淀川区・東三国住宅 府営住宅廃止やめて 「納得できない」9割も 公営住宅増やすべきなのに
2009年10月16日
「公営住宅の増設が求められているのに廃止・取り壊しなんてひどい」―。 大阪府が進める府営住宅の建て替え・廃止計画をめぐり、 日本共産党東三国支部 (大阪市淀川区) は12日、 ことし春に廃止方針が出された府営東三国住宅 (同区十八条町) で住民の意見を聞くアンケート活動に取り組みました。 貧困と社会格差が広がる中、 年々応募倍率が高くなるなど入居がしにくくなる公営住宅。 住民からは 「廃止ではなく建て替えで住み続けられるように」 「住む家を追い出すのは命の問題だ」など切実な声が相次いで寄せられました。
大阪府は約13万8千戸ある府営住宅のあり方について、 「府営住宅ストック総合活用計画」 (計画期間=2006〜15年度) を策定。 これに基づき全体の約9割を建て替え・耐震補強する方針ですが、 昭和40年代に建てられた東三国住宅 (4棟全360戸) について、 「高コスト」 「耐震工事施行困難」 などを理由に府営住宅では初めて廃止・取り壊しの方針を表明、 住民に対し2年をめどに退去を求めました。 東三国住宅には現在約321世帯が入居し、 65歳以上の高齢者は7割以上を占めるとみられます。 234世帯が回答した住民アンケートでは、 「廃止計画に納得できない」 が150世帯(64%)で、 「納得できないが仕方ない」 (58戸) を合わせると実に89%の住民が計画に納得していない実態が浮き彫りになりました。 府は住民に対し、 「移転先を確保する」 などと説明するものの、 直近の府営住宅募集 (淀川区内) はわずか7戸に過ぎず、 近隣の民間住宅やUR (旧公団) 住宅を含めても、 数年以内での全住民の転居先確保は困難と言われています。 この日のアンケート活動は、 党地区委員会の宮島正・淀川区府政対策委員 (地区委員長)、 東三国支部の阿部照美支部長ら6人が参加しました。「どこに行けというのか」
25年以上団地に住み続ける女性は、 「職場や家族が入所する介護施設も近くにあり、 ここを離れたくない。 何十年も親しくしてきた人がバラバラにされるのは悲しい。 府はなぜ建て替えしてくれないのでしょうか」 と話し、 別の女性は 「40年住み続けた家を出て、 一体どこに行けというのか。 わずかの年金暮らし。 引っ越し後の家賃負担が心配です」 と語りました。
「なぜ東三国住宅が廃止なのか?納得できる説明もなく、 出て行けというのは許せない」 と語るのは39年前から居住するという男性。 「貧困世帯が増える中、 団地を追い出されたら生活が行き詰まる人も多いはず。 府の借金財政のツケを、 弱者に押し付けるなんて貧乏人は死ねということか」 と府の方針を批判しました。
投稿者 jcposaka : 2009年10月16日