一文受け取ったことのない、相手も持ってきたことがありません(笑い)、この日本共産党を伸ばすことが、皆さんの暮らしを守る一番の力になるということを、心から訴えたいと思います(拍手)。暮らしを守る声はこぞって、日本共産党にお寄せください。(拍手)。

〈第2の旗印<中線/001オモテ/0/0/0/0/0/  >軍事同盟中心の政治から抜け出し、憲法9条を生かした「自主・自立の平和外交」に取り組む〉
 そして第2に、平和の問題です。軍事同盟中心のきな臭い政治から抜け出して、憲法9条を生かした平和外交の日本に切り替えようではありませんか。
 
  《オバマ大統領の「核兵器廃絶」発言を歓迎する》
 
 この間、世界は大きく変わりつつあります。変化の波はアメリカにも及び、オバマ大統領は4月5日、チェコのプラハで歴史的演説を行いました。オバマさんは、「核兵器を使用したことのある唯一の核保有国として、米国は行動する道義的責任がある」と述べて、「核兵器のない世界を追求する」ことを、世界に向かって宣言しました。
 アメリカはいまなお、<外字/55>広島・長崎に原爆を落としたことによって、たくさんの米兵の命が救われた<外字/56>という、間違った神話が横行している国です。そういう国でこういう発言に踏み込んだというのは、勇気ある発言ではないでしょうか(拍手)。
 日本共産党は、アメリカとは、米軍基地の問題など、立場の違いはたくさんあります。イラク戦争などアメリカの間違った行動を、厳しく批判することには人後に落ちないつもりですが、このオバマさんの核兵器廃絶の発言は、心から歓迎したいと思うのであります(拍手)。
 そこで私は夜を徹して1通の手紙をしたためました。オバマさんへの書簡です。私の歓迎の気持ちを伝えるとともに、発言を行動に移してほしい、すなわち核兵器廃絶を正面からの主題とした国際交渉を始めるイニシアチブを発揮してほしいと要請する書簡を出しました。
 そしたら、しばらくして大統領側から返書が届いて、中身を開けますと、こう書いてありました。「あなたは、私たちがどうすれば、核兵器のない世界に到達できるかについて、最良の考えを伝えてくださったことに感謝します」「あなたの情熱をうれしく思います」とつづられておりました。
 私は、このやり取りを通じて、アメリカも変化しつつあることをいま、実感しているところです。この変化を促したのは、世界の諸国民の声であります。わけても、長い間、被爆者として苦しんで、病気と闘いながら核兵器のない世界を訴え続けてきた被爆者を先頭とする日本の平和の声が、アメリカを動かしたのではないでしょうか(拍手)。
 
 《帰すう決めるのは世界の世論と運動》
 
 ですから帰趨(きすう)を決めるのも、これからの平和の声だと思います。
 この8月、私は2つの行動を行いました。8月4日に、デスコト国連議長と初めて会談し、核兵器の問題を話し合いました。デスコトさんは、カトリックの神父さんなんです。デスコトさんはこのように私に言いました。「広島に原爆を落としたB29エノラ・ゲイのポール・ティベッツ機長もカトリックだった、クリスチャンだった。あの行為は軍の命令であったとしても、キリストの教えに反しています。私は、兄弟姉妹に対して許しを請いたい」。皆さん、素晴らしい理性の声ではありませんか。
 そして私がデスコト議長に、核兵器廃絶への協力を要請したところ、議長からこういう答えが返ってきました。「志位さん、あなたの(オバマ大統領あての)書簡は私もすでに読みました。あなたの考えに全面的に賛成です。この歴史的チャンスをとらえて、実らせましょう」。国連議長とそういう核兵器廃絶への協力で一致したこともご報告しておきたいと思います(拍手)。
 そしてもう一つ、私は8月3日に広島に行った際、原水爆禁止世界大会の国際会議に出席しまして、日本政府が何をなすべきか、提案いたしました。いまこういう動きが起こっているときに、日本がなすべきは、アメリカの「核の傘」から離脱して、名実ともに「非核の日本」になることであります。名実ともに「非核の日本」になってこそ、世界に向かって核兵器は不要というイニシアチブを被爆国として発揮できるのではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。
 《平和の願いは、一筋に平和貫いてきた日本共産党へ》
 
 こんどの選挙は、広島・長崎への原爆投下から64周年の月に投票日があります。8月の投票日というのは戦後初めてです。ですからぜひ、平和の問題も、どの党が本当に願いを託せる党かをお考えいただき、戦争のない世界をつくろう、憲法9条を守ろう、アメリカ言いなりの大本にある日米安保条約をやめて、日米友好条約を結ぼう、こういう平和の願いは、一筋に平和を貫いてきた日本共産党に、どうかこぞってお寄せください。(拍手)。

[自公政権を終わらせた後の政権<中線/001オモテ/0/0/0/0/0/  >建設的野党して頑張りぬく]

 自公政治を終わらせて退場に追い込むと、冒頭申しましたが、退場させた後の政権をどうするのか。日本共産党が参画する、「国民が主人公」の民主連合政府をできるだけ早くつくるつもりですが、すぐこんどというには早いですね。そうなりますと、民主党中心の政権ということに、おそらくなるでしょう。そのとき日本共産党はどうするのか。
 
 〈「財界中心」「アメリカいいなり」の政治のゆがみ正せない民主党〉
 
 民主党には、私がお話したような政治の大本のゆがみ、財界中心、アメリカ中心という政治のゆがみを大本から正すという立場は見られません。ただ、個別の政策を見ますと、一致点もあります。不一致点もたくさんある。民主党の政権ができましたら、日本共産党は国民の利益に立って、皆さんの願いを実現し、政治を前に動かす「建設的野党」として頑張り抜きたいということをお約束したいと思います(拍手)。

  第1、政治を前に動かす「推進者」

 第1に私たちは、皆さんの願いを政策にまとめて、どんどん提案してまいります。労働者派遣法の問題、後期高齢者医療制度の問題、障害者自立支援法の問題、農業の問題、平和の問題、どんどん私どもの方から具体的に提案し、一致できる政党とは協力し、現実の政治を一歩でも二歩でも前に動かすために頑張り抜くことをお約束したいと思います(拍手)。

  第2、危ない政策の「防波堤」

 第2に同時に、日本共産党は、いま民主党が明らかにしている政策の中で、危ないものが具体化される動きが起こったときには、それを許さない防波堤となって頑張ります。
 
  消費税増税の問題

 例えば消費税の問題、民主党は当座は税率に手を付けないと言っていますが、いずれは年金財源のために値上げが必要だという立場を明らかにしています。
 
  憲法9条の問題
 
 憲法9条の問題も、鳩山代表は9条2項を削除して、自衛軍を保持できるよう書き込むとしています。これが実現してしまったら、海外で大っぴらに戦争ができる国になってしまいます。それから、いま非核三原則がありますでしょう。核兵器を「作らず」・「持たず」・「持ち込ませず」。このうち、「持ち込ませず」というのを削ってしまって、「二原則」にするようなことを鳩山さんは言っておりますが、これは断じて認めるわけにはまいりません(拍手)。

  日米FTAの問題

 さらにもう一つ。いま、農家の方々の中でごうごうたる批判が起こっている問題に、日米FTAという問題があります。自由貿易協定の問題です。民主党はマニフェスト(政権公約)の中に「日米FTAの締結」を書き込みました。日米で自由貿易となった場合に、何が起こるかというと、中心は農業とコメが潰されます。コメは82%がつぶされて、残るのはたった18%。最後の主食までアメリカに売り渡してしまうような、日米FTAには絶対反対だというのが、日本共産党の立場であります(拍手)。

  衆院比例定数削減の問題

 そしてもう一つ。民主党は衆院比例代表の定数を80減らすということを、マニフェストの冒頭に書き込みました。こともあろうに、「無駄遣いを削る」と書いてあるんです。比例代表の議員は無駄遣いでしょうか?私は無駄遣いでしょうか?吉井さんは無駄遣いと言うのでしょうか?そんなことないですね。皆さんの民意をちゃんと国政に届ける唯一の民主的な制度が、比例代表ではありませんか。それを半分にしてしまったらどうなるか。自民、民主の2つだけで、(衆院)議席の95%を独占してしまうことになる。こんな民主主義の逆行は絶対に許すわけにはまいりません(「そうだ」の声、拍手)。
 政治家が身を削ると言うのだったら、やることがあるじゃないですか。320億円の政党助成金こそ廃止すべきだと、私は訴えたいと思います。
 このように民主党の危ない問題が具体化されようとするときには、日本共産党は、暮らしを守り、民主主義を守り、平和を守るために防波堤となって頑張ることをお約束したいと思います(拍手)。

  第3、「国民が主人公」の民主的政権の探求

 そして第三に、「国民が主人公」の民主的政権、民主連合政府をつくるための国民的共同を探求、発展させるために、力を尽くしてまいります。

 このように積極的に政策を提案し、良いものには協力する、悪いものにはきっぱり反対する。そして日本の政治を、「国民が主人公」の方向に大本から改革する、こういう「建設的野党」が伸びてこそ、日本の政治を前に動かす、そして未来を開く、一番の力になると、私は心から訴えたいと思います(拍手)。
 そしてもう一つ言いますと、仮に民主党中心の政権ができたら、野党は日本共産党と自民党と公明党なんです。自民党と公明党に「建設的野党」の役割を期待できるでしょうか。「良いものには足を引っ張り、悪いものには賛成する」、こういうことになりかねませんね。そのときに日本共産党が大黒柱になって頑張ってこそ、日本の政治を前に進めることができることを、私は訴えたいのであります(拍手)。


  古いページをめくり、新しいページに日本の進路を書き込もう


 日本の政治は大きな転換点です。古い汚れた自公政治のページはみんなでめくりましょう。そしたら真っ白な、何も書いてないページが出てきます。そこに21世紀の日本の進路をどうするのかを書き込むのは、有権者の皆さんです。日本共産党はきょうお話したように、暮らしを守るルールある経済社会をつくろう、9条を生かした平和外交の日本をつろうと訴えておりますが、そういう「国民が主人公」の絵を、真っ白なページにご一緒に書こうではありませんか。
 政党を選ぶ比例代表選挙では、「日本共産党」と書いてくださる方を広げに広げて、3つの議席を近畿ブロックで必ず守り抜き、4つ、5つと増やしていただきたい。そして小選挙区では小選挙区候補への絶大なお力添えをよろしくお願いします。私も、こんどこそ躍進という結果が出せるように、持てるすべての力の振り絞り決意を申し上げて訴えとさせていただきます。ありがとうございました(大きな拍手)。

投稿者 jcposaka : 2009年08月14日

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