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新春対談 生命尊重の政治実現したい 参院大阪選挙区候補・大阪市議 清水ただしさん 素晴らしい作品に出会えた 俳優座・女優 若井なおみさん

2010年01月02日

 日本共産党の清水ただし参院大阪選挙区候補が、俳優座の若手女優・若井なおみさんと対談しました。1960年代、日本で初めて乳幼児と老人医療無料化を実現した岩手県沢内村のドラマを描いた映画「いのちの山河―日本の青空㈼」(大澤豊監督)に、村長の娘役で出演した若井さん。全国巡演中の俳優座公演「グレイクリスマス」では伯爵家の娘役、黒澤明生誕100年記念の社会派ドラマ「悪い奴ほどよく眠る」(2月26日、関西テレビ)では、土地開発公団副総裁の娘役に抜てきされました。清水さんの映画の感想から始まった対談は、撮影秘話や命を尊ぶ政治のあり方などに話題が広がって…。

清水 第1作「日本の青空」は憲法9条、今度の第2作は生存権の25条がテーマですね。命の格差は許さないと信念を持ってリーダーシップを発揮する深沢晟まさ雄お村長を、家族や村民がサポートして、豪雪、病気、貧困の三悪を解決していくドラマに感動しました。

 若井さんは、村長夫妻の娘の杜と史し子こさんを演じられてますね。

村民の人々もエキストラで

 若井 ええ。本当のお母さんは村長の前の奥さんで、台湾に住んでいた時に妊娠中毒症で亡くなられるんです。とよた真帆さんが演じられた、後の奥さんのミキさんは、血がつながっていない杜史子さんを実の子のように愛されたそうです。原作を読んでいてもお二人とも、信念のすごく強い方だったようです。
清水 雪のシーンがたくさんありましたが、ご苦労されたんじゃないですか?
若井 寒くて。亡くなった村長を乗せた車を、雪が積もる中で村の人たちが並んで迎えるラストシーンは、350人のエキストラさんが来てくださいました。向こうから来る車と撮影の方とで打ち合わせしながら何回も車が入ってきて、一瞬で終わるカットも何時間もかかりました。そのうちにものすごい吹雪になっちゃって。
 当時のことをご存知の方たちもエキストラで出演してくださったでんすが、そのシーンのとき、「本当にこんな感じだった」とおっしゃっていました。
清水 県庁を訪れた深沢村長が、国民健康保険法に違反するから老人医療無料にするなと言われた時に、末端の法律はともかく、憲法違反ではないので最高裁でもたたかいますよと言います。あの決意と信念に胸打たれましたね。

幼児死亡率がゼロの世代と

若井 私は出番がないときも、ずっと撮影の様子を見せていただいたんですが、村長役の長谷川初範さんのこの映画にかける情熱はすごかったです。できあがった画面を見ていてあらためて感じました。映画に出てくる以前の深沢さんの人生も全部考えてつなげて、人物像をつくられていました。
 夏、冬2回のロケのときも同じ旅館に泊り込んで、食事もみんなで一緒にいただいたんですが、長谷川さんも、住職役の大鶴義丹さんも農協職員役の宍戸開さんもお話が面白くて。すごく知識が多くて、どんどん話題が発展して、チェ・ゲバラの話にもなったりして、あの時代の若者たちも、国際的な思想に感化されて燃えていたんだろうなとか、議論が尽きないんです。その姿を見ていて、当時の人たちも、こんな感じでお酒を飲みながら語り合ってたんだろうなあと思いました。
清水 いまみたいに携帯電話もないし、メールやファクスもなかった中で、子どもたちがすくすくと健やかに育つ村にしようと、村長が村民やさまざまな団体の協力を求めて行脚と対話でずっと回る姿や、乳幼児死亡率のゼロを達成するために、保健師さんが赤ちゃんの安否を気遣って、山の中まで探しに行くシーン。一人の赤ちゃんも死なせるなといって、あと何日、あと何日と努力する姿が非常に印象的でした。
若井 私たちが向こうに泊っていた時、ちょうど40代ぐらいの方たちが同窓会をされていたんですが、「私たちの学年が乳幼児死亡率ゼロを2回目に達成した年代です」と言われるの聞いて、あーつながってるんだと。

老人医療無料化した時代に

清水 「いのちの山河」を見ていると、命の尊厳を保障する政治の原点がここにあると。ところが逆に医療制度がどんどん悪くなって、高すぎる健康保険料を払えず、保険証が取り上げられる事態も起きてきました。そんな中でみんなで運動して国を動かし、2009年12月には高校生まで無条件で保険証を届けることが実現しました。
 一方で、あの時代には60歳以上の方の医療費無料化が実現したのに、いまは必ず年金から天引きされ、医者にかかったときもお金がかかる。75歳以上の方は診療科目で現役世代と差別されて、お医者さんが75歳以上の人を診ても収入にならないしくみがつくられています。戦争をくぐり抜けて厳しい体験をされて、物のない時代に頑張ってこられた人たちが安心して医療を受けられるように、政治家として頑張っていきたいと思います。

行脚と対話を大切にしたい

若井 (清水さんのリーフレットを見て)あのー、コンビとか書いてあるんですが(笑い)
清水 若い時に、松竹芸能でコンビを組んで漫才をやってたんですよ。
若井 そうなんですか!
清水 コンビを解散した後、俳優部に変わって舞台のミュージカルの役をいただいて全国巡業をやる予定でしたが、これからクランクインというときに阪神淡路大震災が起きて中止に。震災ボランティアに行って困っている人たちをつぶさに見る中で、政治や行政が人間の命よりも開発や公共事業に力を入れていることなどに疑問を感じて、舞台で相方に突っ込みを入れるより、社会に物を言っていこうと決心してこの世界に入ったんです。
若井 私も祖母をあの震災で亡くしています。だけどあの時に印象に残ったのは、毎日、何もやることがなくてコンビニの前でたばこを吸っていたお兄ちゃんたちが、震災の次の日から一軒ずつノックしていって、中で返事したところから助けていかれたという話から、人間捨てたもんじゃないなあと。
清水 本当にそうですね。いまどきの若い奴はとよく言われるけど、エネルギーの出し方や社会とのかかわり方がうまくいかないだけであって、困った時には助け合ったり、自分も役に立ちたいという思いはみんな持っていると思うんですね。
 若井さんの新年の抱負を聞かせてください。
若井 「いのちの山河」という素晴らしい作品で素敵な役をいただいて。舞台とはまた違った世界で、とても貴重な経験をさせていただきました。 これからも自分も成長しながら、いい芝居、いい映画をやっていきたいですね。
清水 舞台はその場その場がお客さんとの真剣勝負ですからね。そういう点では私も同じです。深沢村長のように行脚と対話を大切にして、生命尊重の政治を目指して頑張りたいと思います。
 本日はありがとうございました。

わかいなおみ 1977年、神奈川県出身。01年、劇団俳優座入団。俳優座公演「上意討ち―拝領妻始末―」では運命に翻弄される妻を、「犬目線/握り締めて」では心を病んだ妻を好演。舞台、映画、テレビドラマと幅広く活躍中。

 若井なおみさんが出演する俳優座「グレイクリスマス」(斎藤憐作、高瀬久男演出)大阪公演の日程 ▽2010年2月8日(月)阪南市・サラダホール▽2月13日(土)貝塚市・コスモスシアター。

映画「いのちの山河」上映予定

 映画「いのちの山河」は4月上旬、シネ・ヌーヴォ(九条)で公開予定。府内各地の上映日程は次の通り(2009年12月20日現在)。
 ▽2010年1/22摂津市民文化ホール▽1/23大東市総合文化会館▽2/27豊中市アクア文化ホール▽3/13和泉市人権文化センター▽3/14リックはびきのMホール▽3/19・20エルモ西淀川▽3/20大正区コミュニティホール▽4/3交野市ゆうゆうセンター▽4/10栂文化会館大ホール▽4/11松原市文化会館大ホール▽4/16高槻市生涯学習会館ホール▽5/15堺市民会館大ホール▽5/15弥生の風ホール▽5/21・22東大阪市民会館。
 詳しくは090・3486・7719映画「日本の青空㈼」製作・上映運動大阪実行委員会事務局・一芝さんまで。

投稿者 jcposaka : 2010年01月02日

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