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WTC府庁移転あきれた再提案「僕がずれていた」↓「不退転の決意」「議会解散も」知事突き動かす関西財界

2009年09月11日

 橋下徹知事が25日開会の9月府議会に、 WTC (ワールドトレードセンタービルディング) への府庁移転案を、 再提案しようとしています。 わずか半年前の2月府議会で否決された移転案。 橋下知事は、 「不退転の決意」 などと述べ、 出直し知事選や議会解散などの可能性さえちらつかせていますが、 これまでの経過や移転構想をみると、 再提案の大きな原動力に関西財界の動きがあることが浮き彫りになります。

 橋下徹知事が25日開会の9月府議会に、 WTC (ワールドトレードセンタービルディング) への府庁移転案を、 再提案しようとしています。 わずか半年前の2月府議会で否決された移転案。 橋下知事は、 「不退転の決意」 などと述べ、 出直し知事選や議会解散などの可能性さえちらつかせていますが、 これまでの経過や移転構想をみると、 再提案の大きな原動力に関西財界の動きがあることが浮き彫りになります。

否決に悔しさあらわにした関西財界

 ことし3月24日未明。 府議会本会議で、 橋下知事が提案した府庁WTC移転案が否決されました。 移転条例案は反対65、 賛成46 (無効1)。 WTCビル購入費など移転関連予算は反対69、 賛成40 (白票2)。 大差での否決後、 橋下知事は記者会見で 「僕の方が府民からずれていた」 と語ったものです。
 否決を悔しがったのは、 関西財界でした。 2月府議会の開会当時、 関西経済連合会 (関経連)、 大阪商工会議所 (大商)、 関西経済同友会の3団体は、 WTC移転を支持する連名の緊急アピールを発表。 それだけに関経連の下妻博会長は 「大阪・関西の発展の起爆剤になると思っていたが、 残念」。 関西経済同友会の齊藤紀彦代表幹事も 「誠に残念」 とのコメントを出しました。
 橋下知事は当初の移転案とともに、 大阪市の平松邦夫市長との間で、 WTCのある咲洲コスモスクエア地区と大阪城周辺地区を中心とした府市共同の 「都市構想」 を発表していました。 移転案の否決を受けて、 関経連の下妻会長は、 より総合的な都市構想の策定などへ、 財界として議論に参加するなど 「積極的な協力」 を表明していました。

移転可能な環境の整備を9月までに

 6月23日、 再び関西財界が公然と姿を現します。 関西経済同友会が、 橋下知事と平松市長にそれぞれ 「緊急要請」 を出しました。 府市が協働して、 咲洲コスモスクエア地区を関西の 「競争戦略拠点」 と位置付けるに足りるグランドデザインを策定し、 「その中で府庁WTC移転が可能となる環境を整備せよ」 と要求。 「9月までに」 と期限まで切りました。

 関西経済同友会は、 府議会での移転案否決は 「移転そのものがまったく駄目という結論ではない」 とし、 「府市が共同で作成した都市構想の中身がしっかりしていなかったから」 などと主張しました。  府庁WTC移転について橋下知事は否決後も 「僕はあきらめていない」 と繰り返し発言してきました。 7月23日には、 2次破たんしたWTCビルの中井康之更生管財人が、 WTCへの府庁移転とWTCビルの買い取りを検討するよう打診したのに対し、 橋下知事は 「議会に挑戦したい」 と再提案に意欲を見せました。  同月28日には、 橋下知事と平松市長が一緒にWTCビルを視察。 平松市長は府庁移転を正式に要請し、 橋下知事は9月議会に移転案を再提案する意向を表明しました。

協議会や検討会に軒並み財界が参加

 8月21日には、 平松市長は 「舞洲・咲洲地区まちづくり推進協議会 (仮称)」 への参加を橋下知事に要請。 同協議会の構成メンバーは両首長のほか、 関経連の下妻会長、 大商の野村明雄会頭、 関西経済同友会の中野健二郎代表幹事の5人となっています。
 しかし平松市長は昨年9月、 「テクノポート大阪」 計画 (88年) の終結を正式に宣言。 咲洲はじめ人工島計775fに企業を誘致し、 2010年に人口6万人の新都心をつくるという計画は、 「現実とかなりのかい離がある」 と破たんを認めざるを得ませんでした。
協議会の第1回会合は、 9月中旬にも開かれる予定ですが、 府庁移転やベイエリア開発を府市と財界が一体になって進める仕組み。 平松市長は協議会の設置に当たって、 「過去の轍 (てつ) を踏まないよう、 大阪市、 大阪府並びに経済界が一丸となって」 と強調していますが、 自ら 「終結」 を宣言したベイエリア開発への反省も総括もありません。
 橋下知事は平松市長にコスモススクエア地区への大阪市の投資計画を明確化し、 前倒し実施するよう要請しました。 さらに府庁WTC移転後の大手前地区の 「土地利用構想」 についても 「検討会」 を設置しています。
ここにも関西財界3団体が参加しています。

移転再提案は論外 愚挙という他ない
共産党府議団

 9月府議会を前にした橋下知事と府議会主要会派との意見交換が1日行われ、 日本共産党大阪府議会議員団 (宮原威団長) は、 「そもそも2月府議会で府民と議会によって否決された府庁舎のWTC移転案の再提案は論外」 と厳しく批判しました=写真。
 府議団側は、 WTC移転による府民の利便性の後退、 WTCビルが防災拠点となり得ないこと、 大手前周辺の文化価値の減少など、 2月府議会で噴出した問題点が一切解決されていないことを指摘。 「さらに破たんし、 まったく見通しのない大阪市の湾岸開発に府が税金を投入することは、 愚挙というほかない」 と強調しました。

投稿者 jcposaka : 2009年09月11日

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